世界各国のマクドナルドを巡るシリーズ。今回訪れたのは中国である。世界のビックリする出来事の半分くらいは中国で起きている印象なので、そんな中国のマックにはきっと、さぞかしビックリするメニューがあるに違いない、と思っていた。

思っていたのだが……実際の中国のマックは、けっこう普通であった。例えるなら日本のマックの3倍は普通なんじゃないかってくらい普通。ちょっと拍子抜けしてしまったが、それでもスゴイのが1つあったのでご紹介したい。

・中国マックのご当地バーガー

中国ではケンタッキーが幅を利かせており、マックはそれほど存在感を示せていない印象である。

バーコードを読み取ってスマホで注文する方式がメイン。注文用のタッチパネルもあるが数は少なめ。

「ギザギザのポテトとストレートのポテトが選べる」「フライドチキンが人気」など小さな特色はボチボチあるものの、いかにも中国! といった特徴は見当たらない。

そんななか、目を引くのは『不素之霸双层牛堡』なるメニューである。手がかりとなる漢字は「双」「牛」くらい。英訳すると「ジャーマンソーセージダブルビーフバーガー」となるようだ。

『北京ダックバーガー』『麻婆ポテト』みたいなメニューを期待していたところへ、よりによってジャーマンソーセージだと……? 理由は分からないが、とにかくコレが中国マックのご当地メニュー的なポジションにいるらしい。マジか。別にいいけど。

・とても好感触な中国マック

そんなこんなで注文した不素之霸双层牛堡のセット。

時間帯やセットの組み合わせによって価格が変動するらしく、細かいところは正直よく分からなかったのだが、とにかくバーガー、ポテト、コーラ、パイの4点セットで価格は44.5元(約988円)だった。世界規模でみるとかなり安いほうだと思う。

コレが不素之霸双层牛堡。ダブルの割には小ぢんまりとした触感。

どうでもいいけど包装紙が3種類のバーガーに応用可能だったのには驚いた。こんなことを言っては怒られるかもしれないが、中国って何となく “エコとは無縁” ってイメージがあったからだ。中国のマックは結構エコ。声を大にして伝えたい。

・とても良かった中国マック

で、不素之霸双层牛堡の全貌がこちら。

見てるとだんだん怖くなってくるビジュ。

驚くべきことにピクルス1枚入っていない。パティ2枚にソーセージを2個乗せただけという、正真正銘の肉だけバーガーだ。これが日本なら「肉のみ」を強調した商品名になっている気がするが、そこをあえて「ジャーマン」とか言い出しているあたりに中国マックの気高さを感じる。


とてもウマい。


まずバンズにパティを2枚敷き、よく焼いたソーセージ(皮の主張があまり激しくない)を2本乗せたものを想像してほしい。そこにマヨネーズとマスタードを少々垂らせば、ほぼ100%正解の不素之霸双层牛堡が完成する。ハンバーガーに野菜は必要ないことが判明してしまったので、ぜひご自宅でマネしてみてほしい。めちゃんこウマいぞ。マジで。

人生で初めて見る料理『香芋派(Taro Pie)』はデザートの扱い。名前から察するにたぶんタロイモのパイだと思うが、違ったら困るので深く追求するのはよそう。


とてもウマい(本日2度目)。


サツマイモくらい甘いのに、硬さはジャガイモくらいのタロイモ(推定)を甘いシロップと和え、サックサクのパイで包んだもの。炭水化物をパイで包むという発想はあまり馴染みのないものだったが、これまでに食べたマックのパイの中で、個人的にはダントツトップのおいしさだった。今後これを超えるパイに会える気がしない。マジで。

「わりと普通だけど味のレベルが高い」という予想外の様相を呈していた中国のマック。しかし考えてみれば中国は世界トップを争う美食の国なので、この結果もある意味 自然なことなのかもしれない。チャンスがあったら絶対に食べてくれ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.