連日、ニュースでは「物価高」という言葉が飛び交っている。正直、聞き飽きた感すらあったのだが……ついに私自身、その生々しい波に飲み込まれてしまった。


先日、セブンイレブンで小さなパック(450ml)のオレンジジュースを手に取った。たまにあるだろう、発作的に「どうしてもオレンジジュースが飲みたい!」という衝動が。私はワクワクしながらレジへ向かった。


すると、対応してくれた店員さんは、さらりと私にこう告げた。


「289円です」



……。


………………。


ちょっと待ってくれ。


何かの間違いだろ? だってこれ、450mlの小さなパックだぞ。デカいのじゃないぞ? バーコードの読み間違いじゃないかと思い、レジの液晶を二度見したが、そこには非情にも「オレンジジュース」の文字。


「ちょ、ま……」


嘘だろ。コンビニの450ml飲料で289円ってどういうことだ。あまりの衝撃に、私は恥を忍んでこう告げた。


「すいません……やっぱり、いいです……」


店員さんは「ア、ハイ」と言い、オレンジジュースを後ろにしまった。私は顔を真っ赤にしながら、逃げるように店を出た。


いや、やっぱり信じられない。きっと何かの間違いだ。私は狐につままれたような気分で店内に引き返し、売り場の値札を再び確認した。


そこには、はっきりとこう書かれていた。


「268円(税込289円)」


現実は非情である。セブンの小パック・オレンジジュースが約300円という時代が、ついに来てしまったのだ。



・「150円」という記憶との乖離

私の中のイメージでは、この手のジュースはせいぜい150円程度。想定の約2倍だ。うろたえるのも無理はない。


ちなみに、横に並んでいた「アップルジュース」は税込210円。オレンジとアップルで、ここまで明確な格差が生まれているとは……。


あまりにも衝撃だったので、私はその足で近所のスーパーに向かった。そこで目にした光景は、さらなる絶望だった。


オレンジジュース(900mlパック):税込355円


高い。高すぎる。私がオレンジジュースを浴びるように飲んでいた数年前は、900mlでも150円くらいの感覚だった。完全に2倍以上である。


一方で、やはり「庶民の味方アップルジュース」は頼れる存在。


アップルジュース(900ml):193円


こちらは「少し値上がりしたかな?」という程度で、そこまでの割高感はない。さらに、高級路線の「トロピカーナ」もチェックしてみたが、驚きの結果に。


トロピカーナ(アップル):344円

トロピカーナ(オレンジ):474円


どのブランドでも、オレンジだけが異常に高いのだ。



・めくれたオレンジ、めくれた物価

かつての私は、冷蔵庫に常備するほどオレンジジュースを愛していた。1日900mlなんて余裕で飲み干す「オレンジジュース狂」だった。


しかし、あまりに飲み過ぎたせいか、「人生で飲むべき分をすべて飲み尽くした」という感覚になり、ここ数年はオレンジジュースから離れていた。いわゆる「一生分食べたからもういいや」状態である。


私の相場観は、その数年前で止まっていた。それが今見たら289円。完全なる浦島太郎状態。まさかコンビニの小パックが289円になるなんて……。


あまりに信じられないので詳しく調べたところ、物価高に加えて歴史的な高騰が関係しているようだが、理由はどうあれ一体どこまで高くなるのか。

そのうち1パック500円なんてこともあるのだろうか。政府の補助金は出ないのか。久しぶりに、珍しく、オレンジジュースが飲みたかったのに。


……とりあえず、しばらくは「アップルジュース」に逃げたいと思う。


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24