東京の、特に23区内に住んでいると、意外に行く機会がないのが国道沿いの飲食店だ。私(あひるねこ)は車を持っていないので、いわゆる郊外のロードサイド店舗にはあまり行ったことがなく、そういったお店に憧れに近い感情を抱いていた。
中でも気になっていたのが、TBSテレビ『坂上&指原のつぶれない店』で今年2月に紹介されていた「京都北白川ラーメン 魁力屋(かいりきや)」である。一度行ってみたいけど、近くにないんだよなぁ……。
・魅惑の国道沿い
「国道16号沿いで見つけた大人気店!」というテーマで番組に取り上げられていた魁力屋。関東を中心に142店舗(2024年8月5日現在)を展開するラーメンチェーンだが、調べてみると路面店かフードコート店しかないらしい。ですよねー。
これでは車がないと行くのは厳しいなと、半ば諦めていた……ところが!
・チャリで行くロードサイド店
以前、「八王子から新宿までシェアサイクルで出勤したら4時間かかった」という記事を書いた時のこと。自転車で国道を爆走していたら、たまたま発見したのである! 憧れの魁力屋を!!
そうか、車がないならチャリで行けばいいんだ!
というワケで行くことにした。
再びシェアサイクルをレンタルして、この前は通り過ぎてしまった国道沿いの魁力屋を目指すぞ。相変わらずチャリに乗っている人は少ないが……
しばらく走っていると……
あった! 赤い看板を発見!!
店舗面積よりもはるかに広い駐車場……これぞロードサイド店だ! 平日昼過ぎでもさすがに混雑しているな。それでは入店。
・人気の秘密
入ってまずピンときたのが、店内の広さである。面積というよりは間隔がやけに広い。そこまで大きな店舗でないのに、狭さを感じさせる部分がなく、妙にスッキリしているのだ。その瞬間思った。これは完全にファミリーに対応しているなと。
実際、ガッツリ系のラーメン屋にしては、かなり客層が雑多である。男性の一人客は私が見た限り全体の半分くらいで、中年の夫婦、小さな子供連れ、若い女性とその母親、お年寄りグループなど実に様々。
私も「ここなら余裕で子供を連れてこられるな」とすぐに直感した。ごちゃっとした、ある種の雑さが漂うラーメン屋も、あれはあれで味わい深いものだが、家族で行こうとは思わない。魁力屋の人気の秘密の一端を見た気がする。
さて、注文は食券ではなくタッチパネルだ。一番のスタンダードは税込803円の『特製醤油ラーメン』のようだが、せっかく憧れの店に来たのだから『特製醤油全部のせラーメン』(税込1089円)をキメたるわ。それがこちらだ!
ドーーン!!
・念願の初魁力
全部のせは、『特製醤油ラーメン』のチャーシュー2倍・半熟味付玉子・のり付きという無敵バージョン。いわゆる “背脂チャッチャ系” の京都こってりラーメンである。麺の硬さや背脂の量はタッチパネルで調整できるぞ。
まずはスープを一口含み……
麺をずずっと。
なるほど……ウマい。そして上手い。
チャッチャ系ガチ勢が食べてどう思うかは分からないが、このギトギトしていそうで意外とスッキリした飲み口の醤油スープ、そして喉ごしの良い低加水の中細麺は、ファーストインプレッションで平均80点くらい叩き出しそうな気がする。
だから一口目の満足度が非常に高い。でも味自体はこってり強すぎず、いい具合に力が抜けているので、近いうちにまた来てもいいかなという気にさせる。もちろん二郎的なディープさは皆無。そこまでラーメンに興味がない人(家族など)でも連れてきやすい。つまり、繁盛する。
・まさかの神サービス
あと個人的に衝撃だったのが、ネギとたくあんが卓上に置いてあって、無料で入れ放題だったこと。たくあんはまだしも、ネギ無料ってマジかよ!? 普通トッピング扱いじゃない? 他の店でネギラーメン頼んでる人の気持ち考えろよ!
「それはお金取ってもよくないか?」部門において、回転寿司のガリや牛丼屋の紅しょうが超え、私の中で単独1位に躍り出たのは言うまでもないが、せっかくなので遠慮なく鬼投入させてもらった。これはすごいサービスだ。
しかもお会計時に、次回使える100円引きクーポンまでもらえたぞ。そう、俺たちの「かつや」でお馴染み、一度でも立ち入ると脱出不可能な、あの無間地獄システムである。
これは来週あたりもう一度来る必要があるが、そのためにはまたシェアサイクルを借りなければならない。魅力的なロードサイドの飲食店……なんとも罪深い場所である。
ちなみに、魅力屋(みりょくや)ではなく、魁力屋(かいりきや)だからね。くれぐれもお間違えのないようお願いします。ではまた。
参考リンク:京都北白川ラーメン 魁力屋
執筆:レンタチャリ師・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼ラーメンに税込286円追加すると『焼きめし(小)』セットにできるのでオススメ!