「寝酒は睡眠の妨げになる」、「寝酒をすると眠りが浅い」という言葉を聞いたことがないだろうか?

私(耕平)は、最近になってこういった言葉を頻繁に耳にするようになった。何を隠そう、私は寝酒歴10年以上のベテランだったりする。ぶっちゃけ、アルコールが無いと眠れない体質で、むしろアルコールを飲まない方が身体に悪いとまで感じていた。

果たして、その説は本当なのか? 真相を確かめるべく、自宅でできる睡眠検査キットで前代未聞のガチ検証をしてみたぞ! 果たして、結果はいかに?

・自宅で睡眠時の脳波を検証

今回のガチ検証に使用するのは、株式会社S’UIMINという会社が提供している「InSomnograf(インソムノグラフ)」という睡眠検査キットだ。


日本を代表する睡眠学者である柳沢正史氏が開発した、特殊な医療機器を使って自宅で睡眠時の脳波を測定できるという画期的なサービスとして話題になっている。


病院で睡眠検査をすることは可能だが、アルコールを大量摂取して受診するのは不可能といえるだろう。なので、今回の検証にはこの検査キットが必需品といえる。

使い方は割と簡単で、まずネットから簡単な睡眠についての質問に回答する。その後、取扱説明書に従ってデバイスを繋げ、電極やセンサーを装着する。


私が試したのは「2晩計測」というもので、自宅で2日間測定したら結果が出るというものだ。



・検証開始

いよいよ「寝酒は本当に体に悪いのか?」という疑問に対する、検証を開始したいと思う。1日目は通常の睡眠の質を計測する。検査キットを取り出し、額と耳の裏に電極をセット。


血中酸素を測定するセンサーも、指先に装着して……


デバイスの電源を入れて、測定開始!


おやすみなさい。


そして2日目は、寝酒の状態で測定する。私の場合、適正のアルコール量では寝られないので、いつ寝落ちしてもおかしくない量を用意した。


酔ってから電極を貼り付けたりできる自信が無かったため、すでに装着した状態で飲み始める。


予定通り、寝落ち寸前まで飲んで……


無事にベッドで寝落ち。



・驚くべき結果

それでは、結果発表をしていこう。この睡眠検査キットは測定後にデバイスを充電して、しばらくすると登録したメールアドレスに測定結果が送られてくる。


その結果を元に、通常時と寝酒時を比較してみよう。計測結果は詳細に出るが、ここではポイントだけ比較していく。まずは「睡眠スコア」という、標準的と言われている数字で比較すると……


通常時が「80」、寝酒時が「39」と約2倍の差がついている。スコアがどういう根拠でついているかは分かりかねるが、点数としてこれだけの差が開いているため、寝酒が身体に良くないことは容易に想像できる。



もう1つ「リカバリースコア」という、株式会社S’UIMIN独自の脳波測定から算出する評価を見てみると……


1000点満点中、通常時が「680」で寝酒時が「252」……今度は倍以上の差がついた。

特に寝酒は「睡眠が浅くなる」と言われているらしいが、通常時で「6時間40分」に対して、寝酒時は「4時間14分」と2時間半近く差ができてしまっている。


さらに、グラフに目を向けると……


見にくいかもしれないが、注目すべきは「深いノンレム睡眠」の回数だ。「ノンレム睡眠」そのものについては、私は専門家ではないので細かい説明ができないが、良い質の睡眠の過程で必要なサイクルだということは記憶している。

その「深いノンレム睡眠」に通常時では55分入っているが、寝酒時はそのゾーンに1度も到達していなかった……。


── 以上の計測結果から、世間で言われている「寝酒は睡眠に悪影響を及ぼす」という説は、ほぼ間違いないのでは? ということが理解できた。

私自身10年以上、寝酒が当たり前な生活を送っていたが、現実を叩きつけられたことで今後の生活習慣を改めねば……と心底思った次第だ。

この検証結果が、寝酒を止めようと考えている同じ境遇の方たちへの参考になれば幸いである。

参考リンク:株式会社S’UIMIN 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.

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