私(記者)は自分でもあきれるほど貧乏だ。最近、『妻よりも経済力が落ちると夫が浮気しやすい』というニュースが話題になっているが、私はお金もないし恋人もいないので浮気すらできない(しちゃダメだけど)。「貯金ゼロで今までよく生きてこれたなあ」と、自分でも感心してしまう。すでに36歳になり、人生の先も大筋で見えている。「俺はこのままで大丈夫なのか」と自問自答の毎日である。
なんとかこの事態を打開するために、インターネット上で噂になっているある会に参加してみることにした。その会とは『満月お財布フリフリ会』というものだ。なんでも満月の日に、満月に向かって財布を振るという。たったそれだけで金運がアップし、良いことがドンドン起きるそうだ。さらに参加者は女性ばかり! これは行くしかない! でも、本当に財布振るだけで貧乏を脱出できるの?
この会は毎月満月の日に開かれている。8月25日の満月の日には、恵比寿ガーデンプレイスで開かれるとの情報を仕入れた。さっそく開催時間に足を運ぶと、すでに十数人の女性たちが集まっている。19時の集合時間が近くなると、ドンドン女性たちが集まってくるではないか。その数およそ30人。男は私1人。うひょー! なんだか緊張してきたー!
みんなが集まった段階で、主宰者のみさきのゑさんが姿をあらわす。のゑさんは参加者に対して「みなさーん、まずが財布からお金を消費するようなものを全部出してくださいね~!」と発言。お金を消費するようなもの? 初参加の私にはよくわからない。「すみません、お金を消費するってなんですか?」と質問したところ、「レシートとかクレジットカードとか、持ってると出費につながるものです」とのこと。なるほど、とりあえず財布の中身をお金だけにすれば良いのだな。私は紙くず同然のレシートをごっそり取り出した。
「準備は良いですか~? では、満月に向かって財布を振りますよ~!」と、のゑさんが掛け声をかけると、参加者らは財布を高くあげ、一斉に「満月ぅぅ~! ありがとうぅ~!」と叫びだした。そう言いながらシャカシャカと財布を振り出した。なんじゃコリャ? これで金運アップ? 訳もわからず参加者の皆さんに合わせて私も「満月ぅぅ~!ありがとうぅ~!」3回連呼して終了。たったこれだけ。これで本当に金運アップしたのだろうか? あまりの呆気(あっけ)なさに拍子抜けした私は、終了後にのゑさんに質問をした。
佐藤: 本当にこれで全然イケてない上に超貧乏な僕でも金運アップしますか?
のゑ: あなたはまず、自分でイケてないって言ってる時点でダメ!
佐藤: え!
のゑ: 自分で物事を前向きにとらえるようにしないとダメよ! 満月のフリフリは金運アップももちろんだけど、前向きに物事をとらえる仲間が集まるから人気があるのよ。まずは物とか言葉とか、使うものから変えていかないと、あなたの運気は上がらないんじゃないかしら。
佐藤: そうなんですか~。物と言葉ですね~。
私は15年近く使っている皮の財布を取り出した。自分で言うのもなんだか、とても汚い財布だ。破けまくっていて、汗の匂いでめちゃめちゃ臭い。その財布をのゑさんにお見せすると、
のゑ: 何これ? 汚い! ダメよ! あなたはまず財布を変えなさい! 財布にもいろいろあるのよ。『置き財布』と言って、お金を貯めるためだけの財布と、普段使う用の財布を分けておくの。そうすると、お金の使い方が変わるから。あなたはまずこの財布を卒業することから始めなさい!いいわね!
佐藤: ひ~! は、はい……。
どうやら、私は財布を振る前にしなければいけない事があったようだ。まずは長年愛用し、破れてしまった財布を新調することから始めよう。ちなみ『満月お財布フリフリ会』は毎月開催されている。参加者の皆さんにお話を聞くと、満月に向かって財布を振ったおかげで、土地をもらったという人や、お米を分けてもらったという人もいた。なかには本当に大金が舞い込んできたという人や、仕事のオファーが入ってきて生活が一変したという人もいる。実際にご利益があるようだ。
次回開催は9月23日の予定。興味のある方は満月お財布フリフリ会のブログ『フリフリーゼ』をチェックして欲しい。女性率高めではあるが、男性の参加もOK。金運アップした人は是非参加を!
ちなみに、最近のお金にまつわるニュースがユニークで面白い。たとえば、『新聞の勧誘が家にくるとお金がもうかるんです』や『犬にお金を食われた飼い主が激怒して警察に通報』、『お金がなくても生きていける? 無銭生活を2年間実践する男』、『美人すぎる0円で日本一周女性が援助してくれる人を募集中』などのニュースが注目を集めている。
Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影
▼ まずはみんなで輪になって財布を差し出す
▼ そして満月に向かってフリフリ。満月~!ありがとう~!!
▼ 私(佐藤)の財布を見た主宰のみさきさん。あまりの汚さにショックを受けている様子…
▼ お金の貯まらない財布の一例。破けている上に非常に汗臭い