毎年お盆前後、当サイトの中澤記者の実家(大阪)に泊めてもらうのが恒例行事になっている。理由は私の実家が鳥取県にあり、東京から鳥取への乗り換え地点が大阪だから。宿泊費の節約が主な目的である。
ちなみに言うと私と中澤記者は、過去も現在も未来も交際関係にあったことは一切ない。よく読者の方に「付き合ってるんですか?」って訊かれるけど、じゃあアナタ、会社の同僚なら誰とでも付き合うのですか? この件に関しては2人とも心底ウンザリしているのでヨロシクね!
さて。そんな中澤記者の実家で今夏、あやうく命を落としかけた話をしよう。
・順を追って話そう
8月17日。灼熱の大阪に到着した私は、さっそく以前から興味があった『キャベツ焼き』を食べに行った。キャベツ焼きはとんぺい焼きの肉を抜いてキャベツを詰めたようなもので、大阪のソウルフードらしい。
キャベツ焼きをツマミに昼間っからレモンサワー飲んで、女王様になった気分だな〜!
そこから私は大阪在住の友人と合流。居酒屋でとんぺい焼きやら串カツをツマミにビールを飲んだ。
そのまま2軒目へなだれこみ、とんぺい焼きをツマミにハイボールを飲んだ。1日でとんぺい焼き的なものを3枚食べられる街・大阪。少なく見積もって最高である。
・帰りましたよ〜っと
そして(同僚の実家に)帰宅後、私は風呂に入って早々に就寝することにした。なんたって明日はLUNA SEAのライブ。そのために大阪へ立ち寄ったんだからな。
ちなみに私は入眠障害と生理不順を抱えているため、就寝前は薬を2錠飲むのが日課である。これはもちろん病院で処方されたもので用法と用量を確実に守っており、10年以上毎日飲み続け、異常が現れたことは一度もない。
この日いつものように私は薬を2錠飲み、中澤記者のオカンが用意してくれたフトンで眠りにつこうとした。すると……
何かが、おかしい?
・地獄の夜
なんか、薬が食道の途中に張り付いているような感覚がする。この「食道の途中に張り付いている」というのはあくまでも感覚であって、実際に張り付いているのかどうかは不明。とりあえず私は水をガブ飲みして再びフトンに横たわった。
しかし喉のつかえは治まるどころか激しさを増し、次第に胸焼けと胃痛の同時進行みたいな苦しみが襲ってきた。なぜか背中もメッチャ痛い。このような経験は初めてである。何これ??
しまいに呼吸もしづらくなった私は、隣の部屋で寝ていた中澤記者を叩き起こし「死ぬかもしれない」と告げた。このとき即座に「病院へ行こう」とコートを羽織った中澤記者の頼もしさったら、正確には真夏なのでコートを羽織ったハズもないのに、コートを羽織ったと錯覚するほどであった。
・こんな時、どうすんの?
しかしながら、まだ私は自分が真夜中の救急病院に駆け込むほどの状態かどうかを図りかねていた。とりあえず知識のある人の意見が欲しい。話し合いの結果、私は生まれて初めて「119番」に電話することに。
電話口の方に自分の状態を告げ「私はどうすれば?」と尋ねると、「私は医者ではないので判断できない。#7119へ電話してください」との答えだった。
恥ずかしながら私は全く知らなかったのだが、「#7119」とは『救急安心センター事業』へ繋がる番号。救急安心センター事業は「病院へ行くべきか」「救急車を呼ぶべきか」などの判断を医療従事者の方が下してくれるという、今の私のためにあるようなサービスである。日本の医療体制、素晴らしすぎるだろ。
#7119へ電話しコトの成り行きを伝えたところ、看護師の女性は「今すぐ消化器内科へ行ってください」と受け入れが可能な病院を教えてくれた。様子を見守っていた中澤記者が再びコートを羽織った(気がした)のは言うまでもない。
が! この電話を切った直後、強烈な吐き気に襲われた私は、トイレで胃の中身を全部吐いた。なお私がこの日飲んだのはビール2杯、レモンサワー2杯、ハイボール1杯のみ。それも8時間かけてのチビチビ飲みである。
そもそも私は一度胃に入れた酒を吐くほど裕福ではないし、今回の事態が決して飲み過ぎによるものでないことは強く断言しておきたいところ。
で、胃の中身を全部吐いた私は「死ぬかもしれない」状態から「ドッと疲れた」状態に一瞬で移行。「一旦休憩させてくれ」とフトンに横たわると、気づけば朝になっていた。中澤記者がいつコートを脱いだのかは知る由もない。
ちなみにこれは私が朦朧とする意識のなかで書いた「深夜対応してくれる消化器内科」のメモ(※ 日によって状況は異なります)。大阪の同僚の実家で死にかけたうえ吐き散らかした思い出として、生涯保管するつもりだ。
・リメンバー#7119
その後の私は、3日間ほど喉の痛みが残ったものの、翌日には普通にLUNA SEAのライブに行けるほどに回復した。後日病院へ行って経緯を伝えたが、原因はよく分からないとのことだった。
あくまで個人的な予想であるが、今回の119番騒動は……
・大阪が暑すぎた
・移動で疲れていた
・テンションが上がっていた
・普段飲まない昼間に酒を飲んだ
・とんぺい焼きを食べ過ぎた
・薬の当たりどころが悪かった
・人の実家の慣れないフトンで寝た
……など、複数の要因が重なったことが原因な気がした。たぶんだけど。
「急を要さない救急車の要請」で医療現場の負担が増えている、といったニュースを目にする機会も多いため、それと比例して「自分なんかが119に電話していいのか?」と思う人も増えているだろう。そんな時は「#7119」へ! あんな苦しい体験は2度とごめんだけど、このシステムの存在を知れたことは大きな収穫であった。
それから “概念としてのコートを羽織る同僚” を目撃できたことも忘れられない体験である。中澤家の皆様、本当にお世話になりました。また来年も泊めてください!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.