世知辛い世の中である。毎月のように商品の販売価格が上がっており、もはや「せんべろ
」(1000円でベロベロになるほど酔える)という言葉が死語になりそうな勢いだ。実際、私(佐藤)のせんべろシリーズは、企画そのものが存亡の危機に瀕している

そのような状況で、格安で商品を提供するお店はかなり苦しいはず。たとえば、東京・新大久保の「ニハマル弁当」だ。たしか2016年に訪ねた時には、税込290円で弁当を販売していたのだが、今でも同じ価格でやっているのか?

8年ぶりにお店を訪ねたところ……踏ん張ってる! めちゃくちゃ踏ん張ってるじゃないかッ!!

・8年前、290円だった

お店は、JR新大久保駅から東に徒歩約10分。新大久保地域センターの向かい辺りにある。ニハマル弁当は名前から察するに「280円」から始まったお弁当屋さんなのだろう。それがどこかのタイミングで290円に値上げしたのではないだろうか。2016年でも290円は破格だった。


この8年の間に、いろいろあった。1番大きな変化はやはり新型コロナウイルスだろう。古くから続く老舗が相次いで閉店し、飲食業界は多大なる被害をこうむった。

安さを売りにする店は、継続が難しかったはず。それでも「ニハマル弁当」は今なお看板を掲げている。いくぶん看板は色褪せてはいるものの、お店は健在だ。よかった!


それで気になる弁当の価格はというと……298円だとッ! 8円しか上がってない!?


じゃなくて、税別298円で税込320円だった。値上げしてくれてて、なんだかホッとしたよ。


とはいえ、税込で30円しか上がってない。このご時世でこの値段は相当苦しいのでは……。今夏の米不足の時に苦労されたであろうことは、容易に想像がつく。

そのような状況で、踏ん張ってる、めちゃくちゃ踏ん張ってらっしゃる。あらゆるものの原材料費が高騰している中でも、安く弁当を提供しようという気概が感じられる



もしかして、弁当の中身も当時のレベルを維持しているのだろうか? 当時の弁当はあの値段で唐揚げ4個も入っていて、そこそこお腹が満たされたわけだが、今はどうだろう。


現在は税込320円弁当と税込420円の2種類の弁当が用意されていて、おかずの充実度で値段に差をつけている。とはいえ、320円でもハンバーグが入っていたりするから、安いから物足りないという訳ではない。

揚げ物類は単品販売していて、弁当 + おかずで500円台になるような商品構成になっている。


私はこの日、税込320円「チンジャオロース弁当」と、税込210円のジーパイ風の「鶏のから揚げ」、それから税込150円の「干し豆腐サラダ」を購入した。サラダなどの冷菜は全品税込150円である。



おかず2品と弁当で税込680円。この3品で1000円以下なら悪くない、むしろ良い方だろう。コンビニで少し買い物すると平気で1000円超えるから、やっぱり安いよなあ。


新大久保には学生が多く、東新宿方面にはサラリーマンも多いから、安く食事を済ませたい人に重宝されているはず。経営状況が心配ではあるが、可能な限り安い弁当を提供し続けてほしい。がんばれ、ニハマル弁当!


・今回訪問した店舗の情報

店名 ニハマル弁当 新大久保店
住所 東京都新宿区大久保1丁目6-12
時間 24時間

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]