普通が1番難しい」というのは、かの有名な「稲中卓球部」の隠れ名言である。自分にとっては普通でも、他人にとっては普通じゃないなんてことはよくある話。やはり「普通が1番難しい」のかもしれない。

さて、つい先日のこと。小伝馬町のあたりを歩いているとアパホテルの1階に台湾料理店を発見した。店名には『オルソー』とあるが、もしかしたらあの有名台湾料理店『オルソー』なのか……?

・オルソー

「鶯嵝荘」や「also」とも表記される『オルソー』は、白山にある台湾料理店。特に水餃子が有名で私も何度か出かけたことがあるが、週末は予約必須の人気店だ。

小伝馬町のアパホテル1階で発見した台湾料理店も看板に「鶯嵝荘」とあったため、この店も高確率で “あのオルソー” なのだろう。念のため店員さんに伺ったところ、やはり “あのオルソー” であった。

まさかオルソーがシレッと支店を出していたとは。聞けば2024年4月にオープンしたとのことなので、まだまださほど多くの人に知られていない穴場なのではないだろうか?



看板を見ると「朝食」「ランチ」「ディナー」と3部制で営業しているようだが、私が通りかかったのは朝食の時間帯。朝からオルソーの台湾朝食が食べられるなんて、まさに早起きは三文の徳である。


・朝食セット

というわけで、お客さんもまばらな店内で「台湾朝食セット」を食べてみることに。セットは「おかゆ」「ラーメン」「ジャージャー麵」「魯肉飯」などの中からメインを選ぶと、副菜が付いてくるシステムのようだ。

セットの価格はどれを選んでも一律1400円で、メイン単品の注文も可能。今回は「鶏のおかゆ」のセットを注文した。なお、オーダーは全てスマホからとなっている。



ほどなくしてやってきた朝食セットは「おかゆ」「コーンスープ」「春巻き」「卵焼き」「温野菜」「豆腐」「ミニ肉まん」「杏仁豆腐」の構成。また温かいジャスミン茶は無料であった。

さっそく食べてみると、とにかく普通! これは悪いニュアンスではなく「まるで台湾で食べているかのような普通さ」という意味。特に蒸しただけの温野菜には、なぜか猛烈な現地感があった。

もちろん「おかゆ」「コーンスープ」「卵焼き」あたりは現地っぽい味わいなのだが、堅苦しさやよそ行き感が皆無。気取らないで食べられる「普通の台湾の朝食」といった印象だ。

そのどれもがインパクト重視ではなく、優しくシミジミとした味わい。Tシャツ・短パン・サンダル姿でフラッと訪れたいような「日常っぽい台湾」がそこにはあった。



ここまで日常に溶け込んだ台湾料理店はかなり貴重なので、小伝馬町の『オルソー』はある意味で台湾上級者向きの店かもしれない。日本ではなかなか難しい「普通の台湾」が味わえるお店だ。

・今回訪問した店舗の情報

店名 オルソー 日本橋小伝馬町店
住所 東京都中央区日本橋大伝馬町14-20 APAホテル小伝馬町駅前 1F
時間 ランチ07:00~14:00 / ディナー17:00 – 23:00(日曜のみ22時まで)
定休日 不定休

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.