「そんなの知ってるよ!」と書き出しからキレられそうだが、温暖化で猛暑が続いている。

まだ6月なのに都心でも30℃超えの日もあって、これから真夏が恐ろしい。

さて、関東の中でも「暑さ」でよく話題になるのが群馬県の館林市や埼玉県の熊谷市だが、逆に「涼しい」場所もある。

避暑地で有名な高原とかではなく、なんと海沿いの千葉県勝浦市である。同じ関東でも都心より3〜5℃くらい低いとか、マジで?

・勝浦市もPRするほど涼しい

勝浦市のPRサイト「勝浦の『いい!』ところ」にも「夏は涼しく、冬温かく、過ごしやすい」とハッキリ書かれている。


「勝浦は記録が残る明治39年(1906)以降一度も35℃を超える「猛暑日」がなく、30℃を超える日もわずか数日のみ。東京都心と比べて夏は3℃から5℃近くも涼しく、逆に冬は温暖な気候で雪はもちろん雨も少ない地域です。」


と書かれているではないか。冬はあったかくて夏は涼しい、雨も少ないなんて最高では……? 俄然、勝浦市のことが気になってきた。


・実際に行ってみる

そこまで涼しいなら行ってみるしかないってことで、東京都が30℃を超える日に、勝浦まで行ってみることにした。

勝浦市は千葉県の南東部の海沿い、いわゆる外房エリアにある。

ローカル線を乗り継ぐと2時間以上かかるが、東京駅から「特急わかしお」に乗れば約1時間半。運賃は片道3600円ほどだった。

特急の本数は多くはないので、旅行気分で行ってみるか。

「わかしお」と名前がつくだけあって、車窓から見えるのは海の景色が多いなあ。

途中でディズニーシーのすぐそばを通ってちょっと興奮。

倉庫街や工場街を抜けて……

だんだん緑の多い景色に……

こののどかな風景、個人的にすごくよかった!



・理想的な夏があった

そんなこんなでようやく勝浦に到着!


駅についたのは12時半頃、まさに日差しが真上から照りつける時間である。


おおっと、ホームに降り立った瞬間に「あっち〜!」とつぶやいている人がいた……。


本当に勝浦は涼しいのか? 正直、駅に着いた時点ではまだ分からない。


たとえば木陰が多いとか、高地にあるといった、涼しい条件は今のところ無いように見えるのだが……。



・理想的な夏があった

ところが、しばらく歩いていると心地よい風が吹いてきて涼しいではないか……!

日差しは眩しいけれど、カラッと暑く、海から涼しい風が吹いてめちゃくちゃ気持ちいいのだ。

そうそう、もともと夏ってこんな感じだった気がする……!

スマホで気温を調べると、東京は30℃なのに対して……


勝浦は27℃!


3℃も低いではないか。体感では、避暑地の清里とか軽井沢くらいの涼しさというか。

暑いのは暑いんだけど、汗でじっとりとベタつき、太陽に灼かれるような暑さではなく、太陽と潮風の恩恵を感じられる心地よい暑さなのだ。

勝浦は海底が深く、風の流れのおかげでひんやりとした海風が吹くと考えられているとか。



・歩いて5分で砂浜

しかも、駅から徒歩5分で美しい砂浜に着く!!!

ただ涼しいだけでじゃなくて、景色がめっちゃいいじゃないの……。

2024年の海開きはまだとはいえ、人も少なくて静かでキレイだし。

涼しい風に吹かれながら、駅チカでこんなキレイな景色が見れるのはめちゃくちゃいいなあ。

私は海に囲まれた長崎県出身なのだが、海水浴ができる浜辺はどこも遠かったので、サラサラの白い砂浜が続くこの景色にうっとりしてしまった。



・海鮮が美味い

そして勝浦漁港があるから、近くには新鮮な魚介類を出してくれる店が沢山あった。

ちなみに勝浦の名物はカツオと金目鯛。

「さわ」というお店で房総名物のなめろう御膳をいただいたのだが、

なめろう以外にもカツオの刺身にアジフライに金目鯛の煮付けに、マグロの竜田揚げに、アラの味噌汁に……と海鮮祭り。

味付けが完璧だし、全部美味しくて感動した……。久しぶりに新鮮で美味しい海鮮食べた気がするなあ。


なんか……勝浦めっちゃいいところでは?


「関東で海といえば湘南とか江ノ島っしょ!」みたいな空気ある気がするけど、もしもサザンが湘南ではなく勝浦出身だったら、もっと勝浦がバズってたんじゃないのか


なんといっても、猛暑の中にあってこの涼しさ。避暑地といったら山の方ってイメージがあったけど、海辺で涼しいのは珍しい気がする


東京から特急1本で、涼しさ、キレイな砂浜、海鮮の美味さが堪能できる穴場といえるかもしれない。惜しむらくは特急の本数の少なさだろうか……。

夏のレジャーは楽しみたいけど暑さは苦手って人には、勝浦はかなりオススメできるぞ! 


参考リンク:勝浦の「いい!」ところ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.