あらかじめ断っておくと、今回の記事は自分でもまったく想定外の内容となった。お店に行く前にある程度のプランを練っていたのだが、それらがすべて無に帰する事態に。

事の始まりは、俺たちの「かつや」が2025年11月7日に発売した新商品『タレカツ丼』だ。毎年恒例のメニューが復活したということで、私(あひるねこ)も気合いを入れて乗り込んだのだが……。

・「かつや」新商品

私の記憶だと、「かつや」で『タレカツ丼』が最初に発売されたのは2018年。以来、「かつや」を代表する人気メニューとして、形を変えながらたびたび復活してきた。


個人的にも「かつや」の中で1、2位を争うほど好きな商品であり、今回の復活はまさにエースの帰還と呼ぶにふさわしい。おかえりタレカツ、世界がお前を待っていた──。


丼は税込979円、定食は税込1089円。当然ここは丼を選択。約1年ぶりの友との再会を今や遅しと待ち構えていると、そこへいよいよ『タレカツ丼』が……


え!?


『タレカツ丼』……お前なのか?


一瞬、私は何が起きたのか分からなかった。「かつや」によると、今回の『タレカツ丼』は以下のような内容らしい。


「定番の『鶏ささみフライ』3枚と『海老フライ』2本に加え、一口頬張れば濃厚な黄身の味わいが口いっぱいに広がる『半熟たまごフライ』が新たに仲間入りしました」


鶏ささみフライ3枚と海老フライ2本……


いや……


これ海老フライ5本だろ!


・ガチで想定外

その時、私は本気で思った。厨房の人がミスって海老を5本盛り付けたのだと。いや待て、まさかこれは試されているのか……? 真の “かつや者” ならこんな時、どう振る舞うべきかを。


というワケで、“かつやスピリッツ” を研ぎ澄ませながら改めて観察した結果、以下のことが分かった。


こっちが海老フライ2本で……


こっちが鶏ささみフライ3枚。


ほぼ同じやないか!


私も長年『タレカツ丼』を注文させてもらっているが、こんなタレカツは見たことがない。参考までに、歴代の鶏ささみフライを並べてご覧いただこう。


2018年。


2020年。


2023年。そして……


2025年──。


いや海老だろこれ!



冷静に思い返すと、去年の時点でその予兆はあったものの、それにしてもちょっと細すぎる。

ライザップに成功しすぎている。特にウエストの細さが尋常ではない。『ワンピース』に出てくる女性キャラか。


・でもうまい

とはいえ、味自体はいつものタレカツだ。衣にしみ込んだ醤油ベースのあまじょっぱいタレが、噛むたびにじゅわっと出てくる。


細いスティック状になったことで全体に対する衣の割合が増し、これまで以上にタレの暴力性を堪能できるようになったという肯定的な見方もできるだろう。ただ……。


正直なところ、途中から誰が誰やらさっぱり分からん。ささみなのか、それとも海老なのか。


本来なら成立するはずのない究極の2択──。こんなギリギリの緊張感が味わえる外食チェーンは、世界広しと言えど「かつや」だけである。


一方、割を食ってしまったのが半熟たまごフライだ。ささみ事変の影に完全に隠れる形となったが、箸で割るとちょうどいい具合に半熟トロトロ。タレに負けないくらい黄身の味も濃い。

居酒屋の一品メニューとしても十分通用しそうなクオリティーであったことは、私が保証しよう。今回ばかりは相手が悪かった。



・教えてくれ

数年前と比べ、ほぼ別人になってしまった「かつや」の鶏ささみフライ。いくらなんでも作画変わりすぎだろと思わないこともないが、果たして来年もこのフォルムのままなのか?


というか、そもそも私のタレカツだけ細すぎたという可能性はないのか? 分からない……何もかもが分からない。

私は、もう一度『タレカツ丼』食べに行くべきなのだろうか? “かつや者” 諸君の意見を聞かせてもらいたい。

参考リンク:かつや
執筆:エクストリームかつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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