皆さんはご存知だろうか? 最近バンドTシャツが高騰しているということを。私(佐藤)が最近テレビで見た情報番組によると、1万円越えは当たり前。なかには5万や6万のものも珍しくないそうだ。

ウソだろ! 私にとっては普段着のひとつ。青春時代はほぼバンドTで生活していたといっても過言ではない。そんな気軽に着れるはずのものが数万はおかしい!

そう思い、原宿に行ってみたところ、もっと安く売ってるお店もちゃんと存在していた。そこでガンズの五分丈Tシャツを買ってみたところ……、ナゼか大阪のおばちゃんみたいになったでござる!

・本当に高騰してる?

バンドTの高騰は、どうやら一部の有名古着店に限った話のようである。希少価値の高い商品を扱っているために、そのお店の品揃えが高額になっているようだ。つまり、バンドTが高いのは一部のお店の価格についての話であって、業界全体の話ではなかった

騙したな、チキショー! 実際に私が訪ねたある原宿のお店では、海外の有名バンドのTシャツが数千円で販売していた。そのお店にも希少価値が高くて高額な商品もあるにはあったけど、それが全部ではなかったのだ。


手頃な価格の商品がたくさんあったので、1着買って帰ることにした。欲しかったのはガンズ & ローゼズのTシャツ。できれば、彼らのアルバム『Use Your Illusion』のものが欲しかった。さらに言えば、この作品は1(黄色)と2(青色)があってだね、2の方が欲しかったんですよ。

そこでご年配の店主に「ガンズのTシャツありますか?」と尋ねたところ……。


店主「あるよ。この辺かな」
佐藤「あ~、Use Your Illusionはないんですね」

店主「Use Your Illusionはねえ、今ないけど、来週入ってくるよ」
佐藤「マジっすか! じゃあ来週来ます!」


ささやかな会話ではあったけど、アルバムタイトルをすぐにわかってもらえたのがうれしかった。さすが長年この商売をしていらっしゃるだけある。後にわかったのだが、このお店は35年もやっているそうだ。



~~ 翌週 ~~


お店を訪ねたところ、私が入店するなり店主は……。


店主「入ったよ、ガンズ」


と、私の顔を見るなり、すかさず声をかけてくれた。これまた嬉しい! 私はすでにお店のファンになっていた。


さて、商品を見ると、たしかに私が求めたUse Your IllusionのTシャツはあった。1・2のイラストが半々に混ざり合った黄色と青色のものが1着。それにガンズのロゴと、Use Your Illusionのアルバムジャケットの子ども(ラファエロ作『アテネの学堂』の一部をオマージュしたマーク・コスタビのアート作品)がミックスされたTシャツが1着。

そのほかは1枚目のアルバム『Appetite for Destruction』のイラストのものがいくつかだ。あいにく全部デカい。近年のオーバーサイズブームの影響で、ほとんどXLサイズ


佐藤「小さいのないですかねえ。Tシャツはピッタリ着たい方なんですよ」
店主「Lならあるよ。アペタイト(Appetite for Destruction)のラグランがLだったはず」
佐藤「じゃあ、それ買います」


ってことで購入してきました。こちらは税込6380円です。会計時に店主はこう話してくれた。


店主「おにいさん、運がいいよ。ガンズの入荷は1年ぶりだからねえ」
佐藤「本当ですか!」

店主「ホントにいい時に来たよ」
佐藤「やった、ありがとうございます!」

そんな感じで、購入することができました。1万円でお釣りが来る、しかも新品! 全然高騰してないじゃないか! プンスカ!!



・実際に着てみたら……

ってことで、品物をお見せしましょう。こちらがアペタイトのラングランTです。ベースが黒で袖が白になっている。


正面には、ジャケットのイラストが入っている。カッコいい! このアルバムは私の人生トップ10に入る作品のひとつだ。いまだに全然聞いてます。


「MARIS ROCK」というのはブランド名かな? 「MADE IN UK」なので、イギリスで製造されたもののようだ。


気になったのはこの紐。襟のところから輪っか状の紐が、左右1本ずつ出ていた。コレナニ?


編集部の女子、亀沢。御花畑の両氏に聞いたところ、「これは服を吊るす紐ですよ」とのことだった、ここにハンガーをかけて干すことができるそうだ。なるほどね~、さすが2人とも物知り~!


では、実際に着てみよう。Lサイズだから多少デカいはずなんだけど、どうかな?




首元が広すぎて全然フィットしていない……


まるで、ダルダルの肌着でその辺を歩いている大阪のおばちゃんみたいだ。思ったよりもだらしない感じになった。が! デザインは間違いなくカッコいい!! これからの季節は首が寒いけど……。

とにかく、バンドTは高騰していない。今も昔も変わらず気軽に買えるお店もあるので、希少価値だけに左右されるに、気に入ったバンドTをバンバン着ようぜ!


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24