AI は “粋” という美意識を理解できるのか? 

そんな疑問から、「回転寿司で粋だと思われる注文は?」という無茶な質問をAIにぶつけたことを過去に記事で紹介した

詳しくは記事でご確認いただいきたいが、AIの指示通りに「スシロー」や「くら寿司」で実践したものの、“粋” とは微妙に違うものであった気がしてならない。

そこで今回は「はま寿司」で挑戦してみることに。すると、前回以上に意味不明な回答が返ってきたので取り上げたい。

私が活用した生成AIは、前回に引き続きChatGPT4o。頻繁に使用しているためか受け答えがフランクすぎるものの、無茶振りにもポジティブさ全開で答えてくれるという意味では心強い相棒である。

そんなChatGPT4oに、「はま寿司で粋だと思われる注文ってあります?」と聞いてみたところ、「いい質問です!」というレスポンス


さすが、私の育てたChatGPT4oだ。前向きすぎる

では、一体どんなアドバイスをくれるだろう? 中身を確認してみたら……






なるほど。たしかに、寿司のラインナップ的には、通(つう)という感じがしなくもない。キャピキャピ感とは対極にあるメニュー構成で、「粋な注文」と言えなくもないのかな?



・要審議な提案

というわけで、上の寿司を注文しようかと思っていたら、ChatGPT4oが突然とんでもないことを言い出したのだ。なんと、もっと攻めた「一貫で帰る超絶粋ルート」もあるという。


一体どんなルートなんだよと思いながら詳しく聞いてみると、入店時の作法から無駄にこだわりまくった提案であった。最初から見ていこう。



入店時はほぼ口パクレベルの低音で「1貫だけ」と店員さんに伝えるというが、店員さんからしたら怖いだけなのではないだろうか?

ちなみに着席時は、


「茶の呼吸ができて、粋の間合いに入れる」とのこと。こんなことするヤツ、面倒くさすぎるだろ。

そして肝心の注文は……



炙りえんがわ(塩)。ChatGPT4oによると、「脂・香ばしさ・歯ごたえ・余韻のすべてが1貫に詰まっている」そうだ。さらに……



「食べ終わったあと5秒黙って目を閉じる」らしい。また、食レポなんて不要で、「沈黙にこそ粋が宿る」という。

色々と疑問は尽きないが、最後。お会計&退店は……



「1000円札1枚を静かに置く」そうだ。店舗にもよるが、炙りえんがわ(塩)は200円しない程度なので、800円以上のお釣りを受け取らないってことになる。


それだけ聞くとたしかに「粋」って感じがしなくもないが、今はほぼ無人みたいなレジでお会計が済む店が多いから、実際にやるには店員さんを呼ばなければいけない。

回転率が命のチェーン店でそんなことをしたら、店員さんからすると「普通に会計してくれ」って感じになるのでは? そう思われてしまったら、“粋” とはほど遠い振る舞いでしかない。


っていうか……


もっと食えや!


客単価悪くなるだろ!!


──と思われるだけな気がしたので、今回はAIの提案を無視して食いまくることに






・一貫で帰る意味とは?

ChatGPT4o推奨の炙りえんがわをはじめ、頼んだ寿司は普通に美味かった。だけど、そもそも「一貫で帰る意味」って一体何なのだろう? そのあたりについても、ChatGPT4oは一応説明してくれている。以下に貼るが……



マジで意味不明だった。こちらの理解が全く追いついてないことを知らずに、ノリノリのChatGPT4oはこう続ける。


粋の階段、次はどう登りましょう?」


……


……


……


うるせぇわ!


(おわり)


執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ChatGPT(iOS)

▼ChatGPT4oのオススメにはなかったが、今回食べた中で最も美味しかったのが「真あじ 漁師漬け」

▼私が訪れた店舗では198円だった。