お口の恋人・ロッテのクランキー。好き嫌いはあっても、食べたことのない人はいないだろう国民的チョコ菓子だ。
見た目は何の変哲もない板チョコながら、中には空気を含んだパフがたっぷり入っており、絶妙なサクサク食感を楽しめる。普通の板チョコだと1枚も食べれば「甘すぎ!」となるのに、なぜかクランキーならさくっと食べられちゃう。そんなクランキーが待望のガムになった。
……………………はい?
・ロッテ「クランキーガム」(参考価格:税込129円)
季節はずれのエイプリルフールかと思ったが、たしかにそれは実在していた。
ティアテープをひいて開封すると、濃厚なチョコレートの香りが広がるとともに、さっそく板チョコのようなものが顔を出した。
一瞬びっくりしたが、包装紙だった。そりゃそうだよね。
そういえば、板ガムを食べるのは数年ぶり……もしかしたら数十年ぶりのような気がする。「パッチンガム」なんて知らない世代のほうが多いのでは。
「ガムどうぞ」と親切を装って1枚ひいてもらうと、指がバチンと挟まるというイタズラグッズだ。善意から悪意への手のひら返しがえげつなく、今ならコンプラ的にNGかも。
今回の商品も、若者世代には逆に新鮮に映る板ガムをもっと知ってもらおうという挑戦的な企画らしい。たしかに、ガムはすっかりタブレットタイプが主流になってしまった。
銀紙をはがしてみると、見た目は意外にチョコっぽくない。間違えて食べてしまう心配は無用だ。
では、いただきます。
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すごく……すごく……変な感じ……!
味はチョコレートそのもの。「まぁ、なんだかんだ言うてガムだよね」というくらいの味を想像していたのだが、まったく違う。
普通のガムよりもずっと濃いフレーバーで、チョコレートの甘さがガッツリ感じられる。
香料ではなく本物のカカオマスを配合しているそうで、ナッツのような香ばしさも存在する。おまけに食感を再現するためのパフ風チップが入っていて、カリカリと噛みごたえがある。かなり美味しいチョコレートと言える。
それでいて、どこまで行っても胃には入っていかないガムなのだ! おあずけか!!
「わぉチョコだ! 甘くて美味~い」→「あれ溶けないな。そうかキャラメルか?」→「ん、おかしい、いつまで舐めてもなくならない、何だコレ!! エマージェンシー! エマージェンシー!」……と脳内がインサイド・ヘッド状態になる。
あまりにクランキーなので「食べたい」「飲み込みたい」という衝動にかられる。頭がおかしくなりそう!
この混乱、通常のガムと同じく味がなくなるまで続いた。なお、絵的に汚いのでお見せしないが、噛んだ後のガムも本当にチョコレートやキャラメルに見える。
・必ず周りに食べさせたくなる
余談だが、包装紙は折り紙になっていて、さまざまなデザインがある。ロッテ「おりがみ部」サイトでは、同社のお菓子にちなんだコアラやペンギンの折り方も紹介している。
この強烈な認知の不一致、ぜひ体験して欲しい。ところ構わず周りの人に「これ食べてみて!」と言いたくなるぞ。
そういう意味では令和によみがえったパッチンガムと言えないこともない。口にした瞬間「うぉっ」とか「えぇぇぇ?」とか謎の連帯感が生まれるはずだ。
世にも奇妙なチョコ味のガム、ひと夏の思い出に!
参考リンク:株式会社ロッテ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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