ジャンボ! 先日の400回記念の回で、私が「最も印象に残ったのは紅茶の記事」と書いたところ、日本のゴー(羽鳥)が「そこまで言うなら紅茶の連載もスタートさせよう」と言ってくれたのでルンルン気分で始めるね。


題して「紅茶の時間(仮)」。まだ変更する可能性あるから(仮)にしておいたよ。


今回ポテト目的で行ってみた……もとい、ケニア紅茶を飲むために行ってみたのは、ある地元のレストランというか、露天というか、道ばたカフェ。


ンゴング・ロードから脇に入ったキンダルマ・ロードという道沿いにあって、そのレストランは歩行者用の通路の下に建てられている。


このレストランには水道がない。あろうことかカフェなのに水道がないのだ。

なので、水が入ったボトルが外にいくつか置いてあるだけ。でも、そのボトルはあまり綺麗ではなく、中の水もなんだか汚れているように見えたりもした。


私が店主の女性に「ケニア紅茶はありますか?」と尋ねると、彼女は「ケニア紅茶はもう売り切れてしまったよ」との返事。


でも、「もしあなたが急いでいないのなら、今から作ってあげられるよ」と言ってくれた。


なんでも、ミルクと砂糖、ケニア紅茶の茶葉、それからコップ半分の少ない水を使って、10分くらいで作れるとのこと。

紅茶はせかせか飲むものではない。落ち着いた時間を楽しむのも紅茶の楽しみのひとつ。もちろん私は「ぜひ」と答えた。



やがてケニア紅茶が出来上がると、それはもう、とってもとっても良い香りがした。

美味しそうな匂いが、私のところにやってくるんだ。


飲んでみると……

うまい……。


ただ、お店自体は衛生的に良好とは言い難い。外で立ったまま食事をしている人たちもいたし、ホコリがケニア紅茶や他の食べ物に入ってしまうこともある。


でも、それもまた、リアルな「ケニア紅茶」であると私は思う。良くも悪くもそれ込みで「庶民的なケニア紅茶」なんだと私は思う。



そんなことを考えながらケニア紅茶を飲んでいると、店主の女性が私に「頭が痛いから、一杯おごってくれない?」と頼んできた。「ケニア紅茶のカフェインは、とても良いものだから」ってね。


私が彼女のために一杯オゴると、店主はすごくすごく喜んで、「これで私の頭痛も治るだろう」と言っていた。

それから私は、女店主と一緒にケニア紅茶を楽しんだ。


ホコリ舞う中、道ゆく人や車やバイクを眺めながら、とりとめもない話をした。かぐわしい紅茶を飲みながら。


それはそれはとても優雅な時間。私は、そんな穏やかに過ぎる紅茶の時間が大好きだ。


ケニア紅茶は一杯20ケニアシリング(約22円)だったから、私は2杯分の40ケニアシリング(約45円)を支払った。


彼女の頭痛が治ったのかどうかはわからない。でも、ケニア人にとって「ケニア紅茶は頭痛の特効薬」と信じられている。


私の頭痛も、ケニア紅茶を飲めばおのずと治る。我々ケニア人にとって、ケニア紅茶は、なんとも優雅な「薬」なのである。


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼素敵な時間をありがとう、また来るよ。