どうやら我らが「ミスタードーナツ」が「マスタードーナツ(MASTER DONUT)」を始めたらしい。ちょっとややこしいが、どうやらミスドが「マスタードーナツ」なる新ブランド(?)を展開しているもようだ。

その詳細については後述するとして、今回はマスタードーナツの第1弾となる『フロマージュ・ド』についてお知らせするのだが、最初に言っておこう「すまんな」と。

・マスタードーナツって?

まずは「マスタードーナツ」の基本理念について説明したい。切り取ると誤解が生じかねないため、以下でミスドの公式発表をまるッとご覧いただこう。


「誰よりもドーナツを愛するミスタードーナツは、日々ドーナツをつくり続けドーナツ製法を培ってきました。その情熱とノウハウを活かし「まだ誰も見たことのない新しいドーナツのおいしさに出会いたい」──。そんな想いから生まれたのがマスタードーナツです」


要するに「まだ見ぬ新しいドーナツを開発する」というコンセプトに基づいたプロジェクトのようで、その第1弾として2024年6月12日から発売開始となったのが『フロマージュ・ド』である。


・チーズ生地のドーナツ

さて、やや仰々しい「マスタードーナツ」の第1弾となるだけに、ミスドは『フロマージュ・ド』に相当自信があるご様子。その肝は新しく開発した「チーズドーナツ生地」らしい。

ミスドによれば「ミックス粉とチーズクリームの配合バランスの研究を重ねた結果、しっとり感を中にとじこめたまま外側のさっくり感を実現しました」とのこと。チーズの練り込まれた生地……なるほど、そいつはウマそうな予感がする。

というわけで、発売初日のミスドに直行! いつになく自信ありげな『フロマージュ・ド』を食べてみることにした。ただ俺はイマイチだったら「イマイチ」だってハッキリ言うぜ?



・実食

で、今回は全4種類「オリジナル(231円)」「ダブルクリーム(264円)」「ブルーベリー(264円)」「ティラミス(275円)」を全て食べてみることに。ともあれ基本はやはり「オリジナル」だろう。

※ 料金は全てイートイン価格。

さっそく「オリジナル」を食べてみると、表面のツヤツヤはアプリコットのナパージュ。そして……はい、わかりました。


・言っちゃおう

まず肝心のチーズ感については率直に「薄い」と申し上げねばなるまい。チーズケーキで例えるとベイクドチーズケーキではなく “スフレチーズケーキ” のような、ほのかなチーズ感である。

ゆえにオリジナル以外の3種類はトッピングの主張の方が強いため、生地のチーズを感じ取ることはかなり難しい。オリジナルでさえ、それなりに集中しないとチーズ感は得にくいハズだ。

もちろん「おいしくない」というワケではないし、ミスドの言う「外さっくり、中ふんわり」は実現されていた。……が、私が現段階でもう1度『フロマージュ・ド』を買うことはないだろう。



・愛ゆえに

総じて、やや大げさすぎる気もしたし、マスタードーナツのコンセプト「まだ見ぬ新しいドーナツ」にしてはインパクト不足の感は否めない。フロマージュ・ドは確実に、後からジワジワ系のドーナツである。

価格的にも気軽さ的にもミスドには他にも多くの優秀なドーナツがある中、『フロマージュ・ド』をリピートしたい人がどれだけいるだろうか? チーズ感に興味を持ったお客さんをどれだけ納得させられるのか疑問だ。

やや辛口になってしまったが、結局私が言いたいことは「俺たちのミスドはこんなもんじゃない」ということ。方向性もコンセプトもいい。だが初号機としてはどうなのか? 将来的なリベンジを期待しよう。

参考リンク:ミスタードーナツ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.