1回の検査時間、わずか5分。驚くべき手軽さで内部被ばく検査を行ってくれる「放射能プレミアムドックセンター」が、東京・品川に開設された。ここでは、チェルノブイリ原発事故で被害を受けたベラルーシで開発された検査機器を導入し、短時間で本格的な検査を受けることができるのだ。
2012年1月16日に開所式が行われ、翌17日から本格的にサービスを開始。当編集部の東京在住メンバーの2人も、早速初日に検査を受けに行った。都内でも放射線量の高いエリア(ホットスポット)があるようなのだが、果たしてどのような結果が出たのであろうか?
センターを開設したのはIT保守業務を行っている「日本サード・パーティ株式会社」だ。同社によると、福島第1原子力発電所事故による不安解消や健康管理を目的として、ベラルーシから検査機器を取り寄せて、比較的安価で検査が受けられるセンターの開設に至った。
当編集部から検査を受けに足を運んだのは、震災後からほとんど都内に留まっている記者と、1度取材で福島を訪れた記者だ。都内でも、時折高い放射線の測定報告があがっているのだが、内部被ばくの心配はないと言い切れない。そこで実際に検査を受けることにした次第だ。
検査はとても簡単、内部被ばく検査は用意された椅子型の機器に5分間腰掛けるだけ。ただ座っているだけで、セシウム134とセシウム137、カリウム40の量が測定できるのである。
セシウム134(半減期約2年)、セシウム137(半減期約30年)については、原発事故後の報道等ですでにご承知の方も多いと思うが、放射性同位体で、放射能汚染の原因とされる物質だ。これが体内から検出されると、内部被ばくしていることになる。カリウム40は自然界ならびに人体にも含まれている。したがって、検出されるのは自然なことである。そして、2人の検査結果は以下の通りだ。
・ 都内在住2名の「内部被ばく検査」の結果
20代男性記者(福島市に1度訪問)
セシウム134 不検出
セシウム137 不検出
カリウム40 3830ベクレル
30代男性記者
セシウム134 不検出
セシウム137 不検出
カリウム40 3590ベクレル
2人の結果はほぼ同じで、内部被ばくしていなかった。甲状腺被ばく検査も受けたのだが、こちらも同様に5分で終了。結果は内部被ばく検査と同じく問題なかった。ちなみに20代記者は稲わらや海産物から放射性物質が検出された時も気にせず魚や和牛を食いまくっていたそうだ。
このことについて、スタッフの方にお話を聞いたところ、「男女や年齢でも差が結果には差が出るので、誰でも気軽に検査をして頂きたい」とのことだ。
ちなみに料金は、いずれの検査も単独で受ける場合は1回9500円(2月末まで。正規料金1万2600円)、セットで受ける場合は1万4000円(2月末まで。正規料金2万3100円)となっている。
メディアの情報で「安全」と言われても、どこか信用し切れないところがあるのだが、実際に検査を受けて問題ないとわかると安心できる。興味のある方は、1度足を運んでみてはいかがだろうか。訪ねる際には事前に混雑具合を確認し、予約をしておくと良いだろう。
■ 放射能プレミアムドックセンター
住所: 東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー13階
電話番号: 03-5795-1840
写真:Rocketnews24
▼ こちらが内部被ばく検査を行う「ホールボディーカウンター」
▼ 5分間座っているだけで、検査結果が出る
▼ こちらは甲状腺被ばく検査の機器
▼ 5分間、喉をつけるだけ
▼ 結果はプリントアウトして手渡してもらえる(上が30代記者、下が20代記者)