
その昔、カレー南蛮が発明された時の話。発祥の店『朝松庵』現店主の角田米子さんによると、当時老舗そば屋ではカレー南蛮は門前払いだったそうな。ゆえに、今や誰もが知るメニューとなったことには革命を感じるが、ひょっとしたら今はそんなカレー南蛮の発明以来となる革命の真っただ中にあるのかもしれない。
練馬区と埼玉のギリギリの地区で展開される店が、立ち食いそば屋の概念を変えかねない店だったのである。これはもはやB級グルメ! その爆心地は富士見台とひばりが丘だ。
・肉そばの噂
共に西武池袋線である富士見台とひばりが丘。西武池袋線と言えば、椎名町に『南天』、江古田に『のじろう』と、なぜか肉そばの名店があるけど、今回の店も私(中澤)の当初の目的は肉そばであった。埼玉ギリギリで立ち食いそば不毛の地となっているこの辺りにも、なんかもりもりな肉そばが登場したっぽい。その店の名は……
『麺処盛盛』。名前からしてあふれ出している。そんなわけでひばりが丘店に向かった。駅前からまっすぐ伸びるひばり通りをトボトボ歩いて、ひばりが丘駅入口の信号を左に折れてまた歩くと黄色い看板の麺処盛盛があった。住所としては埼玉県新座市に突入している。駅から歩いて15分くらいだ。
・ジャンクフード上等
富士見台店は駅前にあるけど、なぜ私がひばりが丘店に来たかと言うと、ひばりが丘店は日曜日も11時から17時で営業してるから。私の住んでる場所からはリトルトリップになる距離なので、土日ともに営業しているのはありがたい。駅から離れているとは言え徒歩15分くらいならそこまで苦ではないし。
お店はサッシを開けるとすぐカウンターになっていて、おそらく定員は6人くらいだろうか。「く」の字の角にタッチパネルの券売機があった。心に決めた「肉蕎麦(税込730円)」を注文しようとしたところ、「肉蕎麦アタマの大盛(税込930円)」とかもあることに気づいた。これは盛盛の名に恥じぬ仕様と言える。
さらに、その下には「アタマ大盛【辛味ネギ】肉蕎麦(税込950円)」というメニューも。辛味ネギトッピングを立ち食いそば屋で見たのは初めてかもしれない。アタマの大盛にしてもそうだが、ジャンクフード上等な選択肢が用意されているところにはラーメン屋感の方が強く感じられた。
・パワフルさとオーソドックスさ
そこでアタマ大盛【辛味ネギ】肉蕎麦を選択したところ、麺も「蕎麦・細麺」「蕎麦・太麺」「うどん」「きしめん」「ラーメン」から選べる。初回だし蕎麦細麺で。すると、やって来たのがこちらでした。
厚めの肉がもりもりである。その上に積み上げられるのは辛味ネギ。最後にゴマが振られた景色はパワフルさに満ち溢れていた。
それでいて食べてみると、つゆとそばはオーソドックスな味。辛み甘み共に強いコク深い温つゆと立ち食いそば的なそばの食感が、ラーメン的なジャンキーさを持ったアタマにマッチして癖になる味が創出されている。
・メニューのメッセージ性
つけつゆにラー油が入ったり麺が特殊だったり、そばのジャンキーな派生って今や多いけど、この店は根本が立ち食いそばから逸脱していないのが良い。それでいてB級グルメかと思うほどの斬新さ。このバランス感覚にはメッセージ性を感じた。ゆえに……
次の週も来ちゃった。
注文したのは「つゆ無しカレー蕎麦(550円)」のトッピング「辛味ネギ(+150円)」。つゆが無いことでまぜそばみたいな濃厚さになったカレーそばがこれまた新しい。今回は蕎麦・太麺にしてみた。ガチで癖になってしまったかもしれない。
・不毛の地から生まれたニューウェーブ
個人的には、もはや富士見台とひばりが丘のご当地B級グルメと言ってもいいくらいの域にいる『麺処盛盛』。その立ち食いそば屋とラーメン屋のハイブリッドっぷりに、単にかき揚げ天がデカイとか肉が凄いだけじゃないコンセプトの新しさを見た。
立ち食いそば不毛の地から生まれたニューウェーブ。この波動はどこまで伝わるのか? そういった部分も注目だけど、とりあえず今はこの店の存在に気づいていない西武池袋線ユーザーに伝えたい。人知れず革命が起こりつつあることを。
・今回紹介した店舗の情報
店名 麺処盛盛 ひばりヶ丘店
住所 埼玉県新座市栗原6-3-1
営業時間 月・木・金6:00~14:00 / 火・水・土・祝日6:00~14:00、17:00~21:00 / 日11:00~17:00
定休日 営業スケジュールは月によって店頭に貼り出されている
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼カレーはコク深く懐かしい味でした
中澤星児











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