独身男は意外と料理をする。なんなら研究する。「より簡単に、より美味しく」と。正しく本格的な作り方じゃなくていい。洗い物が少なく、ウマければそれで満足だ。いかに調理器具を減らし、味を追求できるか……それが私(中澤)の料理のたった1つのテーマである。
1人暮らしも約20年。そんな独自の研究を暇な時に続けた結果、カルボナーラをフライパンだけで作っている自分に気づいた。
・カルボナーラが大好き
私は昔からカルボナーラが好物なので、本格パスタを名乗る店ではまずカルボナーラを注文するし、自分で生クリームを使わないで作ったこともある。
パルミジャーノ・レッジャーノやペコリーノ・ロマーノチーズで作ってみて分かるのは、生クリームなしの作り方だと、かなりチーズの素材の味が反映されるということ。パルメザンだと味の強さが物足りなく感じるのだ。
つまりは、なんでも本場の作り方が優れているというわけではなく、適切なチーズを使わない場合は生クリームを入れた方が味が安定する……というのが私の仮説。
・方向性が違う
イタリアで食べたことはないからあくまで個人の研究結果なんだけど、本格派を名乗る店でも結構ミスってることが多いのがカルボナーラだ。美味しくないカルボナーラって変に味が薄くて甘いのである。
で、前述した通り、私のテーマは楽に調理してウマくすることなので、いちいちチーズを取り寄せてなんていられない。その辺に売ってる粉チーズの『パルメザン』を使ってウマイカルボナーラを作りたい。なんならパスタを茹でる鍋すら洗うのが面倒くさい。その道を追求した結果、たどり着いた作り方が以下である。
・独身男のカルボナーラ材料
パスタ
卵
ベーコン
にんにくスライス
粉チーズ「パルメザン」
顆粒だし
生クリーム
オリーブオイル
塩
ブラックペッパー
お酢
・独身男のカルボナーラレシピ
1. フライパンにオリーブオイルをひき、ベーコンとにんにくスライスを塩こしょうで炒める
2. しっかり香りが立ったら、フライパンに水をコップ1.5杯、顆粒だしを8gスティック半分くらい入れる
3. 煮立ったら、パスタ投入
4. フタをしてたまにまぜたりしつつ、パスタの茹で時間-1分茹でる
5. 生クリーム100ml、卵黄2個、パルメザン3分の1、隠し味にお酢大さじ1杯くらいを投入
6. 混ぜながら1分を目安に火を入れて、ソースにトロみが出てきたら完成
──以上、文字にすると6工程あるけど、慣れてくると材料をポンポン入れていくだけなので10分くらいで完成する。
・味覚を騙す
隠し味にお酢を入れるのは酸味を補うため。これは全くもって独自の隠し味なのだが、パルメザンチーズの酸味の足りなさをお酢の酸っぱさで補強することにより大分引き締まった味になる。
言わばチーズ臭さをパルメザンチーズからもらいつつ、本来は素材の差である酸味の強さを別で作るのだ。味覚を騙しているような邪道さではあるが、これがウマすぎて私は外でカルボナーラを食べなくなった。
とは言え、味は好みもあると思うので、各々で研究していただければ幸いだ。結局は自分で作る料理が一番ウマイ。本場の作り方ばかりもてはやされるカルボナーラだからこそ、生クリームを使ったレシピは研究のしがいがあるとも言えるだろう。
この道を行けばどうなるものか。危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けば分かるさ。それが独身男の流儀。ありがとーーぅ!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼コツはパスタを茹でる時にフタをしつつも……
▼まぜながら水分量を見て中火にしたりすること。これにより最終的な水分量を調節しよう