
日本には古来「見立て」の文化がある。たとえば精進料理なら、植物性のさまざまな素材で肉や魚を表現する。
今でこそビーガン志向や食糧問題で世界的に代替食品が注目されているけれど、「なぜそこまで!?」と言いたくなるほど “本物そっくり” を追求する情熱は、日本のお家芸と呼んでもいいかもしれない。
玉こんにゃくで知られる山形県で、面白いお土産を見つけた。過去にも「こんにゃくを○○に見立てた」商品は当サイトでも報じてきたが、ここ山形はこんにゃくの聖地だ。その実力はいかに!
・「生さしみこんにゃく甘えび風」(税込450円)
購入したのは山形県上山市のこんにゃく専門店「楢下宿 丹野こんにゃく」。レストランやカフェまで備えたこんにゃく特化施設で、しかも大変に賑わっていたことに驚いたけれど、そのラインナップもすごかった。
醤油につけて生で食べられる「さしみこんにゃく」のうち、こちらは甘エビ風だという。チューブ状の個包装で10本入り。タレとワサビがセットになっていた。
ちょうど寿司ネタのエビくらいの手のひらサイズ。パッケージにエビの模様がプリントされているが、中身は半透明のこんにゃくだ。
見立て料理には「ビジュアルを似せる」「食感を似せる」「味や風味を似せる」などいくつかの系統があるが、この商品は見た目はシンプル。
裏側に切り口があり、両手で引っ張ることで簡単に開くようになっている。
が、ここでちょっとした悲劇が起きた! 水分と一緒にみっちり充填されている、市販の豆腐パックをイメージしていただくとよい。開封した瞬間、海の香りのする汁があたりに飛び散った!!
開封は台所で行うことを強く、強く推奨する。テーブルだけでなく、着ていた服まで魚くさ……
そう、魚介の匂いがするのだ! これはまさに甘エビの香り!
尻尾のほうから絞ると、甘エビの「むき身」のようなプルプル感。
付属のタレにつけて口に運ぶ。玉こんにゃくや板こんにゃくに比べると、やや軟らかい歯ごたえ。ほんのり磯の風味がする。エビの匂いは開封時がもっとも強く、食べているあいだはあまり感じない。
本物の甘エビがもつ滋味には及ばないけれど、逆に言うと魚介特有の「生ぐささ」がまったくないとも言える。甘エビから野性味を取り去り、誰からも嫌われない、さわやか美青年にしたような……
食感はかなり似ている。すごく淡泊で上品な甘エビ風の新素材、と言ったらいいだろうか。ワサビをつけると脳内補正が働いて、さらに刺身感がアップする。「本物と間違えるほど」とは言えないが、普通に食材として美味しい!
・「サーモンこんにゃく」(税込648円)
もうひとつご紹介したいのが、「丹野こんにゃく」山形県内直営店でのみ限定販売しているレアアイテム「サーモンこんにゃく」! すでに味付けされているお惣菜で、当日中が消費期限。そのためオンライン販売もしていない。
この見た目、そのまんまサーモンマリネ! 開封するとビネガーのさわやかな香りが広がる。その名のとおり本当はこんにゃくなのだけれど、言われなければ気づかないだろう。
お皿に盛り付けたら、立派なオードブルだ。
はっきりとした弾力がありながらサクッと切れる、後を引かない噛みごたえ。同じこんにゃくでも、目的ごとに違った歯ごたえを表現できることに驚く。
濃いめのドレッシングでマリネされていて、料理としての完成度は高い。スライスオニオンがシャッキシャキで、よいアクセントになっている。
魚の切り身のようなプルンプルンの弾力。よく見ると白いスジがないので、本物の魚じゃないことがわかるけれど、具材と混ざっていると気づかない。
生きた魚がもつ「風味」や「旨み」のようなものが薄い代わり、人によっては魚介嫌いの原因となる「魚くささ」「海くささ」もない。誰にでもさっぱり食べられるサラダに仕上がっている。
・「見立て料理」って面白い!
現代日本で精進料理が必要な人は多くはないだろうし、世界中の食材が気軽に手に入る時代。「本物食べりゃいいじゃん」と言えばそれまでだ。それでも見立て料理が面白いのは、創意工夫の妙があるからだろう。
かつてカニに似せた代替食品のカニカマが、現在ではひとつの食品として市民権を得ているように、新たなヒット商品が生まれるかもしれない。
それに、こんにゃくは低カロリー&食物繊維豊富な健康優良食品。大腸のぜん動運動が活発になり、お通じがよくなる効果も有名だ。食後ゆっくり家にいられるときに食べるのがオススメだ。
参考リンク:丹野こんにゃくオンラインショップ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
冨樫さや













高級食材のフグやホタテやアン肝…これ全部「こんにゃく」じゃないか! 山形「こんにゃく懐石」の見立ての妙
【マジかよ】スモークサーモンを再現した「こんにゃく」が売られていたので食べてみた! カロリーはサーモンの半分以下ッッ
水族館のお土産コーナーに置かれていた「こんにゃく」を二度見した話 /どう見てもクラゲにしか見えない『チャコニャクラゲ』
こんにゃく製品がたっぷり詰まった「ダイエット福袋」を楽天で買ったら、大幅にカットされているのはカロリーだけじゃなかった
【マジかよ】漬けマグロを再現した「こんにゃく」が売られていたので食べてみた! ついでに漬けマグロ丼も作った
カルディではなく「AKOMEYA(アコメヤ)」の食品福袋を購入したら洗練されすぎていた…! 日本食の素晴らしさを再発見できる / 年始から再販アリ
【2026】ロケットニュース24より新年のご挨拶 / 今年もよろしくお願い申し上げます
「何があっても怒らない人」だけが購入できる、怪しいレトロゲーム福袋が帰ってきた! 今年は…激ヤバなお宝が未開封状態でまぎれていた
【福袋2026】これはかなりお得なのでは? ディズニーストアの3500円「ラッキーバッグ」を大公開
去年行列ができてて買えなかった「はま寿司」の福袋、今年は世知辛すぎて泣いた…
【裏側】テレビで自分の曲が流れたのに使用料が支払われてないから、JASRACに逆凸してみた一部始終
モバイルバッテリーを「Anker (アンカー) 」から『CIO』に乗り換えて1カ月使ってみたらこうだった
【アウト】偽ボンボンドロップシールの福袋がガチで地獄だった
渋谷で人気の「カオマンガイ」専門店へ行ってみた → 嘘でしょ!? と叫びたくなる料理が運ばれてきた
【福袋2026】ドトールはもうファンシーショップを名乗ったらいいと思う! ポチャッコとの本気コラボがハートを射抜く!
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【泊まれるスーパー銭湯ランキング】記者がガチで朝まで過ごしたオススメ施設7選 / 宿泊費を抑えて大浴場・サウナ入り放題で最高だったぞー!
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
割って楽しい「風船こんにゃくゼリー」は “SNS映え” 確実! グンマーの新名物スイーツ『てんぐの玉手箱』がエンタメ感抜群で最高ォォ!
【再々検証】たこ焼きの「たこ」の代わりに、こんにゃく・ナタデココ・アロエ・グミを入れて焼いてみた!
【1.5kgで256円】業務スーパーで売っている巨大な板こんにゃくで作った「こんにゃくステーキ」を一気喰いしてみた
独特すぎて…最後は飛んだ!【家そば放浪記】第50束:ザ・ガーデン自由が丘で買った、酒井製麺所『山形秘伝の味 こんにゃくそば』税込302円(1人前151円)
1個37.8kcalのハンバーグを食べてみた / 肉が全く入っていない、こんにゃくでできたハンバーグ
【マジかよ】ロケニュー記者も絶賛した『おつまみこんにゃく福袋』が楽天で5368円 → 3168円(40%オフ)
【こんにゃくの日】サクッと軽やか「こんにゃくチップス」を作ってみた! 口寂しい時にぴったりだよ!!
【ダイエット検証】78円の低糖質を買ってみた
【困惑】おでんを具材にしてしまったクリームシチューがエグい! 「おそ松さん チビ太のおでんシチュー」実食
【えっ!?】滋賀の人に “滋賀のアンテナショップで買うべきものベスト5” を聞いた結果 → 滋賀県民「無いなぁ…」
【究極の低糖質】あまり見かけない紀文の「わかめとこんにゃくで作った麺」を食べてみた感想 → 完全にもずく