2022年に華麗なる復活を遂げ、現在5店舗を展開している肉めし 岡もと。その正体は2021年に惜しまれつつも閉店した「岡むら屋」で、どちらも唯一無二の「肉めし」がメインのお店である。

2024年6月、その岡もとが『肉冷やし中華』なる新商品の発売を開始した。結論から言うと『肉冷やし中華』はまあまあ良き! 岡もとが着々と武装化していることを印象付ける商品であった。

・かつやの姉妹店

「かつや」のアークランドサービスホールディングス株式会社のブランドの1つとして知られる肉めし 岡もと。同社は他にも「からやま」や「純豆腐 中山豆腐店」などを展開する大手飲食チェーン店である。

ただし大エース「かつや」以外は無双しているとまでは言えない状況。1度は廃業に追い込まれた「岡むら屋」の過去を鑑みると「岡もと」も肉めしだけ売っていれば安泰……というワケではないのだろう。

・絶賛武装中

そのためか岡もとはそれなりに早いサイクルで新商品を展開している。特徴的なのは評判が良かったと思われる商品は、スッと定番メニューに格上げされる決断の早さだ。

例えば2023年に発売された「肉カレー」と2024年に発売された「チャーシューエッグ定食」は、どちらもシレッと定番化。他の大手飲食チェーン店ではなかなか無いスピーディーな展開である。

これは見方によって「岡もとが着々と武器を手に入れている」とも言えるハズ。当初は肉めしという剣1本で戦っていた勇者が、今では杖やブーメランを手に入れている状況に等しい。

それを踏まえると『肉冷やし中華』は「定番化する実力があるのか?」がとても気になるところ。美味しいことはもはや最低条件で「岡もとの新たな武器になれるのか?」が合格ラインとなってくる。



・熱さと冷たさ

さて『肉冷やし中華』は「冷やし中華」に岡もと特製の「肉 & 豆腐の煮込み」をぶっかけた一品。冷たさと熱さを一皿に盛り込んだ挑戦的なメニューと言えよう。なお、価格は1人前979円だ。

到着した『肉冷やし中華』は予想と1ミリも相違の無い仕上がり。皿の半分は冷やし中華であるものの、もう半分は煮込みというアンバランスさが印象的である。

・食べてみた

さっそく食べてみると……はい、わかりました。冷たい冷やし中華と温かい煮込みは意外と合う! 相乗効果があるとは思わなかった一方で、どちらも一定の距離感を保ちつつお互いを邪魔してもいなかった。

要するに『肉冷やし中華』は本当に「冷やし中華 with 煮込み」としか言いようが無く、どちらもそれぞれ美味しいため「まあ美味しい」という結論になる。

ただし定番化するかは微妙なラインで「肉カレー」や「チャーシューエッグ定食」ほどのインパクトは感じなかった。冷やし中華の特性を考えれば「やっぱり夏だけかな~?」というのが率直な感想だ。



・麺もイケる

とはいえ「岡もとは麺もイケる」ということをアピールする意味では良い商品なのかもしれない。過去には店舗限定で「うどん」なども販売はしていたが、競合店にはあまりない麺は岡もとの武器になり得ることだろう。

正直、個人的には「チャーシューエッグ定食」の方が30倍くらいオススメだが『肉冷やし中華』もアリかナシかで言えばアリなメニューである。唯一無二のメニューであることは間違いないので、気になる人はぜひどうぞ。

参考リンク:肉めし 岡もと
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.