沖縄のクセ強ソウルフード「ヤギ汁」。独特なケモノ臭が特徴的で、沖縄県民でもハッキリ好き嫌いが分かれることで有名だ。
ちなみに私(耕平)は、沖縄に来たらヤギ汁は必ず食べるほどのヤギ汁好き。そして先日訪問した石垣島で、なんと『臭くないヤギ汁』があるという情報を聞きつけた。
「臭くないヤギ汁なんて存在するのか?」と、半信半疑のまま真相を確かめるべく、そのメニューを提供しているというお店に向かう──。
・石垣牛の有名店「焼肉金城」
その「臭くないヤギ汁」を提供しているお店は、石垣島の中心地にあるアーケード街「ユーグレナモール」から、徒歩1分のところにある「焼肉金城 石垣島大川店」というお店だ。
沖縄県内に3店舗構えていて、本店は本島の北谷(ちゃたん)町にあるとのこと。「ゆいまーる牧場」という、自社牧場から直送された石垣牛とアグー豚が提供されるお店として人気を博している。
過去には2000年に開催された「沖縄サミット」の晩餐会に石垣牛を提供したり、その他にも数々の賞を受賞している名店だ。
お店に入ると、最高級レベルの燻製と言われる「和牛燻製あります」とデカデカと書かれた歴史の深そうな板が置かれていた。
石垣牛やアグー豚が使われた、お店オリジナルのレトルトカレーも販売されていて……
店内はウッド調で、各テーブルに吸煙機が設置されている。
・要予約の『臭くないヤギ汁』
注文は、各テーブルに備え付けのタッチパネルで行なう。
ちなみにお目当ての『臭くないヤギ汁』は、前日までの予約が必要。なのでタッチパネルのメニューには掲載されていない、知る人ぞ知るメニューだ。値段は税込で1485円。併せて「水(税込330円)」も注文した。
ジョッキに注がれた水が運ばれてきて……
噂の『臭くないヤギ汁』が姿を現す。
見た目は普通のヤギ汁とあまり変わりないが、まず衝撃的だったのは臭いだ。ヤギ汁はお店で注文すると、「あっ、ヤギ汁来る」とわかるくらい運ばれてくる段階で独特な臭いがする。ところが、このヤギ汁はあのクセが強い臭いがしないのだ。
まずはスープを飲んでみる。果たしてあの味と、どう違うのか?
えっ? 何これ。
まず、美味さが想像を超えてきた。味はクリーミーさが濃厚で、今まで食べてきたヤギ汁とは全くの別物というのが率直な感想だ。
ヤギ汁のスープは塩主体の味付けなので、比較的味が薄くピパーチ(八重山諸島の香辛料)などをかけて食べるのが一般的だが、このスープには逆に入れてはいけないような気がした。
そして、ヤギ肉はというと……
これも今まで食べたヤギ肉と比べて、身が厚くてジューシーさがすごい。しかも柔らかくスープとの相性が抜群だ。
そして他にも、一般的なヤギ汁に入っているイメージが強い、コリコリした部位が入っていたり……
初めて食べる、レバーの部分も入っていた。
本当にヤギ汁を食べている感じがしないが、とにかくヤギ肉の量も多く、食べていて全く飽きない。
・なぜ臭くないのか?
食べ終わった感想としては、味は間違いなく今まで食べたヤギ汁の中で、1番美味かったと思う。ただヤギ汁のあの臭みが好きな人には、少し物足りないのかも? と思った。
そして、なぜ臭くないのか? だがヤギ汁は通常、スープに血を混ぜることで独特の臭みが出るという。
しかし「焼肉金城」のヤギ汁はスープが普通のヤギ汁に比べて白く、ヤギの血を入れずに調理しているからではないか? と情報を、地元の常連さんから話が聞けた。
実際には丁寧な下処理がされていることで、この『臭くないヤギ汁』が完成しているのだろう。
ヤギ肉は「低カロリー、低脂質、高タンパク」と栄養価の高い食材だが、独特の臭みのせいで敬遠する人も多い。だが「焼肉金城」のヤギ汁は、その臭みが全くなく味わえるので、かなり貴重ではないだろうか?
もし沖縄に来ることがあれば「ヤギ汁は苦手……」という人に、ぜひ食べてもらいたい逸品だと思った次第だ。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 焼肉金城 石垣島大川店
住所 沖縄県石垣市字大川278
時間 11:30〜15:00、17:00〜22:00
定休日 不定休
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
▼数々の賞を獲得している名店だ