港町なこともあり、海鮮天国である長崎県。

三方が海に囲まれていて、獲れる魚種が非常に豊富、鮮度も良いこともあって「長崎さしみシティ」なるキャンペーンも行っている。

一方で、意外と回転寿司の数が多くないのである。みんな美味い魚は刺身で食べてしまうからなのか……。

今回紹介するのは、そんな長崎のローカル回転寿司「若竹丸」である。

・格安寿司チェーン「若竹丸」

「若竹丸」は長崎のローカル回転寿司チェーン。価格帯はスシロー、はま寿司、くら寿司と同じくらいでかなり安価な部類だが、完全フルオーダー制になっていて、注文が入ったあとに職人が寿司を握り始める。

店舗の多くは長崎県内だが、福岡、熊本、そして、数年前に神奈川県の藤沢、茅ヶ崎にも出店している。

若竹丸は長崎で非常に愛されており、土日の夜ともなると、都心のはま寿司もビックリの待ち時間になるほど。安くて美味しいので人気があるのだ。

・なぜかサーモン推しだが……

魚種が多い長崎の回転寿司らしく、メニュー数も非常に豊富。


しかし、若竹丸が最も力を入れているのはなぜか「サーモン」だったりする。

サーモンは北の方の魚なのに、なぜ……? と思うのだが、ノルウェー産のオーロラサーモンを仕入れているらしく、たしかにとても美味しい。特に炙り系が人気です。


なお、我が家が若竹丸に行くときや、テイクアウトの詰め合わせで必ず頼むのが「アジ」

長崎はアジの漁獲量が日本一ということもあって、アジの寿司が美味いのだ。しかし、アジは人気があるので、夜に行くと品切れになってることも……。

他に定番品で珍しいのは太刀魚、ヒラス、鯨のベーコンあたりだろうか。


・白鉄火をぜひ

しかし、個人的にもっとも長崎らしいメニューだと思うのが「白鉄火」である。もしもメニューにあったらぜひとも頼んでほしい。


通常「鉄火巻き」といったら赤いマグロを使うが、昔の長崎ではブリやヒラマサといったコリコリした白身の魚を使っていたらしい。

普通の鉄火巻きと区別するために「白鉄火」と呼んでいるんだけど、今ではなかなか珍しいメニューのひとつ。白身魚のコリコリ感と、シソの香りが爽やかで美味しい。


あと、九州は「有明海苔」に代表されるように、海苔が美味しいので、白鉄火以外も軍艦とか巻物系は全体的におすすめ。海苔がパリッとして香りがいいのですよ!

・しかし、勧めていいか迷うポイントが…

とまあ、寿司の種類も豊富だし、地元ならではのメニューも食べられるので「ぜひ若竹丸に行ってみて」と言いたいところなのだが……。

九州以外の土地から来た人、特に東北とか関東から来た人が戸惑いそうなポイントがひとつだけあるのだ。

それは、若竹丸の特製醤油は非常に甘いということ! 

もともと、九州の刺身醤油はかなり濃いめで甘口である。魚の脂身に甘い醤油と薬味が合うのは間違いない。

しかし、若竹丸オリジナル醤油は、長崎出身者でも驚くほどの思い切った甘さ! この九州醤油の甘さが、他県の人に受け入れられるかどうかが気がかりなのだ。


醤油の味にはハッキリと地域差がある。九州の人間は関東の醤油を塩っ辛いと思うし、関東の人は九州の醤油を甘いと感じる、もっといえば、関西の薄口醤油に慣れてる人なら九州の醤油は甘くて濃い……と思うだろう。

この醤油ギャップは埋め難いものがあり、私は関東の醤油の味に慣れず、上京後しばらく長崎の醤油を送ってもらっていたほど。

この醤油の甘さこそが若竹丸の個性として楽しんでもらえたら幸いだが、個人的にはしょっぱい系の醤油も置いてあったらいいのにな〜なんて思うのだった。

参考リンク:若竹丸
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

▼ちなみにオリジナルのデザートもめっちゃ種類豊富で美味しい

▼ほうじ茶ソフトクリームにあんこ添えたやつ、めっちゃ美味しい〜