2024年10月18日から始まっている俺たちの「かつや」、魂の新商品の名は『牛焼肉とロースカツの合い盛り』。字面だけでこんな暑苦しい期間限定メニューはそうはないだろう。「かつや」よ、知ってるか? もうすぐ11月だぞ。

毎度毎度、いい意味で頭のよろしくない珍品で我ら “かつや者” を楽しませてくれる「かつや」であるが、今回はいつにも増して完全ノー勉のご様子だ。例えるならそれは、高3の数学を足し算だけで乗り切ろうとするかの如き圧倒的無謀──。

さすが俺たちの「かつや」としか言いようがない安定の仕上がりとなっている。

・「かつや」新商品

丼にするか? 定食にするか? すべての “かつや者” を悩ます究極の2択であるが、個人的には丼の方がより何も考えてなさそうで好みである。というワケで税込979円の丼をチョイス。定食は税込1089円だ。


その実物がこちら。


「かつや」の定番ロースカツと……


牛焼肉の合い盛りである。


…………。


– 完 –


・いきなり終幕

ここで非常に困った事態が起きた。何というか、他に言うことがねぇ。もう少し頑張ってみよう。ロースカツと、牛焼肉が、合い盛りになった商品だ。さっき書いたわ!



私(あひるねこ)も過去、様々な期間限定メニューと戦(や)り合ってきたが、ここまで理由なき合体はあまり記憶にない。おそらく今回の商品開発会議はこんな感じではないか。


開発担当A「次のフェアどうします?」

開発担当B「……ロースカツと焼いた肉や」

開発担当A「え?」

開発担当B「ロースカツと、牛焼肉の合い盛りや」

開発担当A「それはどういった理由で……?」

開発担当B「理由なんてない。ロースカツと牛焼肉を合い盛りにしたら? たぶんウマいだろ! だったらもうそれでいいじゃねぇか!!」

開発担当A「う、うおおおおおおおお!!」


全国一斉発売へ。


・全方位フルパワー

「かつや」期間限定メニューにおいて、チキンカツの出現率が異常であることは今さら言うまでもないが、今回は全力のロースカツがまるっとドカッと使用されている。出し惜しみはなしだ。


その横に陣を敷くのは、見るからにハードパンチャーな牛焼肉。ニンニクの効いた……いや、ニンニクの効きすぎた醤油ベースのタレを全身にまとった上に、サブウェポンとしてマヨネーズを引き連れての堂々参戦である。キャラだけでなく味も濃いぞ。


玉ネギの他に、お気持ち程度の茄子が紛れ込んでいるのは意味がよく分からなかったが、この味付けなら具材が何だろうと、問答無用でウマいと思われるので問題なかろう。たぶんノートの切れ端とかでもギリでウマい気がする。それくらい有無を言わせぬタレである。


そんな魔ダレが牛焼肉を超え、ついにロースカツとの邂逅を果たす時。衣という衣に染み渡った結果生まれる味の暴力性を垣間見た時。


あなたは知ることになるだろう。この『牛焼肉とロースカツの合い盛り丼』は、決してただのパワー系足し算にあらず。そう、それは例えるなら……


100+100=200


なに? 冷静に考えたらただの1+1=2だ? このバカ野郎! 数字がデカイだけで特に何も起きていないあたり、めちゃくちゃ「かつや」っぽいだろうが!! むしろ最高……! シンプル足し算、超最高ォォォォォォオオオオ!!



・「かつや」の真髄

勘違いしないでほしい。別に「かつや」は足し算しかできないというワケではない。まだ引き算も掛け算を習っていないだけなのだ。さすが俺たちの「かつや」。創業26年にしてなお義務教育の真っ只中と言っても過言ではない。


たとえただの足し算でも、突き詰めればそれは研ぎ澄まされた武器となり、そして唯一無二の生き様となる。「かつや」は我々 “かつや者” に、また一つ大事なことを教えてくれた。バカは強ぇと──。

『牛焼肉とロースカツの合い盛り丼』とは、きっとそういうメニューなのである。



参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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