中国のファーストフード界隈ではケンタッキーが幅を利かせている。幅を利かせすぎてメニューに「鳥の丸焼き」まである……という件について先日の記事でお伝えしたところだ。そんな中国ケンタには当然ながら「朝ケンタ」もある。
日本人にとって朝からケンタッキーを食べる行為はあまり馴染みのないものだが、中国ではどのケンタも早朝から朝ケンタを求める客で賑わっていた。私もさっそく現地人ヅラして中国で朝ケンタをキメてきたぞ!
・中国の朝
中国で朝ケンタの提供時間は開店〜午前10時まで。
午前9時の店内。モバイルオーダーやデリバリー文化が定着しているらしく、店の外には配達員とおぼしきおじさんたちが入れ替わりたむろしていた。
こちらが朝ケンタのメニュー。マフィン、トースト、おかゆに油条、パイ。様々なニーズに対応する品揃えである。ぜ〜んぶおいしそ〜!
長考のすえ、私がチョイスしたのは『大饼巻香烤鸡扒蛋』のセット20元(約405円)。辞書を頼りに翻訳を試みたところ「グリルチキンと卵の大きなロール」みたいなノリっぽい。
地下のイートインスペース。なぜか異様に薄暗かった。
・大饼巻香烤鸡扒蛋とは
こちらが大饼巻香烤鸡扒蛋の全貌。
ツイスターの系譜を感じるものの、巻き方はクレープみたいな三角折りである。
ちょっとお行儀が悪いが皮を開いてみた。ケンタッキー要素が微塵も感じられない大きなトリムネ肉のグリルが1枚。
逆サイドはこんな感じ。目玉焼きとジャガイモの細切り。細かく散らばった茶色の具材は正体不明だが、味と食感は揚げパンみたいだ。いただきま〜す!
うんまぁぁぁあああああ!!!!!!!!
鶏肉のザクザク感、イモのシャリシャリ感、揚げパン(推定)のサクサク感、皮のモチモチ感、卵のタマタマ感……全てが必要不可欠、一切の無駄なし! これほどテンション上がる朝食を食べたのはいつぶりであろう。
そんな具材たちを1つのチームにまとめ上げているのはピリリと甘辛いタレ。甜麺醤に近い気もする、とにかく中国風の味噌ダレだ。
半分ほど食べ進めたころにハッと気づいたが、この食べ物は北京ダックによく似ている。1人ぼっちの貧乏旅行ゆえ、中国で北京ダックを食べる機会はなかった。でもケンタで大饼巻香烤鸡扒蛋を食べられたからオールオッケーです!!!
・カフェでもあるぞ中国ケンタ
さて字数が足りないので補足情報を追加させていただくと、中国ケンタには『K COFFEE』というマックカフェ的な要素がある。
大きめの店舗にはコーヒー専用のカウンターやテラスも。ブラックコーヒーが飲めない身の上のためコーヒーの味についてお伝えすることはできないのだが、中国ケンタがカフェとしても利用できることは国際社会を生き抜くうえで押さえておくべき情報といえるだろう。
ちなみに私のイチオシはトロットロのアンコがタップリ詰まったパイ。洋と和が融合した非常にクセになる味だ。日本での発売が待たれる。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.