こんなことを言うと気を悪くされる方がいらっしゃるかもしれないが、私は何でもかんでも「日本が世界一!」だとは思っていないし、むしろそういう意見を聞くと「井の中の蛙かな?」とやや冷ややかになってしまう性質(たち)だ。
そんな私でも常日頃から「落とし物対応」に関しては「マジで日本が世界一なのでは?」と考えている。この記事では先日私が経験した、それを決定付ける出来事についてお知らせしたい。
・スペイン帰りに
つい先日、スペインから帰国した私は高速バスにまんまと「リュックサック」を忘れてしまった。私が乗車していたのは14時半成田空港第一ターミナル発の東京駅行きで、その網棚にリュックサックを置いてきてしまったのである。
なぜメイン級のリュックサックを忘れてきてしまうのか? 自分でつくづくイヤになるが、これに関しては「私にはそういうところがある」としか申し上げようがない。案の定、娘にも全く同じ性格が遺伝してるんだよなぁ……。
・紛失後、1時間が経過
それはさておき、私がリュックサックがないことに気付いたとき、下車から1時間以上が経過していた。お恥ずかしながら帰宅した際に「あれ? リュックは?」とようやく気付いた次第である。
そこからマッハで記憶を辿っていくと、確か網棚にのせたリュックを下ろしていないような……? 全てがうろ覚えなので確証は無いが、リュックを忘れたのは高速バスである可能性が非常に高い。
幸い「どのバスに乗ったか?」「どこの席に座ったか?」などは覚えていたため、該当の高速バスを特定するのは早かった。結果、電話で問い合わせたところ「確かにリュックサックをお預かりしています」とのことである。
助かった……! リュックサックの中には仕事道具のノートパソコも入っている。紛失していたらと思うとゾッとするが、それよりも感動したのはバス会社の「この後の対応」だ。
・大感動
まずは私を乗せたバス(忘れ物があるバス)が現在どこにいるか確認のうえ「次に東京駅を出発する時刻」を教えてくれた。その際、車両番号や停留所の場所までとことん親切な対応である。
さ・ら・に!
大急ぎで停留所に向かうと、そこには大勢の人だかりが。そう、これから成田に向かう乗客たちが行列を成していたのである。その数は20人以上はいて、私は最後方からキョロキョロと先頭の方を伺っていた。すると……。
私の挙動が怪しかったのか、停留所の係員さんが「もしかしたら忘れ物の方ですか? 伺っていますので1番最初に対応しますね(ニッコリ)」と話しかけてきてくれたのである!
忘れ物の有無、どのバスに忘れ物があるかの把握、さらには運転手さんのみならず停留所の係員さんにまで情報共有する徹底的な親切さ。世界の全てを知っているワケではないが、忘れ物対応に関しては「日本が世界イチィィイイイイイ!」と叫びたくなるほど感動した。
・誇るべき美点
かつてプロレスラーのタイガー・ジェット・シンが「ホテルに多額の現金が入ったカバンを忘れたが、そのまま返って来た」と話していたが、日本の “落とし物対応力” は本当にスゴイ。これに関しては日本が世界に誇れる美点の1つであると確信している。
なんでもかんでも日本を美化すればいいワケではないし、なんでもかんでも日本を悪く言う必要はない。何事も是々非々を心掛けているが「落とし物対応」については、心の底から日本はすごいと思う。以後、忘れ物もしないよう気を付けます。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.