
ちょっとした用事があり埼玉へ。今の私にとって、国内の少し遠いエリアへの用事は大チャンス。なぜならば、その場所でしか展開していないチェーン中華があったりするからだ!
調べによると……ほうほう、あるある。その名も『珍来(ちんらい)』。暖簾(のれん)分けをしたグループ店舗がいくつかあるようだが、“総本店直営” なのは4店舗。
その中でも、公式サイトの最も上に買いてあったのが「草加駅前店」。さらに調べてみると、本社の住所とも激近い。つまりはここが総本山。用事のあと、電車を乗り継ぎ行ってみた!
駅のすぐ近くにあるとのことだが……
うぉう! 行列!!! 人気の高さが伺える。しかし回転は早く、さらに私は1人なので、わずか2分の待ちだけで入店できた。
メニューを確認してみると……
「珍来の定番メニュー」と書いてあるうえ、「専門店の火力と鍋から生まれる、プロの味をご賞味下さい。」とまで……! こんなの期待せずにいられるか!!!!
注文したのはもちろんノーマルの「チャーハン(750円)」。隣の600円は「ハーフサイズ」とのこと。
また、ノーマル以外にも「ニンニクチャーハン」ヤ「キムチチャーハン」もあるもよう。
・前代未聞な鍋振りを見た
私が座ったのはテーブル席だが、目の前を見ると、カウンター越しに厨房が見える。料理人と向かい合っているかたちである。そして間もなく、おそらく私のチャーハンであろう調理が始まったのだが……
ダンシングチャーハンマン!
それはそれは見事な鍋振り。まるで踊るような手捌きかつ体捌きであり、こんなにもリズミカルかつノリノリの鍋振りは初めて見たほど。
あまりにもリズミカルな「カンカン音」がスゴイため、まるでタイやミャンマーあたりの寺院で打音入りの念仏を聞いているようなトランス状態に入る私。
このカンカン音は、もしかしたら売れると思う。もしも私が「炒飯カンカン音ザ・ベスト」というアルバムをリリースするとしたら絶対に収録を打診する。
そして、ひっきりなしに訪れる客。しかし猛烈回転で、店の新陳代謝も一流アスリート並みに良好。さらに、皆のオーダーに耳をすませば……
けっこうみんなチャーハンたのんでる!!!
横の人もチャーハンであり、その隣もチャーハン、なんと私の座っている席の横一列、全員チャーハン! レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」の全員炒飯バージョンみたいな光景になるぞこれ……!!!
そして注文から5分後(早い!)……
着飯!(ちゃくはん)
食べてみると……
身悶えるほどにウマイんですけど(笑)。
何のヒネリもなく超ストレートに「チョーウマイんですけど」と言ってしまうほど、相当に美味い。
なんというか、最強に「炒(チャオ)」られている。それによる “米の際立ち” が凄まじい。もはやパンクロッカーの髪型のような際立ちっぷり。
もしもこのチャーハン皿の中が「チャーハンズ・ゴット・タレント」だとしたら、一口食べた瞬間に全米(ぜんこめ)総立ちのスタンディングオベーション。
あまりにも米がチャーハンに馴染んでいるので、「もしやチャーハン用に、少し硬めに炊飯されている米なのでは……?」と勘繰ってしまうほどだ。
・褒めるポイントが止まらない
具は、たまご、ねぎ、チャーシューと実にシンプル。それなのにこのおいしさということは、シェフの腕が相当あるということに他ならない。
また量も、大人の男が食べても大満足なくらいボリューミーで大満足。並ではなく大盛りにしていたらどうなっていたことやら……。
そしてスープ。これよ。これなのよ。醤油味の、これよこれ。ラーメンのスープとも違う味で。「生姜醤油汁」なのよね。
そんなスープで「チャーハン式ねこまんま」をやってみると……これまた絶品! スープに関しては、守ってもよし、攻めてもよし。
「チャーハン式ねこまんま界」においては、間違いなくブッチギリでナンバーワンに位置している。
もちろん、スープをかけない「そのまんま」でも最高においしい。つまるところ、何やってもウマい。
現時点においては、確実に当連載の「チェーンのチャーハン部門」ベスト3に入る名店。究極に極まった普通のチャーハンがここにはある。
遠くまで来た甲斐があった。ここまでのチャーハンを出すチェーンが埼玉にはゴロゴロしているとは……。埼玉が羨ましくなると同時に、埼玉に住んだら悟りが開きすぎて解脱してしまうかも……とさえ思った。
参考リンク:株式会社珍来総本店
執筆:チャーハン研究家・GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24
GO羽鳥











【チェーンのチャーハン行脚】第15回:中国ラーメン揚州商人の「揚州炒飯」は完全に「中国チャーハン」だった
【チェーンのチャーハン行脚】第13回:知らなかった。あの一風堂で博多チャーハン(650円)が食べられるなんて
【チェーンのチャーハン行脚】第17回:天下一品のチャーハンが劇的な進化を遂げた! 以前のと比べてみると…
【チェーンのチャーハン行脚】第16回:人生初の「来来亭」にして本誌独占スクープ(隠された秘密)をGET!
【チェーンのチャーハン行脚】第19回:元祖泡系「博多一幸舎」のチャーハンは、意外な具の存在感が際立っていた
【値上げ検証2025】スーパーとコンビニで「全く同じもの」を買ったら価格差はいくらになるのか → 絶望が待ち受けていた
【地獄の空気】あんなオペレーションが悪い「有名飲食チェーン店」は初めてだった
長野県民御用達の人気ローカルスーパー「TSURUYA(ツルヤ)」のプライベートブランドが強すぎる! 長野土産はスーパーで買うべきなのかもしれない
【検証】鍋セットを炊飯器に丸ごと投入したらどうなる? 時短ズボラ飯か、それとも地獄絵図か…
【天国】錦糸町の名銭湯「黄金湯」に泊まってみた / 昭和と令和が融合した銭湯天国を満喫!
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【抽選結果速報】ケンタ福袋2026の抽選に編集部20人で応募してみた → さすがに泣いた
中国「渡航自粛要請」真っただ中の大阪・難波に行ったら、今後の街が心配になった
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
中国「渡航自粛勧告」から1週間経った、東京・浅草を見に行ってみた
【納得】ガストの「ジョブチューンで唯一不合格だった」メニューを食べてみた → 不合格にする気持ちがわかった
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
【チェーンのチャーハン行脚】第18回:ミスタードーナツのチャーハンを食べてみた結果 → ドーナツを買った
【チェーンのチャーハン行脚】第20回:ららぽフードコート内「久留米ラーメン 清陽軒」にて『焼きめし』を食す
【チェーンのチャーハン行脚】第12回:私は見た。幸楽苑のチャーハンが過去最安370円(税込)で出せる理由を
【チェーンのチャーハン行脚】第22回:これを食べるためだけに仙台へ…。『中嘉屋食堂 麺飯甜(ミンパンティン)』のエビチャーハンに感じた “うそ”
【チェーンのチャーハン行脚】第11回:地球最後の中華東秀にて、何を思う。「チャーハン(スープ付)」539円
【チェーンのチャーハン行脚】第9回:中華ファミレス「バーミヤン」のチャーハン(598円)で見えた国は…
【チェーンのチャーハン行脚】第21回:福岡旅最終日は『餃子のテムジン』で茶道のごとき「やきめし」の施し
【チェーンのチャーハン行脚】第10回:紅虎餃子房で一番安い「玉子レタスチャーハン」(968円)で泣いた
【チェーンのチャーハン行脚】第6回:人生初の「福しん」で、連載史上最安500円チャーハンを食した感想は…
【チェーンのチャーハン行脚】第5回:れんげ食堂Toshuのチャーハン(539円)でエモい気持ちになった
【チェーンのチャーハン行脚】第4回:大阪王将の「五目炒飯」(640円)を食べて思い出す “その人との奇縁”