アップル社のタブレット『iPad』が発売され、早くも1か月以上が経つ。街でも『iPad』を手にする人を見かけるようになった。電車でも書籍がわりに『iPad』を手に読書をする人さえ現れている。今年は『電子書籍元年』と言っても過言ではないだろう。
出版各社もこぞって電子書籍の開発に乗り出している。しかし、電子書籍のファイル形式『EPUB』(イーパブ)は日本語版が存在しているものの、そのままでは縦書き表示されない。縦書き変換を実現するために、開発各社は頭を悩ませているようだ。
そんななか、あるシステム開発会社が画期的な電子書籍用ソフトウェアを開発した。そのソフトは縦書き・横書き表示を自由自在にあやつることができき、段組(だんぐみ)、文字サイズもボタン1つで変更可能なのだという。とても優れた電子書籍ビューワーなのだ。
このソフトを開発しているのは、『ブログ出版局』というブログ製本サービスを展開している株式会社GNNだ。この会社は独自の組版(くみはん)技術を開発しており、ブログ書籍化の草分け的な会社である。
長年独自開発してきた技術をいかし、モバイルOS『Android』専用の電子書籍ビューワー『Copper Reader』(カッパー・リーダー)を開発。7月8日に同ソフトをリリースした。このソフトのすごいところは、縦書き・横書き表示を瞬時に切り替える点だろう。コントロール画面で文字サイズ、書字方向(縦書き・横書き)、段組、配置を決めてボタンを押すだけ。するとすぐに指定した表示形式に切り替わる(文字量によって速さは異なる)。電子書籍を読むのに最適のこのソフトは、驚いたことに無料で配布されているのだ。
さらに、同社は電子書籍作成サービスも無料で提供している。テキストデータやブログデータ(MovableType形式)を持っていれば、こちらもボタン1つで電子書籍(EPUB、PDF)を作ることができる。自作の小説などを電子書籍にしたいとお考えの方には、最適のサービスといえるだろう。
興味をもったならば公式サイトをチェックしてみよう。「難しそう」と思った電子書籍が手軽に体感できるはずだ。なお、7月8~11日に開催される東京ビックサイト『第17回東京国際ブックフェア』で、『Copper Reader』のデモンストレーションを行っているとのことだ(出展場所:西1ホール2-35)。実際に触って使用感を試してみてはいかがだろうか?
Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影
▼ 横書き表示の画面。段組も最大3段まで表示可能
▼ とてもシンプルな表示設定画面