南アメリカ大陸の西部に位置するボリビア。チリ・ペルー・ブラジル・パラグアイなどと隣接する、ラテンアメリカの内陸国である。世界屈指の映え映えスポット「ウユニ塩湖」があることでも有名だ。

さて、つい先日のこと。都内で「ボリビア料理」の看板を発見した。はて……ボリビア料理とは? 正直なところイメージが全く湧かないが、これも何かの縁。出会って数分で人生初のボリビア料理を食べてみることにした。

・無

あなたは「ボリビア」と聞いて何をイメージするだろう? 私自身は先述した「ウユニ塩湖」以外だと「チェ・ゲバラが戦死した場所」くらいのイメージしかない。アンデス山脈もあるにはあるが、そうなるとペルーあたりが黙っていないことだろう。

そんなもんだから「ボリビア料理」に関する私のイメージは “無” が最も近い。ふわっと「豆・イモ・肉の料理が多そう」とは思うが、それもただただ私の勝手なイメージの範疇である。

さて、私が発見したのは『サルテトック(Saltetok)』というお店。最寄り駅は東京メトロ「清澄白河」で、清澄公園のほど近くにあった。

・名物、サルテーニャ

店の前には「ボリビア名物 サルテーニャ」と料理の写真が掲げられており、店名の『サルテトック』もサルテーニャから由来しているのだろう。また公式サイトには「サルテーニャ専門店」との記載があった。

なるほど、ボリビアには「サルテーニャ」という料理があるのか。パッと見た感じはパイのようなパンのような? ともあれ入店し、人生初のボリビア料理を食べてみることにした。

注文したのはスープとドリンクが付いたトマト煮込みセット(1700円)。トマト煮込みは「チキン・ビーフ・ハチノス」等があり、今回はそれっぽい雰囲気の「ハチノス」をチョイス。またセットのスープは「ピーナッツ」を選択した。

サルテーニャは「ビーフ・チキン・ポーク・チリコン」があり、それぞれ価格は580円。またスイーツ系の「チョコバナナ」は350円だった。今回はその中から「ポーク」と「チョコバナナ」を注文した。



・食べてみよう

で、まずは「トマト煮込み」から。ライスの上にかけられたトマト煮込みは、平たく言えばイタリアの「トリッパ」である。トマトのほど良い酸味と甘さがハチノスとマッチしており、ライスともとてもよく合う。

逆にちょっとビックリするほどボリビアっぽさは感じなかったため、初めての方でも口に合わないということはないハズ。遠く離れたボリビアとイタリアで「牛の内臓とトマトを煮込んだ料理」があることに、地球の狭さを感じずにはいられない。

人類みな兄弟……と感じたところで「ピーナッツのスープ」はなかなか個性的なお味。ピーナツの香ばしさと動物性の旨味はわかるが、似たような味を挙げるのは難しい。ただ優しくも刺激的なとても美味しいスープである。

・メインイベント「サルテーニャ」

そして主役の「サルテーニャ」は、カリカリではなく “ガリガリ” の分厚い生地が特徴的。店のガイド通り、まずは端っこをかじってみると……


あらま、スープがたっぷり。


そう、サルテーニャの生地が分厚いのはまさにこのため。ジューシーどころではないスープと具が入ったパイのような料理、それが「サルテーニャ」の正体のようだ。



・ボリビアンジョーク

私はスプーンで中身を食べたが、慣れた人はスープをこぼさずに食べ歩きも出来るんだとか。ボリビアでは昔から冗談で「サルテーニャのスープをこぼす人はキスが下手」って言うんだってさ! フゥーー!! シャレてる!

総じて「人生初のボリビア料理」は大変美味しくいただけた。ピーナッツのスープだけは不思議な味だったが、それですら「日本人の口に合わない」とは思わない。いずれも親しみやすい味と言えるのではないだろうか?

また「サルテーニャ」に関しては、食べ歩きできることとスイーツになることも考慮して「流行するポテンシャルを秘めている」と申し上げておこう。もう1度「サルテーニャのスープをこぼす人はキスが下手」なんだってさ☆

というわけで、有意義な経験となった人生初のボリビア料理。まだまだボリビア料理の専門店は少ないものの『サルテトック』はカジュアルで入りやすいお店なので、興味がある人はぜひ足を運んでいただきたい。



・今回訪問した店舗の情報

店名 サルテトック(Saltetok)
住所 東京都江東区清澄2-5-3
時間 11:00~19:00
定休日 月曜日

参照元:サルテトック
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.