
県庁所在地である秋田市から車で1時間半、のどかな果樹園が広がる秋田県横手市。決して交通の便がよいとは言えないこの地に、他県からも人が訪れる名物食堂がある。
知る人ぞ知る、その名は「山内(さんない)食堂」。一見ごく普通の街の食堂に見え、SNSで話題の有名店と言われても気がつかないほど。何がそんなに話題なのかというと、日本の家庭料理の定番、チャーハンだ。
・活気あふれる山内食堂
テレビ番組『オモウマい店』にも取り上げられた山内食堂。休日には開店30分ほど前から行列ができ始める。券売機で食券を購入し、呼び出し番号の割り当てを受けてから順番を待つ。
入口にはメニュー写真がずらりと掲げられ、初訪問なら注文を決めるまでかなり迷うだろう。ラーメンや焼きそばやカツ丼といった定番メニューから、チキンカツ、ハンバーグ、肉野菜炒めなどの定食類、そこに期間限定メニューが加わる。
奇をてらったものでなく、日本人なら小さい頃から食べ慣れているような家庭的なメニューが数十種類も並ぶ。まさに「街の食堂」「昔ながらのドライブイン」を彷彿させるラインナップに嬉しくなる。数あるメニューの中から筆者は “名物” と言われるチャーハンをオーダー。
店内にはテーブル席と小上がり席とカウンター席があり、ファミリーでもソロでも快適。筆者の訪問時には賑やかなレジャームードの家族連れと、さっと食べてさっと立ち去る男性ひとり客が何の違和感もなく共存していた。肩ひじ張らなくていい客席の空気と、活気あふれる店員さんたちの声が心地いい。
ところで、当サイトではたびたび「大盛り」「爆盛り」の店を取り上げている。大盛りメニューは写真映えするし、完食チャレンジなどのコンテンツとしても魅力的。ちょっとやそっとの大盛りでは驚かない耐性があるのだが……
おおぅ! 噂に違わぬ大盛り!
皿の余白が見えないくらいギリギリまで盛られた底面に
高さ10cm以上にそびえるチャーハンの小山
メニュー写真のチャーハンはコレ。皿の違いはあるものの、写真は中華お玉のフォルムがわかるような、ごく標準的なサイズ。これこそ山内食堂が「写真はイメージです」にもほどがある、と人々を仰天させる理由だ。
……え、サラダの小鉢がないじゃないかって?
実は……驚くのはここからだ。まぁすでにお見せしたチャーハンも大盛りは大盛りだが、全国区で考えれば「これくらいはある」って感じだろう?
白状すると筆者の皿は「チャーハン」(税込800円)ですらない……筆者がオーダーしたのは……オーダーしたのは……
まさかの「半チャーハン」(税込300円)だ! 大事なことだからもう1度言うぞ。半チャーハン(税込300円)だ!!!!
嘘だろ
もちろん、実はチャーハンのほうが逆に少ないんですとかいうオチではない。チャーハンはさらに “倍量がある” という噂だ……。ともかく食べてみよう。
これだけの量なのに、チャーハンはパラッパラのサラッサラ。ダマになっている部分は皆無で、家庭では到底真似できないクオリティを発揮している。
塩味もちょうどよく、何も足さない、何も引かない黄金比になっている。嫌いな人はいないだろう絶妙バランスだ。卓上には調味料が揃っているが、筆者は一切必要としなかった。
具材はサイコロ状の肉がたっぷり入っており、シンプルなのに食べ応え抜群。まさに「王道」ストレートのチャーハン。仮に大盛りの店でなくとも繁盛するだろうと思えるような美味しさだ。
先述のとおり、ネットニュースメディアにいると「爆盛り」の店に出会うことは多い。
しかし正直に言うと、それらの店の多くは話題性「だけ」に注力しており、味は二の次というケースが少なくない。言ってしまえば「ただ多いだけ」で、一度訪問して写真を撮って話のネタにすれば終わり。リピートはそうそうないのが普通である。
しかし山内食堂の最大の魅力にして貴重な特徴は「しっかり美味しい」こと! むしろボリュームよりも重要ポイントといえる。なかなか出会わない極レアケースだ。ほかのメニューも制覇してみたくなる美味しさ。
しかし
食べても食べても
食べても食べても
食べても食べても
減らない……!
標準的な食欲の成人女性である筆者の場合、ちょうど半分ほど食べたところでギブ!
半チャーハンで重量およそ1kgあるという。炊いた白米1合がおよそ300~350gと言われるので3合分!
けれど心配無用だ。同店ではさらに小さい「半々チャーハン」に対応するほか、持ち帰り容器を販売。フードロス対策もばっちりだ。
こういったところも、単に話題性やウケだけでなく、真摯に料理と向き合っている感じがしてこちらも気が引き締まる。ほかにも写真映えするメニューがいくつもあるが、遊びでの注文はお断りとのこと。
・地元民がうらやましくなるローカルの名店
同じく「サイズ感がバグっている」と話題の「野菜たっぷり海鮮味噌チャンポン風ラーメン」(税込1100円)は
こうなる。
こちらも具材こんもり、海鮮エキスたっぷり、こしのある太麺は食べるのに時間がかかってものびることなく、非常~に美味しかった。
こうなるとがぜん、定食や丼なども気になってくる。惜しむらくは、飛行機や新幹線での秋田旅行のついでに……と立ち寄るには少々不便な立地であること。レンタカーなどがあるとよいだろう。
この店に足しげく通えるのは、まさに地元の人の特権。近隣の人々がうらやましくなる名ローカル店だ。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 山内食堂
住所 秋田県横手市山内大沢字長瀞23-5
時間 11:00~14:00
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
冨樫さや





















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