皆さんは「ラブラドール・レトリバー」というとどんなイメージを思い浮かべるだろうか?

盲導犬や警察犬として活躍している子も多いため、「賢くて大人しい犬」という印象が大きいかと思う。しかし、実際は割と正反対なことも多かったり。

本記事では、ラブラドール・レトリバーと10年以上一緒に暮らしてきて思ったことを5つご紹介していくぞ。


・その1 確かに賢いけど……

まず、ラブラドールが賢いというのは間違いない。

家に迎えてからすぐにトイレのしつけや「おすわり」「伏せ」などの芸を教えたが、どちらもマスターするまでにそれほど時間はかからなかった記憶がある。


しかし、その賢さが必ずしも人間にとって都合のいい方向に向かうとは限らない。

例えば、筆者の家の台所には犬が入ってこないように柵が設置してある。

その柵はロックを外すとドアのように開閉して出入りができるようになっているのだが、うっかりロックをかけ忘れてしまったのを見つけた瞬間、柵を突破して台所に侵入してくる。

ロックがかかっている状態とかかっていない状態を一体どうやって見分けているのか……こんなふうに、頭が良いが故に様々なイタズラに悩まされることも多々ある。


・その2 とにかく食べることが好き

先述した台所への執着からも分かるように、ラブラドールはとにかく食べ物が大好き。

「ごはん」の単語には例え眠っていたとしても即座に反応するし、一度食べ物をくれた人の顔は絶対に忘れない。

うちの犬の場合、ドッグフードはもちろん野菜からお薬までなんでもガツガツ食べる。


ハチに刺されて喉が腫れ上がってしまった時はさすがに食事が喉を通らなかったみたいだけど、逆にそんな状態にならない限りもらったものを残さず完食している。つよい。

嬉しそうな姿を見るとついついたくさん食べ物をあげたくなってしまうけれど、肥満になりやすい犬種のためあげすぎには注意が必要だ。



・その3 意外と毛が抜ける

ラブラドールの毛は同じレトリバー系統の「ゴールデン・レトリバー」や「フラットコーテッド・レトリバー」と比べてかなり短い。

しかし、その見た目に反してとにかく多い抜け毛には毎度悩まされることになる。

ラブラドールは元々水中で狩りの手伝いをしていた犬種。水の中に入っても寒くないよう毛が二層になっているため、抜け毛が多いんだそうだ。


服についていたり床に落ちていたりするのはもちろん、冷蔵庫の中にまで毛が侵入していた時には軽く引いた。

もちろん犬が冷蔵庫に入ることはないので人間経由で入り込んだのだろう。ウイルスってこうやって媒介されていくんだろうな……と納得してしまった。

とにかくそれくらい抜け毛が多いので、自宅に迎え入れる時にはコロコロが必須である。


・その4 水は好きだけど……

先述したように水中で活躍していた犬種というだけあって、水に入るのが大好きな個体は多い。なんと足には水かきまであるとことん水中向けの犬種だ。


筆者宅の犬も例に漏れず水が好きで、子犬の頃から海や池を見つけると臆さず飛び込んで行くのだが……

なぜかシャワーだけは苦手。シャンプーの時は毎回へっぴり腰になっているし、隙あらば浴室から脱走しようとする。

てっきり水なら全般大丈夫なんだろうと思っていたので意外だった。ただ、調べてみたところシャンプーが好きな子もいるようなので、これに関しては個体差が大きいのかも。



・その5 パワータイプ

ラブラドールと暮らしている人、全員が1回は傷を負ってると思ってる。大型犬なうえに体つきががっしりしていることもあって、とにかく力が強い。

実際、筆者も盛大にタックルを食らって地面に腰を強打し流血したことがある。ちなみにその傷跡は数年経った今でも消えていない。


良くも悪くも無邪気なラブラドールは、スイッチが入るとマジで壊れたおもちゃみたいな感じで爆走を始めることがある。

30kg近くある物体がものすごい勢いでぶつかってくる……と言えばその破壊力がお分かりいただけるだろうか。

また、ラブラドールは全身だけでなく体のパーツのパワーすら物凄い。尻尾は余裕で机の上の物を薙ぎ払えるし、転がった時に足で体を押されれば大人でもよろける。

本人(犬?)には全く悪気がなくても、ただ動いているだけでダメージを食らう可能性があるエネルギーの塊だ。


そんな力の持ち主であるため、布でできたぬいぐるみを渡した日にはものの数分で解体を完了してしまう。筆者宅では、割と早い段階でかわいさより頑丈さでおもちゃを選ぶようになった。



・なんだかんだかわいい

──以上、ラブラドールを飼ってみて思ったこと5選でした。この犬種のいろいろな一面を楽しんでもらえれば幸いである。

困らされることも多いけど、やっぱり人懐っこくて元気いっぱいなラブラドールはとってもかわいい。

もうラブラドールがいない生活は想像できない。これからも長く一緒にいられるよう、たくさん愛でていきたい所存である。

執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.

▼シャンプー翌日に池に飛び込んだ挙句、土の上で転がり回ったあとの写真。こっちが困るようなことをしたときに限ってめちゃくちゃいい顔をする

▼桜を食べ物だと思っている時の顔。このあとしびれを切らして飛びかかられた