タコライスをカフェでしか食べたことがない私(中澤)。ゆえに、タコライスにはカフェ飯のイメージしかない。細々と米に混ざるミンチ肉の旨みに、チーズとトマトの酸味が効いた味もどこかオシャレである。
飯を食べる時はガッツリ派の私は、その風味をおかずにして食べてる感じがあまりピンと来ない。入る店によってはタコライスが一番ガッツリしていることがあるため、これまで「タコライスで良いか」と注文していた。だが、そんなイメージは間違っていたかもしれない。
・信じられるか?
もちろん、タコライスが沖縄料理であることは知っている。ロケットニュース24でも沖縄のタコライスをお伝えする記事が投稿されてるしな。でも、やっぱり本場のものを見てもピンと来ないんだよなあ。
あったら食べるが食べに行きたいとは思わない。タコライスは妥協。そんな私だったが、フラッと訪れたCAFEでそんなタコライス観が覆されることになろうとは。まずは見てくれ。これがその時注文したタコライスである。
信じられるか? タコライスなんだぜ、これ。
フタを開けるや、弁当箱を埋め尽くすようなサイズの一枚肉が乗っていた。いや、その厚みはもはや肉塊と言う方がイメージに近いかもしれない。タコライスってこんなにドカンとした肉乗せていいもんだったんだ……。
・貧弱なスポーク
もちろん、弁当箱のサイズが小さいわけではない。しっかり普通サイズの弁当箱でこれだから肉のデカさもガチ。タコライスじゃなくとも見かけないレベルの肉丼である。
しかし、これだけ分厚い肉が使い捨ての貧弱なプラスチックのスポークで切れるのだろうか? スポーク折れそうだけどな。不安を覚えながらも先のフォーク部分で突き刺してみたところ……
「フッ」と肉に分け入る。そして、その裂け目からフルルッと肉が切れた。この肉はラフテー、いわゆる沖縄風の豚角煮なのだが、それにしてもトロトロである。スポークが曲がることもないくらい煮詰められていた。
・肉の下には
角煮丼だったとしても上出来な肉。だが、これはタコライスである。巨大な肉を持ち上げるとそのことが分かった。なぜなら……
下にミンチ肉が隠れていたからだ。マジかよ。ミンチ肉がラフテーになったのかと思いきや、下のタコライスにはちゃんと別にミンチ肉が入っていた。からしマヨネーズとチーズと半熟卵とミンチ肉が織りなす味わいは濃厚。
赤いソースはチリソースだろうか? 濃厚なだけではなくスパイシーな酸味で爽やかさもあるところが、シンプルにタコライスとしてもイケてる。「タコライスで良いか」ではない。タコライスが良い。
・オリジナルアレンジ
タコライスの概念を覆されたこのタコライスの名前は「沖縄ラフテーのほろ肉タコライス(税込1200円)」。あるから食べるのはなく食べに行きたい。そう思わせてくれた店の名前は『KING CAFE(キングカフェ)』だ。
お店のインスタグラム(@kingcafe_tacorice)を見たところ「沖縄生まれのタコライスにオリジナルのアレンジを加えた東京育ちのタコライスの専門店です」と書かれていた。
私が訪れたのは東池袋の店で、こちらはサンシャインシティの前の通りを帝京平成大学池袋キャンパスの方に歩いていくとドーミーインを越えたところにある。
・胎動
ちなみに、外のメニューには並までしか書かれておらず私が注文したものも並盛りなのだが、店舗の中で「ライス大盛 +150円(270g)」「特盛り約2倍 +400円(330g)」という記載を発見した。もっとガッツリもいけるのである。
今、私が帝京平成大学池袋キャンパスに通っていたら、この店が思い出の店になるに違いない。だって、もう行きたくなってるもん。それほどに記憶に焼き付く店である。
ひょっとしたらタコライスブームが来るかもしれない。池袋で感じた新しいタコライスの胎動。タコライスにピンと来なかった私は虜になったが、これをタコライス好きはどう捉えるのかが気になるところだ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 KING CAFE
住所 東京都豊島区東池袋3-11-9
営業時間 11:00~14:00、16:00~21:00
定休日 無休
参考リンク:Instagram @kingcafe_tacorice
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.