2025年11月26日からマクドナルドで今年のグラコロの販売が始まった。そしてコメダも同日から今年のグラクロの販売を始めた。

もはや恒例となった、マックとコメダのグラタンコロッケ系バーガーの同日展開だ。そして、同日に似た商品が出された以上は食べ比べるしかない。

・新作

今年のマックの新作は、「コク旨ビーフデミグラコロ」。ビーフシチューをイメージしたデミグラスフィリングを、既存のグラコロに合わせたらしい。価格は490円〜。

店舗にて把握したが、モバイルオーダー・セルフオーダーキオスク限定のセットも存在するもよう。今回は「コク旨ビーフデミグラコロ満喫セット」を購入してみることに。


同じく新作の「シャカシャカポテト ローストガーリックバター味シーズニング」も含まれているため、新しい商品をまとめて味わうのに良さそうだ。

コメダの新作は「グラクロ ~海老香るトマトソース~」。従来のグラクロに、ソースでトマトとエビの味わいをアドした品のもよう。価格は店舗によって異なり、730円~800円。


・マック

まずはマックから。今回、サイズ差については一方的な結果が不可避ゆえ、見ない方向で行く。しかし1点だけ。実はマックのグラコロとコメダのグラクロは、全高だけなら似たようなものなのだ。直径に大いなる隔たりがある。


トップのバンズの下には、新作のウリであるデミグラスフィリング。いささか量が心もとない気がするが、やれるのだろうか。


そしてグラタンコロッケを挟み、最下層にはキャベツとタマゴソース。


食べてみると、デミグラスフィリングはビーフフレーバーが厚みをもたらしていて好ましい。そこにグラコロのまったりクリーミー感がアドされ、シチューみたいな味わいがある。

これは中々な新作だ。しかし、やはりデミグラスフィリングはもっと多いと嬉しかった。もとよりパンチ力が強いタイプの味ではないので、タマゴソースやコロッケの味に押され気味な点が気になる。

また、食べ始めた時は温かかったので良いのだが、半分ほど食べた段階でコメダも食べるなどしてたら冷めてしまった。冷めた状態で残りを食べたところ、温かかった状態と比較してデミグラスフィリングの味わいが減衰している……!

温かい状態の方が美味いというのは、マックに限らず多くのバーガーに共通する話だと思う。しかしマックの多くのバーガーは、そこまで温度に気をつかわずとも、常にそれなりなウマさが維持されるように設計されている感がある。

だが、新作の「コク旨ビーフデミグラコロ」は、冷めた時の落差が少し気になった。端的に言うと、冷めたビーフシチューみたいな味になる。

ビーフの味わいは輪郭が曖昧になり、タマゴ味は元気だが、トータルでタマゴ入りのヌメっとした何かみたいな。どう考えても温かい状態で食べるべき。テイクアウトする人が多いと思われるので、これはちょっとした弱点ではなかろうか。



・コメダ

続いてはコメダだ。トップには赤茶色のソース。これが海老をアドしたトマトソースなのだろう。


コロッケを含め、その他の要素は従来のものと同じだと思われる。


食べてみると、なるほど。これはちゃんとノーマルの「グラクロ」と差別化できている味わい。思っていたより、エビおよびトマト感は控えめで、落ち着いた味付けだ。

コロッケが巨大なので、内部のホワイトソースによるエビとトマトフレーバーの減衰が油断ならない。

美味しいのだけれど、「海老香るトマトソース」をプッシュするなら、ソースの味付けをもっと濃くした方が、強大なコロッケのパワーとバランスがとれたと思われる。

こちらも冷めると微妙になりそうだが、コメダに関しては多くがイートイン利用だと思われるので、アツアツの状態で食べられるケースの方が一般的だろう。ゆえにそこは弱点にならないと思う。



ということで、2025年のコメダとマックのグラタン系バーガー新作対決。マックのビーフも、コメダのエビも、どちらもバチバチに前に出てくるようなものではない……つまり、主張力が控えめなフレーバーを新作の要とした点が興味深かった。

私の見解だと、どちらも無難に美味しかったが、両者ともソースの味付けを濃くするか量を増やしたほうが、より満足度の高い味わいになっていたように思う。

そして今回の食べ比べで私が感じた最も重要な事は、今年のマック新作は温かい時と冷めた時の差がけっこうデカいという点。

参考リンク:マクドナルドコメダ珈琲店
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼「シャカシャカポテト ローストガーリックバター味シーズニング」は、味も香りもゴリゴリなパワータイプ。