人生で初めて、36000円のおせちを予約した。きっかけは、小学生の娘に「おせちの意味を考えながら、食べてみたい」と言われたからだ。

正直、おせちを食べなくなって久しい。ましてや3万円超えのおせちは未知の世界。

ところが受け取った瞬間、まず驚かされたのは味でも見た目でもなかった。

・私いつの間に……

世の中には、たくさんのおせちが販売されている。私が子どもの頃は、親が作ってくれたおせちを食べていたので、購入したことは今までなかった。

今回、初めて購入することになり、せっかくなので地元のちょっといい料亭で買ってみることにした。価格は36000円。


もう一度言うが、価格は36000円。


受け取り時、箱を手に取った瞬間、腕にずしりとくる重さに驚いた。気になって測ってみたところ、お重と保冷剤を合わせて約3.7キロ。

測り方は原始的で、体重計に自分だけで乗り、次におせちを抱えてもう一度乗った。その過程で、自分の体重が結構増えていることにも気づいてしまった。一年の締めくくりに突きつけられる現実は、なかなか重い……。


おせちより重いかも

 


・意味を調べたら、定番が見当たらない

おせちは、簡易的な風呂敷で包まれた三段重。

重箱を開けた長女の第一声は、「思ってたよりカラフルだけど、なんか渋いね」だった。

おせちの価格と子どものテンションは必ずしも比例しないらしい。



・高級すぎる故に

「おせちの意味を考えながら、食べてみたい」という当初の目的を思い出し、ネットで意味を調べながら一品ずつ見ていく。

数の子、黒豆はある。

だが、かまぼこがない。

伊達巻もない。栗きんとんも見当たらない。

それっぽい料理はある。しかし、教科書的な定番は姿を消していた。高級すぎて、凝りすぎて、やや別物になっているのだ。

「これは伊達巻じゃないけど、伊達巻的ポジション」「栗きんとんはないけど、近いのはこれ」説明がどんどん曖昧になり、気づけば親戚一同で謎解き状態。

結果的に、その年の初笑いは高級おせちがもたらした。36000円の高級笑い。

ちなみに実食したが、どれもおいしい。価格が価格だけに、脳が全力でフォローしていた気もするが、それでも本当においしかった。



・冷静に計算してはいけないやつだった

ここで、ふと冷静になった。

この36000円のおせちは、三段重なので1段12000円。

4ブロック区切りになっているところは、1ブロック3000円。


……恐ろしすぎる。

 


この計算をした瞬間、雑に食べられなくなった。というか、味がわからなくなった……。


・来年はどうしよう

日本全体で見ても、おせち文化は薄れてきているのかもしれない。それでも今回を機に、私自身おせちに興味を持った。

来年は高級おせちではないと思うが、また毛色の違うおせちを試してみたいなぁ。

ということで人生初の高級おせちは、思っていたよりもずっと重かった。いろんな意味でね……。

執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.

▼玉手箱を開けるような気分

▼みんなで軽くつまんだあとに2段にまとめてみた。これで22000円くらいか

▼台湾在住時にいろんなカラスミを食べてきたが、このカラスミだけは残念だった

▼娘にも高級おせちの重みを実感してもらう