毎朝、同じ時間に家を出て、同じ時間の電車に乗り、時間通りに仕事をこなしていく……。日々を時計の針とにらめっこしながら過ごしている方も多いのではないだろうか。

海外のサイトで、そんな現代社会とは正反対の腕時計が紹介された。文字盤にあたるディスプレイ部分は青一色。針もデジタル表示も一切なく、一見、時間が全くわからない。その時計の名は「タイム・オブ・スカイ」、ディスプレイを空に見立て、色の変化で時間を知らせてくれる時計だ。

「タイム・オブ・スカイ」をデザインしたのは日本人デザイナーの吉行良平さん。この時計は針や数字ではなく、その時間の空の色によって時間を教えてくれる。昼の11時なら11時、夜の7時なら夜の7時の空の色が映し出されるのだ。

ひとくちに「青」と言ってもその種類はとても多い。例えば、夜明け前と日の入り後は、同じ暗めの空でも、朝方は鮮やかな青、夜中は深い青、と異なる青で表現されているのである。空の色はひとつとして同じ色がないことに気づかされるだろう。

また、時計の横にあるボタンを押すと昼間なら太陽が、夜なら月がぼんやりとディスプレイに浮かんでくる、心憎い仕掛けが。

正確な時間を知ろうとすると混乱するかもしれない。だが、時計の中の美しい空の色を見て、ゆったりと時の流れを感じるというのは豊かな時間の過ごし方である。

皆さんは空を見て「今、何時頃かなぁ」なんて思うことはあるだろうか。1分1秒と時間にキッチリなのは日本人の長所でもあるが「空の色で時間を感じる」 たまにはそんな日もあっても良いだろう。

参照元: Neatorama(英語)、 吉行良平と仕事

▼これらの色で一日の時間が表現されている