スーパーで買い物をしていた時のこと。その日はたまたまめずらしいキノコがそろっていて、見たこともないピンク色のものや、やたらと大きなものが並んでいた。
そんな中、圧倒的求心力を発揮していたのが『柳まつたけ』だ。名前にマツタケと付いていれば、そりゃ人目をひくってものである。見た目はマツタケっぽくはないが、きっとどこかに“らしさ” があるのだろう。
確かめるべく、ひとパック買ってみることにした。
・マツタケらしさはどこ?
記者が『柳まつたけ』を見かけたのは、ロピアの野菜コーナーだ。長野県産で、大小さまざま15本ほど入っていて約200円。エノキタケやエリンギなどと比べると安くはないが、高くもない。
色は茶色で軸が細身の長め。丈夫な、ちょっと育ち過ぎたシメジのようなビジュアルだ。目に見える範囲では、マツタケらしさは感じられない。
しかしマツタケの最大の特徴と言えば、香りだ。ラップ越しではわからないが、開けた途端それらしい匂いがするのではないか。パッケージにもソレっぽいことが書いてあるし、きっとそうに違いないと踏んだ記者は期待に胸を膨らませながら開けてみた。
するとやはり良い香りが……なんてことはなく、むしろ香りは抑えめで、よくあるキノコの感じ。購入から数日経っていたため、余計にそうだったのかもしれない。
これは、食べてみないとわからないパターンだろうか。素焼き、天ぷら、炊き込みご飯などにと表記があるので、シンプルな調理法が合っているのかもしれない。記者はバターで炒めて、しょう油をちょっとかけて食べてみることにした。
・食感がポイント
炒めている間に感じたのは、思った以上に軸部分がしっかりしているなということ。キノコ特有のふわっとした柔らかさは、ほぼない。心置きなく炒めたり煮込んだりできそうだ。
さっそく食べてみると、味の主張はそれほど強くない。何にでも合わせやすそうな、所謂(いわゆる)キノコの味だ。クセがほぼないので、和洋中どれでもいけるし、お子さんにも良さそうだ。
ただし食感が独特で、そんじょそこらのキノコにはない噛み心地だ。軸の硬さから想像はしていたが、シャコシャコっとしており、その点においてかなりマツタケに近い。
もちろん先に書いたように、マツタケの最大の特徴は香りであろうので『柳まつたけ』がマツタケかと聞かれると難しいところではある。しかしながら、マツタケに近いものを一部持っていることは間違いない。
おそらく柳まつたけを入れて、お吸い物の素を使って炊き込みご飯を作ると、かなりマツタケご飯に近いものができるのではないだろうか。
とにもかくにも『柳まつたけ』の最大の魅力は、その食感にあると感じた。何にでも合うが、シャコシャコっとした噛み応えを生かせるレシピにすることで、より柳まつたけの良さが活きてくるだろう。
お手頃価格であるし、見かけたらば買ってみて、いろいろと試してみると良さそうだ。初夏から秋にかけて育成するようだが、販売は通年している模様。記者ももうひとパック手に入れるため、これからスーパーめぐりをしたいと思う。
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
▼適当に炒めただけでも美味しかったです。どんな料理にも合いそう