一口に「うどん」と言っても、その流儀は実に様々。その証拠に「日本三大うどん」ですら「さぬき・稲庭・水沢」「さぬき・稲庭・五島」「さぬき・稲庭・氷見」など、諸説入り乱れているそうだ。

さて、今から3カ月ほど前のこと。私は人生で初めて「資うどん」を体験した。その記事が公開された際、多くの読者の方からいただいたのが「ウエストも食べてみて!」というリクエストである。

・やわやわうどん

最近、私がハマりつつある「武蔵野うどん」は、アゴが砕けそうなほど強いコシが特徴。一方、九州のうどん文化は正反対の「ソフトな口当たりのやわやわ麺」として知られている。

「そんなやわらかいうどんが美味しいの~?」……と、私も3カ月前までは思っていた。ところがどっこい、人生で初めての「資うどん」はちょっとした衝撃体験で、その食感は「食べるシルク」とさえ感じた次第だ。

その後、すかいらーく傘下入りが発表されるなど、全国的なブレイクの兆しを見せる資うどん。九州のうどん文化が日本全域に広がるのも、もはや時間の問題なのかもしれない。

・九州三大チェーン

前置きが長くなったが、その「資うどん」と並び九州を代表するうどんチェーン店として名前が挙がるのが「牧のうどん」と今回ご紹介する『ウエスト』である。

福岡県に住んでいたことがある砂子間記者によれば「福岡の人は資さん派、牧のうどん派、ウエスト派、それぞれこだわりがある人が多いですね~」とのこと。ちなみに砂子間記者は「完全に資さん派」らしい。

また「福岡の人は、たぶんうどんだけ食べればどの店なのかわかりますよ」というから驚きだ。なるほど、九州うどんはあの資さんうどんの1度きりだが『ウエスト』はまた違う感想を抱くのだろうか?

・初ウエスト

というわけで、訪れたのは天神にあるウエストで、ランチ時はあたり前のように行列が出来ていた。スーツ姿のサラリーマンはもちろんのこと、割烹着姿のおばちゃんなど、幅広い客層が印象的だ。

注文したのは「ごぼう天うどん」で価格は490円。ちなみに私が店内にいる間「ごぼう天うどん」を注文している人が異常に多かったのは偶然なのだろうか?

で、意外とすぐにやってきた「ごぼう天うどん」は、澄んだ琥珀色のお出汁と、見た目からなめらかさが隠し切れないうどんが印象的な一杯。また、ごぼう天は短めにカットしてあるスタイルだった。

・同じ?

さて、初めての『ウエスト』を食べた感想を一言で表すなら「九州のなめらかなうどん」つまり「資さんうどんと同じ」である。うどんはプヨプヨとソフトな口当たりで、やわらかさの中にも確かなコシを感じた。

またお出汁もよく出ており、隣の席のマダムを真似して「ゆず胡椒」を入れて食べてみたところ、あらま。非常においしゅうございます。「人生2度目の九州うどん」並びに「人生初のウエスト」は非常に満足度が高いものだった。

・ビギナーゆえに

……が、砂子間記者が言っていた「店ごとの味の違い」についてはサッパリわからん! これは私の経験値不足が原因なのだろうが、どちらも「ソフトで美味しいうどん」であり、記事を書いている今なお違いはよくわからない。

そう砂子間記者に伝えたところ「絶対にわかります。特によく行ってた資さんだけは絶ッッッ対にわかります。むしろイージー」とのこと。九州うどんの経験を重ねていけば、いずれ違いがわかる日が来るのだろうか?

とにもかくにも、ウエストは九州のうどん文化をダイレクトに感じられる美味しいうどんであった。ウエストには「焼肉」や「もつ鍋」もあるそうなので、いずれそちらにも挑戦してみたい。

参考リンク:ウエスト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.