
一体この現象をどう捉えればよいのか、なかなかに悩んでいる。
去る2024年7月、ファミリーマートが「透明プリン?」という名の珍妙なスイーツを発売し、筆者はそれをレビューした。その名に違わず透明な外見でありながら、味はまさしくプリンそのものという風変わり具合だった。
そして月日は約半年ほど流れ、時は2025年1月28日。なんと今度はローソンからも「透明なプリン」が発売されたのである。一体これは何事か。「競争」と表すには期間が空きすぎている。だがしかし、辛うじて「信じがたいほど緩やかなムーブメント」に見えなくもない。
そういうわけで、みすみす見逃すわけにもいかず、筆者はローソンのそれをレビューすることにした。補足すると、正式な商品名は「見えてますか? すけ~るプリン すけるカラメル付き」という。価格は228円だった。
ファミリーマートの「透明プリン?」もそうだったが、こちらの商品もカラメルまで抜かりなく透明らしい。業界のスタンダードのようなものが出来上がりつつあることに動揺を隠せない。
というより、そもそも再びこの手の商品と相まみえたこと自体が何よりの驚きに他ならない。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものである。この世に「透明なプリンを二度食べる小説」が存在しないことは容易に確信できる。
などと考えながら、実物を皿の上に取り出すと、水っぽいゼリーのように平たく広がった。半年ほど前にも似た光景を見た。透明感も、質感も、ファミリーマートの「透明プリン?」と共通している。新手のループに閉じ込められているような錯覚に陥る。
正直なところ、この時点では「もしや何も違いがないのか」と疑いの目を向けかけていた筆者だったが、しかし付属のカラメルソースをかけた瞬間、その両目ははっきり見開かれることとなった。
「透明プリン?」のカラメルが、ほぼ透明ながら微妙に黄色がかっていた一方、こちらのカラメルは完全に、一部の隙も無く透明なのである。カラメルをかけたか不安になるくらいである。
この商品が「透明プリン?」を意識して作られたものかはさておき、業界が進化していることは確かだ。いや、「カラメルが見えなくなること」はもはや進化なのか退化なのかもわからないが、何にせよ2つの商品のあいだに差異は存在する。
では、味においてはどうなのか。がぜん興味の湧いた筆者は、目の前の「すけ~るプリン」に、心の逸るままスプーンを差し入れた。
結論から言えば、両者のあいだに重大と言えるほどの「味の違い」はなかった。「透明プリン?」と同じく、「すけ~るプリン」も本物のプリンとカラメルの独特の甘みを再現しつつ、ゼリーのような食感とみずみずしさを兼ね備えている。
両者ともに、爽やかで食べやすい。しかし全く同じかと言われれば、筆者の個人的な感覚では否と答える。「すけ~るプリン」は「透明プリン?」よりも、さらに半歩ぶんほど清涼感に寄っているように感じたのだ。
本物のプリンに爽やかさで勝る「透明プリン?」の、そのまた微妙に上を行く「すけ~るプリン」。勝手ながら、筆者はその構図に「独り立ち」の気配を覚えた。「すけ~るプリン」のクリアな喉越しは、もはや独自ジャンルの域に到達しつつある気がする。
あえて欠点を書くなら、「本物のプリンのようなコクには乏しい」という、「透明プリン?」と同じ弱みを指摘せねばならないが、この期に及んでそこにこだわるのは少々ナンセンスだろう。発泡酒にビールのコクを求めるようなものだと思う。
とはいえやはり、依然として悩ましいのは、この「競争」とも「ムーブメント」ともつかぬ現象をどう捉えるべきかだ。果たして今後、新たな商品が即座に追随するのか、再び期間が空くのか、あるいは何事も起こらずに終わってしまうのか。
筆者としては、この乗りかかった船が、どうせなら大海原へ漕ぎ出してくれることを願う。「透明なプリン」が巻き起こすのは、「鮮烈な革命」であることを。
参考リンク:ローソン 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.
西本大紀








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