せっかく旭川に来たし「ならでは」なものを食べたいなあ。旭川在住の知人にそう言ってみたところ、『生姜ラーメン みづの』に連れて行ってくれた。みづのと言えばインスタント麺にもなっている店。昭和を感じさせる店構えがすでに良い味を出している。

入店してみるとサインが並んだ店内は人でいっぱい。駅から離れたその立地からは意外な賑わいには人気を感じさせる。

・旭川民「まずはしょうが」

メニューはシンプルで「しょうゆ」「しお」が600円で、「しょうが」「みそ」が700円。チャーシュー、生たまご、バターがトッピングできる様子。価格は庶民的と言えるだろう。

一緒に行った旭川在住の知人は1人ではなく、旭川民のグループの中に私が混ざったノリだったのだが、そんな旭川民たちいわく「初めてならまずは生姜ラーメン」とのこと。というわけで、生姜ラーメンにチャーシューをトッピングして「生姜チャーシューメン(1000円)」を注文した。


・納得の味

生姜ラーメンと言っても、スープは醤油スープでそこに生姜の風味が漂っている感じ。爽やかさがより際立っている。

それでいて味に奥行きもある。癖になるコクがありつつも口の中がスッとする後味の良さは独自のものを感じた。食べてみると長年人気なことに説得力がある味である。ウマイだけじゃなく飽きない。

・現地客の意外な話

事実、一緒に行った旭川民たちのグループでもフラッと行く存在となっている様子。しかし、店を出た後、「これは定番なのも頷けるね」と感想を述べたところ、まさしくフラッと行く客であるRさんから意外な話が飛び出した。


Rさん「ウマイですよねみづの。本当に閉店しちゃうんですかね?」


──え!? 閉店するんですか?


Rさん「なんかそういう話を聞きましたよ。ラーメン通の知り合いが噂してました」


──なんで?


Rさん「さあ? 普通に人気ですし後継者問題とかなのかなあ」

──とのこと。一緒にいった旭川民グループの中でも、この噂を知っているのはRさんだけだったので、現地の客の一部で流れ始めている噂と言える。

・旭川民もザワつく

ゆえに、そのRさんの話に、特にみづのファンではない旭川民たちもザワついていた。「マジで!?」「みづのが!?」と。その光景に、逆説的にみづのの影響力というのを思い知らされた次第。人気ロックバンドの解散みたいになっている。

もちろん、これは単なる噂なので真相は不明だ。ただ、今回食べられて良かったのかもしれないと思った。そして、その味を知った今こう思わずにはいられない。「次に来た時も食べられたらいいな」と。

推しは推せる時に推せ。永遠はないこの世の中、一瞬でも好きなものに出会えただけでプライスレスなことと言えるのではないだろうか。

・今回紹介した店舗の情報

店名 生姜ラーメン みづの
住所 北海道旭川市常盤通2丁目
営業時間 11:00~14:00
定休日 基本水曜日休みだけど不定休の日あり

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.