築地にあふれるインバウンド客。先日、そんな外国人旅行者をかき分けながら歩いていたら、お茶碗みたいな海鮮丼が3000円とかで販売されていた。インバウン丼ってマジであるんだ……。

しかし、疑問を抱くことなくそれを食べる外国人旅行者たち。そこでふとこう思った。「インバウンド客は豊田(とよだ)に行った方が良いのではないか」と──。

・愛知県の豊田ではない

豊田と言っても愛知県の豊田(とよた)市ではない。東京都日野市にあるJR中央線豊田(とよだ)駅だ。新宿からの電車の乗車時間はどちらも約30分。ほぼ同じである。むしろ、乗り換えが無い分、外国人にとっては豊田の方が行きやすいとも言えるかもしれない。青梅方面行きにさえ乗らなければ。

小高い丘のようになっているJR豊田駅。中央線から見える西東京の景色は真の東京の街並みという感じであり、そこも築地にはない味と言える。

・豊田に行くべき理由その1

そんなJR豊田駅には、ちょうど築地から築地場外市場くらいの距離にイオンモール多摩平の森がある。日本人的にはイオンモールがこんなに駅前にあることに衝撃を受けたのだが、インバウンド客も衝撃を受けるに違いない。なぜなら、そのイオンモールの1階には……

築地くらいウマイまぐろ丼が税込864円で売ってるから。しかも、サイズはちゃんと丼サイズで切り身とネギトロが盛り盛り。特にネギトロは脂がしっかり乗っていてウマイ。ひょっとしたら築地よりウマイかもしれない。


店の名前は『まぐろ一番本舗』。このまぐろ丼の存在だけでもう築地より豊田に行くべき理由としては十分ではないだろうか。



・豊田に行くべき理由その2

とは言え、この店はフードコート裏手。実は、フードコートを取り囲む状況はもっと凄い。インバウンド客が好きなものと言えば、寿司以外に、うどん、とんかつ、ラーメンなどがあるが、うどんは丸亀製麺があるし、とんかつは丸亀姉妹店の『とん一』があるし、ラーメンはラーメン大会2冠王者が手掛ける『極ジョー』がある。

さらに、食べログ100名店に毎年のように選出されるインド料理屋グループ店『アナスドーサビリヤニ』など、バリエーションが豊富なだけでなく選りすぐりだ。この充実度は築地にはない。ミスドもあるしな。


・豊田に行くべき理由その3

さらに、それだけグルメが充実しているにもかかわらず、イオンモール多摩平の森は築地に比べるとガラ空きである。2000円とかする食べ物に平日も大行列の人ゴミである築地と違い、私が行った時は昼食時も夕食時もフードコートの席が取れないことはなかった。サクサクである。同じ新宿から30分の場所なのになぜなのか。



・豊田に行くべき理由その4

インバウンド客の増加と共に騒がれ始めたのがゴミ問題。築地場外市場も例外ではない。私も築地を歩いた時にゴミ箱が見つけられず仕方なく持って帰ることになった。やっぱりゴミが出るモノを売っているところには分かりやすくゴミ箱を置いてほしい。これは何もインバウンド客だけの意見ではないと思うが……

心配するなかれ、イオンモール多摩平の森のフードコートはそこもパーフェクトだ。フードコートの端にはちゃんとゴミ箱がある。なんなら、喫煙所やトイレもあり快適さで言っても築地の比ではない。


・豊田に行くべき理由その5

極めつけは、JR高尾駅まで3駅なこと。ちょっと足を伸ばすだけで高尾山にも登れるし、サウナがあって露天風呂が広い温泉まである。どちらも築地では望むべくもない。歩いて疲れるだけの場所……それが築地。しかし、豊田は違う。癒しとチルがすぐ近くにあるのだ。



──以上、いかに豊田が築地に勝っているかご理解いただけたのではないかと思う。繰り返すが、新宿からはどちらも電車で30分。そろそろ築地に集うインバウンド客に真実を教えてあげるべきではないだろうか。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]