
料理自慢の隠れ家オーベルジュや、あえて食事を出さず外食を促す分散型ホテル……令和時代の旅行スタイルは多種多様だけれど、旅の非日常感を盛り上げるのはやっぱりバイキングだ。
老いも若きも、少食も大食漢も、洋食派も和食派も、みんながもれなく楽しめる。しかし、どうしてもバイキングにつきまとうのは「見た目はともかく、質はね……」というイメージではないだろうか。
全国で多彩な宿を展開する大江戸温泉物語。この秋、バイキングの常識をくつがえすような高級食材を投入した「大江戸三つ星バイキング」が関東初上陸したという。舞台となる「大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル」試泊会にご招待いただいたので、その模様を徹底レポートしたい。
・「大江戸三つ星バイキング」の衝撃
ファミリーで楽しめる大型温泉旅館を多く展開する大江戸温泉物語グループ。これまでもバイキング自慢の宿はたくさんあった。
しかし「大江戸三つ星バイキング」は料理全般をアップグレードし、グループ内でもかつてないほど豪華な内容になっているという。西日本の3施設で先行展開していたものが、ついに首都圏からもアクセス良好の栃木県・鬼怒川温泉に登場した。
※本記事でご紹介するメニューは変更となる場合があります。提供時間・サービス内容は公式サイトを確認してください。
館内紹介も温泉も後回し、とにかく夕食だ! 1階レストラン「IWATO」に向かうと、大小のテーブルが並んだ広大なフロアが迎えてくれる。パーティー会場のような華やかさだ。
テーブルに注目。各席に固形燃料が備わった卓上コンロがある。一体なにに使うのだろうかと疑問に思うが、その答えはすぐにわかる。
こ、ここは魚市場か……?
ビュッフェテーブルに山盛りになったサザエ・赤海老・アワビ・ハマグリ・ホタテ・牡蠣! 卓上コンロの目的はこれだ。好みの海鮮を、和せいろで蒸し上げて好きなだけ食べられる。
すぐ近くには紅ズワイガニの脚のボイルが並ぶ。そのままでもいいし、卓上で蒸してもいいとのこと。
反対側には、両手が回らないほど巨大な舟盛りが威光を放つ。並んでいるのはブリ、本マグロ赤身、本マグロ中トロ。
ひとつひとつの切り身が分厚い! つやつやと輝く刺身は、バイキングとは思えないクオリティだ。
寿司のほうが好みならこちらのコーナーへ。大ネタの中トロ、赤身、真鯛、サーモン、イカ、フグといった鮮魚のほか、玉子や蒸しエビのような定番も並ぶ。
目にも鮮やかな海の幸は、市場直送の豪華食材にこだわった「大江戸三つ星バイキング」の本領発揮だ。このコーナーだけでお腹いっぱいになる人も多いはず。では、肉派にとってはどうだろう。
会場の最奥部にはライブキッチンがある。そこで供されていたのは高級食材・黒毛和牛ロースの焼きすきや……
ビーフステーキ、天ぷら、ご当地グルメの餃子……
う、う、うなぎの蒲焼きまで!
日本人が「ごちそう」と聞いてイメージする料理は、およそ揃っていると言っていい。
ホットミールコーナーには、一巡ではとても取りきれないくらいの料理が並ぶ。盛り付けも手が込んでいて美しい。
もちろんサラダやデザート、ドリンクコーナーも完備。とはいえ、ここまでのメインディッシュを目にして、筆者はとても生野菜を手に取る余裕はなかった。
冷菓はなんと「ハーゲンダッツ アイスクリーム」だ! お、お、おいくらですか? 追加料金なしで食べ放題!?
驚いたのが、ベビーフードのコーナーがあったこと。いざ旅行となっても、自分のことより子どもが優先のパパ・ママへの温かい気持ちが感じられ、とてもいいと思った。
・とても全品は食べきれない
いざ実食! この写真、誰が食べ放題のバイキング料理だと思うだろうか。
黒毛和牛はコクがあり濃っ厚っな味わい。さすがの軟らかさだ!
ちょっと目を引いた「にらそば」は、栃木県鹿沼市の名物だそう。先述の餃子など、旅人には嬉しいご当地グルメもちょいちょい顔を出す。
実際のところ、常人には全メニューのうち半分も制覇できないと思う。筆者も後から自分の撮影写真を見返して「あれ、ブリ大根なんてあった?」「フグの煮こごりってなに!?」「うそっ、茶碗蒸し食べてない!」とギリギリ歯がみしている。全部見たつもりだったのに、料理が神隠しにあっていたとしか思えない。
ソフトドリンクはバイキングに含まれ、アルコールは別途有料。飲み放題プランもある。お酒を飲みたい人も、料理がメインの人も、必ず食べられるものがある充実のバイキングだ。食後のコーヒーまで飲んでフィニッシュ。
・レトロな外観とモダンな館内
興奮のためすっかり話が前後してしまったが、温泉宿としての「大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル」もご紹介したい。外観はザ・昭和レトロ! 鬼怒川温泉の長い歴史とともに年月を重ねた末、大江戸温泉物語ブランドとして生まれ変わった。
クラシカルな外観からは想像もつかないほど、内部はモダンにリノベーションされている。
部屋も広々として新しい。バルコニーからは市街地が見渡せた。お猿が入ってくるので鍵を閉めるようにという注意書きがあり、熊頻出の危険地帯から来た筆者は「この辺りじゃ熊に飽きたらず猿まで!?」と身を引き締めた。
特筆したいのは男女入替制の大浴場だ。とくに回廊型の「霧降の湯」には開放的な半露天エリアがあり、昼は木々の緑、夜には街明かりを見ながら入浴できる。
湯あたりしやすい筆者には、ぬるめの温度設定が最高で、いつまでも長湯をしていられるお湯だった。広いので混雑も気にならない。山の夜は身を切るような寒さだったが、それがまた情緒をかきたてる。
・プレミアムラウンジではアルコールも!
大江戸温泉物語のうち「Premium」の名がついているのは、ワンランク上のプレミアムライン。滞在中、何度でも利用できるプレミアムラウンジが特徴のひとつだ。
暖炉を囲む明るいラウンジからは鬼怒川を一望できる。昼も夜もたくさんの人で賑わっていたが、席にゆとりがあるので窮屈な感じはしない。
カウンターにはコーヒー、紅茶、ジュースなどのソフトドリンクがセルフサービスで並ぶ。さらに視線を横にすべらせると……
カウンターの端にあるのはなんとアルコールのサーバーだ! これもフリードリンク!? いいの!?
利用時間は決まっているが、飲んべえには最高の空間。夜も更け、より一層ムーディになったラウンジで下戸の筆者はアイスキャンディーをたしなんだ。これも滞在中フリー。
・朝には干物をあぶって
翌日の朝食もバイキングだ。レストランへ向かうと、昨夜とは違う鉄板タイプの卓上コンロが用意されていた。ビュッフェカウンターに並ぶ干物を、自分であぶって食べるという趣向! 朝の瑞々しい光のなか、各テーブルから香ばしい匂いが立ち上る。
最高か。
じゅわじゅわと音を立てる脂とともに、うまみが染み出す干物。歯を立てた瞬間、「生きててよかった……」という謎の多幸感が込み上げる。
魚介が苦手な人にも、定番の家庭料理やエッグベネディクト、焼きたてアップルパイ、シリアルなどあるのでご安心。自家製だという赤肉メロンスムージーは必飲だ。
チェックアウトはゆっくり午前11時。周辺には日光東照宮など見どころもたくさんある。ここでは紹介しきれなかった館内サービスやアミューズメントは後半の画像ギャラリーをぜひご覧いただきたい。
現代の旅は多様化しているから、昔ながらの大規模温泉旅館や、大勢でガヤガヤ食べるビュッフェレストランを好まない向きもあると思う。しかし、お祭り気分で食べたいものを選んだり、わいわいと卓上で調理したりする楽しみはまた格別だ。二世代、三世代旅行にもおすすめ。次の家族旅行にいかがだろうか。
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称 大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル
住所 栃木県日光市鬼怒川温泉滝359-2
イベント名称 大江戸三つ星バイキング
イベント期間 2025年10月8日(水)~
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
▼紅葉シーズンは絶景だろうと思わせるラウンジからの眺望
▼男女とも好きな浴衣を選んでから客室へ向かう
▼客室もリノベーションされてきれい!
▼客室にはバスタブの代わりにシャワールームがあった
▼初めて見た、お猿に注意の掲示!
▼滞在中、自由に過ごせるマンガコーナー
▼昔懐かし温泉ピンポン
▼和室×じゅうたん×筐体という組み合わせがたまらないゲームコーナー
▼なんとカラオケブースまで!
▼2つの大浴場はレイアウトが異なるので両日入るのがおすすめ
▼とくに「霧降の湯」は開放感があって素晴らしい
▼男女ともサウナ完備
冨樫さや













































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