いま、東京のホテルは宿泊料金がマジで高い。世界各国から多くの観光客が日本に押し寄せ、東京のホテル価格はめちゃくちゃ上昇している。ビジネスホテルでも1泊1万円を超えるところが続出しているとか……。
しかしあるエリアでは、高騰の煽りなんてお構いなしに低価格を維持し続けるホテルが数多く存在している。安くてアクセス良好のホテルが軒を連ねる場所、「東京の安宿街」こと南千住エリアだ。
今回はJR南千住駅から徒歩約8分の場所にある「ホテル ヒカリ(1泊3900円)」をレポートしていこうと思う。
・趣(おもむき)深い立地
ホテルは縦に長い細めのシルエットが特徴的。同エリアで以前宿泊した「ホテル アクセラ」と佇まいが似ている。
ちょうどこの辺りは「泪(なみだ)橋」と呼ばれていて、かつては処刑場と牢屋敷を繋ぐ橋が架けられていたそうだ。刑場へ向かう罪人とその親族が、最後の別れをしたところらしい。
なんとも趣深い場所だ……すでに川は埋め立てられていて橋も取り壊されている。ちなみに、漫画『あしたのジョー』で主人公・矢吹丈の通うボクシングジム「丹下拳闘クラブ」があったのもココ。
・チェックイン
それでは「ホテル ヒカリ」にチェックイン。1階ロビーはなかなか広くて開放的だ。フロントはスタイリッシュで結構オシャレな雰囲気が漂っている。
受付時にはバスタオル・フェイスタオル・浴衣が無料でレンタル可能。
さらに、選べる特典としてアメニティ5点(ボディスポンジ・歯ブラシ&かみそり・ポケットティッシュ・ウェットティッシュ・ヘアブラシ)のうち2点を無料でゲットできるぞ。いろいろ付いてきて嬉しい限りだ。
・漫画読み放題
同フロアには漫画読み放題コーナーもある。ラインナップが豊富でビックリ。……わりとジャンプ系の作品が多めかな。新聞や週刊誌も揃っていて漫画喫茶に来たかのような気分だ。
テーブル・カウンター席もあるので、ゆっくりと漫画を読んだりできそう。
驚くことにコミックスは自室に持っていって読んでもオーケーらしい。マジかよ、寝っ転がって漫画を楽しめるとか最高じゃないか! ただし、新聞や週刊誌については1階ロビーでのみ閲覧可能とのこと。
・ムーディーな廊下
とりあえずエレベーターで2階に上がり自室へ。廊下は思いのほか高級感が漂う落ち着いた雰囲気。キラリと黄金色に光る客室ドアは、デザインが実にエレガントである。
床はフローリングではなくカーペット。滑りにくくクッション性もあるので歩きやすい。ちょい高めのビジネスホテルみたいな空気感にテンションが上がる。
近くに洗面所があったので試しに覗いてみたら……
生活感MAX! まるで実家の台所みたいな光景が広がっていた。やや古めの流し台・分別ゴミ箱・電子レンジ・電気ポットなどが設置されている。いきなりムードがガラッと様変わりして面白い。
・マイルーム
さて、それではマイルームをチェックしてみよう。さっそく部屋のドアを開けてみると……
狭ッ!
広さ約3畳の洋室。部屋の大半はモコモコしたベッドによって占拠されている。室内にトイレ・バスは備わっていない。トイレは廊下にあるものを、お風呂は1階にある大浴場を他の宿泊客と共同で使うことになる。
室内にはミニ冷蔵庫やテレビ、エアコンなどが完備。窓もあるが、隣の建物が目前に見えるだけで景色は広がらず……まあ2階にいるワケだし当然か。
ふと気になった大きめの折りたたみ式テーブル。広げてみると物をたくさん置くことができる反面、歩くスペースはほぼなくなり窮屈に感じてしまう。もう少し小さかったらより使いやすいなと感じた。
・大浴場へ
ひと息ついたところで、お風呂に行ってみるぞ。再び1階に降りて大浴場へ。館内の浴室は1カ所だけで男女入れ替え(時間制)となっている。
また、すぐ近くには24時間利用可能なシャワールーム(有料)が完備。時間帯によってはシャワーでパパッと済ませるのもアリだ。
風呂場や脱衣所は広くてキレイ。浴槽はやや大きめ。大人6〜7人が足を伸ばして入浴できるサイズ感。シャワーブースも多めで快適だった。
・寝心地のいいベッド
寝る支度を済ませて部屋に戻ったら即ベッドイン。……マットレスが意外と分厚くてビックリ。しっかりと体を支える高さがあるため寝心地は最高。布団もフカフカとしていて気持ちがいい。
ただ、どうも壁は薄い様子。隣の部屋からはイビキがそこそこ聞こえてくる。個室といえど耳栓は持参したほうがいいかもしれない。
・無料モーニングコーヒー
朝は1階ロビーでコーヒー無料サービスが楽しめる。コーヒーマシンがハイテクかつハイセンスで印象的。漫画コーナーもあるし、少しゆっくりしていこう。
なんと『あしたのジョー』を発見。アニメ版は随分と前に観ていたことがあるけれど、原作・漫画はあんまり読んだことがないんだよな。どれどれ、ちょっくら読んでいきますか。
漫画を片手にチビチビ飲むモーニングコーヒーは格別だ。今回の宿泊はリッチな気分が味わえて心地よかった。
豊富なアメニティ&漫画、高級感のある館内、寝心地抜群のベッドなど、快適に過ごすことができて大満足。このクオリティで1泊3900円(税込)はアッパレである。
マジでコスパがいいから1度宿泊してみるのもオススメだぞ。
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称 ホテル ヒカリ
場所 東京都台東区清川2-39-3
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.