♪あ〜〜〜あ〜〜〜 あああああ〜〜〜〜〜 あ〜〜〜〜〜

すみません、冒頭からいきなり『北の国から』のテーマを歌ってしまいました。2025年8月11日からフジテレビの関東ローカルで連続ドラマ版『北の国から』の44年ぶりの地上波で再放送が始まりましたね。

現在、42歳の私はこの連ドラ版は見たことがないわけで……。名作なので当然ハマって見てしまうわけで……。

だけど、40年以上前のドラマだから、今見ると感動とは違った感想も生まれてくるわけで……。

どうしても語りたくなって、こうして記事を書き始めたわけで……。

・『北の国から』連ドラ版の超貴重な再放送

このまま純の手紙口調で行くと時間がかかるので、ここからは普通の口調でいかせてもらう。

名作として知られる『北の国から』は東京から故郷の北海道に戻り、大自然の中で暮らす黒板(くろいた)一家の姿を描いた物語。

連続ドラマとして1981年10月9日から1982年3月26日まで放送された後、ドラマスペシャルとしてシリーズ化。1983年から2002年まで8編のスペシャルドラマが放送された。アラフォーの自分にとってはこのスペシャルドラマ版の印象の方が強い。

なんと今回の連ドラ版は44年ぶりの地上波再放送……ってことは、ほぼ初めての再放送なのである。

※以下ネタバレを含みます


①北海道で暮らし始めた理由にビックリ

スペシャルドラマ版しか見ていない私のイメージは「黒板家が常に苦悩している暗いドラマ」というもの。

これでもかこれでもか、というほど襲いかかる試練の数々。富良野の大自然にしろ、都会での暮らしにしろ、人間関係にしろ、とにかく黒板家は苦労している。

そもそも、なんで北海道で父子3人で暮らし始めたのかよく分からんし、人間関係も把握できん……と思っていたが、連ドラ版は一家が北海道にやってくるところからスタートする。

ほお、妻の令子(いしだあゆみ)が不倫して離婚することになったから、五郎(田中邦衛)が純(吉岡秀隆)と螢(中島朋子)を連れて、故郷の富良野に帰ってくることになったのか。

②純と螢のかわいさが異常

スペシャルドラマではとっくに成長している純と螢だが、連ドラ版ではまだ小学生!

この幼い純と螢がかわいいのなんのって……。おそらくドラマの人気を後押ししたのは、子役当時のふたりに違いない。

難しい役所の純を演じる吉岡秀隆の天才子役っぷり、そして幼い螢の美少女っぷりに驚かされる。昭和の子供らしい、デニムのオーバーオールとか、野球帽をかぶった姿がまた可愛いんだ。

都会っ子で理屈っぽく北海道に馴染めない純と、素直に北海道の自然に順応していく螢のコンビが良い。とくに螢は天使のようである。

この2人が出てくるシーンは眼が離せない。あばら屋みたいな北海道の家にびっくりした純が五郎に「電気はどうするんですか!」「水道は?」「テレビはないんですか!」と噛み付いて衝撃を受けるシーンなんか最高。

ただかわいくて天真爛漫で従順な子供像ではなく、自我のあるいち人間として描いているからこそ、魅力があるのだと思う。


③北海道の大自然……というか富良野の家がヤバすぎる

で、さらに驚いたのが、黒板家が住むことになった麓郷の家の想像を絶するあばら家っぷりである。もはや当サイトで連載している100万円の古民家がかわいく思えるほどのオンボロ。正直、純が東京に帰りたがるのもわかる。

町の人たちが「あんなところに住むのはやめた方がいい」と止めるレベルのボロ家で、電気も水道もガスもないのである。そこで五郎は丸太を切って薪にしたり、ランプをつけたり、沢に水を汲みに行ったりして自給自足の生活をするのだ。子供たちは藁の布団で眠る。

さらに、第1話では「家から200mのところに熊が出たぞ」などと言われる始末。さかんに熊の被害が叫ばれる現代なら絶対に放送不可能である。

さらに、純におつかいに行かされた螢が川で迷子になって夜まで帰らないシーンもあったりして、美しいけれど、試される大地すぎるのだ。

しかし、一方で、この自給自足の暮らしは、都会暮らしに疲れたサラリーマン男性たちのロマンをくすぐっただろうなあ……と思う。


④女優陣の美しさ

さて、北海道の大自然も美しいのだが、登場する女性たちが美人揃いなのである。

五郎や清吉おじさん(大滝秀治)、中畑のおじさん(地井武夫)など口数が少なく朴訥な麓郷の男たちに比べて、女性たちの美しいことよ。しかもみんなちょっとワケあり。

いしだあゆみの都会的でミステリアスな美しさ。純と螢を支える雪子おばさんを演じる竹下景子の優美さ。明るくてコケティッシュな松田美由紀に、わけあって分校に赴任してきたクールな小学校教師を演じる原田美枝子。

一緒にドラマを見ていた夫が「なんでこの村はこんな美人ばっかなんだよ」と言っていたけど、本当にそのとおり。どの女優たちも、横顔が画面に映るだけで釘付けになってしまうような、独特の雰囲気がある。

女性にはみな影があり、男たちは振り回される……という描き方はちょっとステレオタイプだなあと思いつつ、悔しいけど面白いんだよなあ。


⑤しかし最も驚いたのは…

と、ドラマの中の驚きポイントは多いのだが、それより何より驚いたことがある。


それは……


CMの多さである。


フジテレビは中居正広騒動のあとスポンサー離れが加速してCMが激減。

ここ数ヶ月はACの「子ども食堂」か「なかやまけんみゃくん」、ちびまる子ちゃんが出てくる高価買取バイセル、福山雅治主演の映画『マスカレード・ゲーム』、藤原紀香主演『舞台 サザエさん』あたりの数パターンでCMを回していた。

「高価買取 バイセルさん♪着物に切手、レコード♪ バイセル知らないなんてまる子びっくりだよ!」

「さーて、来週のサザエさんは? カツオは就活 ワカメは留学? タマが家出!? 大混乱の磯野家を中学生のタラちゃんが救います!」と覚えてしまうくらいだった。

ところが『北の国から』再放送は、平日の昼間だというのにCMの頻度と数たるやすさまじく、今まで見たことがなかった種類のCMがバンバン流れてくるのである。もはや、なかやまけんみゃくんの出番はない。

いやはや『北の国から』人気ぶりよ……。フジテレビは冗談抜きで富良野に足を向けて寝れないんじゃないだろうか。

オール北海道ロケにせよ、大自然の中で父子3人が自給自足で暮らすという設定にせよ、現代では難しいことばかり。『北の国から』は本当にすごいドラマだなと思うのであった。ああ、早く続きが見たいよ。

参考リンク:FODフジテレビ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
screenshot:FOD