
もうこれまでの人生、何回食べたのかわからない。私における「日高屋のチャーハン」は、『三丁目の夕陽』の時代や『こち亀』に出てくる駄菓子屋で食べられる「もんじゃ焼き」のようなものだ。
だって価格は510円(税込)。
ほぼワンコイン。駄菓子の感覚で「ちょっとチャーハン」。はたまた「ちょっとコーヒーを」な喫茶店感覚でチャーハンを食べられてしまうのである。日常生活の休憩所、それが私の中での日高屋だ。
しかし嬉しさ反面、あまりの安さに「日本、大丈夫か」と心配になったりもする。だってもう、変わらないじゃないか海外と。むしろ海外より安いって場合の方が多いのでは。
ちなみにタイのチャーハン「カオパット」は、店舗や場所によりけりだけど、屋台だったら80バーツ(約340円)くらいかなと思う。もちろん、レストランだったらそれ以上だ。
昔から東南アジアによく行く私だが、もうなんだか日本の方が東南アジアしているような気がしてならない。真夏の日本の酷暑なんて、タイやベトナムより確実に暑い。
いや、逆に、「日高屋が海外」という可能性も捨てきれない。だって私がよく行く店舗の店員さんは、ほぼ100%外国人。それでいてメシが安い。となると……なんてことを考えていたら、
チャーハン選手、テーブル・イン。
もう何十回も見たセット。これぞ日高屋のチャーハンである。醤油色したスープが嬉しい。
具は、たまご、ネギ、チャーシュー……と、まさに「チャーハンの基本」となるシンプルな布陣。
ちなみに余談だが、ものすごい昔、それこそ30年ほど前、テレビに「炎の料理人」こと周富徳(しゅうとみとく)さんが出ていた。
たしか、誰かとのチャーハン対決(相手は金萬福?)だったように記憶しているのだが、その時のガチなルールが今でも忘れられない。
具は、タマゴとネギだけ──。
チャーシューを使わないことに、少年時代の私は衝撃を受けた。そして周富徳さんは、こんなことを言った。
「基本的なチャーハンはタマゴとネギだけで作れる。シンプルなだけに、料理人の腕が如実に現れる料理、それがチャーハンなのだ」と……。
チャーハンフラッシュバックはそのくらいにしておいて、あらためて日高屋のチャーハンの味を解説していきたい。
まず味は、基本、ペッピー(※)。
※胡椒っぽい味という意味。
※羽鳥が勝手に使ってる「羽鳥語」なので、使用の際は要注意。
なのに不思議と甘く感じる。いったいなぜ? 味付けか? それともチャーシューの甘さなのか?
いずれにしても、ペッピーからのスイートエンドなハーモニーだ。
それでいて、味は薄め。決して濃いめではない。「何かのお供に」みたいなチャーハンである。
こういう薄味のチャーハンに、味が濃いめの「醤油スープ」が付いていたら、私は「しめしめ」とニヤけてしまう。
そしてキョロキョロとあたりを見回して……
ひとくちぶんだけ、スープをかける!
んで、シャバシャバになったチャーハンを……
うまい!(テーレッテレー♪)
これを私は「チャーハン式ねこまんま」と呼んでいるが、田中ケッチャム先生の「ネパール式ねこまんま」というパワーワードを見て以来、私が勝手に言ってるだけなので使用の際は注意されたし。
──と、ここで、驚くべき事実を発見してしまった。
今から10年以上も前の2013年7月10日。私はロケットニュース24に「チャーハンにスープをチョイチョイ入れて食べるとマジで美味い」という、まさしく「チャーハン式ねこまんま」の推奨記事を書いていたのだが、
その記事の写真(器の模様)を見ると……
なんと日高屋のチャーハンだったのである。
参考リンク:熱烈中華食堂日高屋
執筆:チャーハン研究家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24
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