悪の秘密結社ってかっこいい。子供の頃、悪の組織に入るのが憧れの1つであった。現実にはショッカーは存在しないと知った時は悲しかったな。だって楽しそうなんだもん。ショッカー。

と思いきや、SNSで悪の秘密結社とまことしやかに囁かれるあの団体から招待状が届いた。そこにはこう書いてある。「正会員資格の要件を満たしていることが確認されました」と。入るっきゃねェェェエエエ

・潜入して5年

そんな有名な悪の秘密結社なんてある? と思うかもしれないが、あるでしょうよ。ネットでことあるごとにメン・イン・ブラックみたいなイラストが投稿されて揶揄される団体が。その名も一般社団法人日本音楽著作権協会。そう……


JASRACだ

5年前、JASRACが「音楽の未来を破壊する」とまで言われていた当時のこと。ミュージシャンである私(中澤)は準会員になれる資格を持ち合わせていたため、潜入して当時の状況を確認したところ、いまいち悪の秘密結社的な部分が見えなかったことは以前の記事でお伝えした通り。ちなみに、本部は代々木上原にあるよー。

そのため、そのまま準会員としてのらりくらりしていた。準会員は絡みがほぼなく、向こうから電話がかかってきたのすら、年会費の4000円を払うのを半年くらい忘れてた時くらいな気がする。「すみませ~ん、何か問題ありましたか?」的な具合であった。



・正会員になるには

こちらこそすみません。いわゆる不良会員だったわけだが、そんな私が正会員資格満たしてるってどういうこと? 悪の秘密結社だから不良の方が良いとか? と思いきや、同封されていた関係条文の<会員資格に関する規定>の審査対象になる要件を見ると、著作者の場合以下の要件を満たした人が対象になるらしい。


(1)過去1年間において会員としての義務を完全に履行していること
(2)過去2年以内における分配額の合計が40万円を超えていること

さらに、その資格審査を通った者のうち、次の要件を満たすと認められたものに対して通知が来るようだ。著作者の場合と出版社の場合が記載されており、そのまま書くと複雑に見えるので、著作者の要件をざっくり言うと……


(1)将来にわたり、正会員としての義務を履行し、かつ、本会の運営に寄与することができる見込みがあること
(2)将来にわたり、分配額2年で40万円を超える見込みがあること
(3)著作権侵害行為、著作物使用料の滞納など、本会の正会員としてふさわしくない行いがないこと



・会員の義務とは

前述の通り、不良会員ゆえ何度も繰り返されている「会員の義務」って何やねんと思ったのだが、それも前ページに書いてあった。「定款(ていかん)」の第15条(会員の義務)を要約するとこう書かれている。

・正会員は社員総会に出席して議決権などの権利を行使するよう努めてね
・会費納入してね


社員総会とか俄然興味が湧いてくるやん。要するに、JASRACの方向性は会員のミュージシャンはじめ音楽業界関係者の決議で決められているわけだ。そう言えば、会長も選挙で選ばれてる。


・QRコードから申し込み

多分、メディアの記者でここまで潜り抜ける人あんまりいないんじゃないかなあ。冒頭の憧れ以上に、記者としても稀有な場面に立ち会うチャンスかもしれない。というわけで、正会員の申し込みをしてみよう。


書面の正会員資格取得申込書が同封されているが、申し込みはQRコードからもできるようになっている


記入する内容は、名前、住所、電話番号などの個人情報で、ウェブ申し込みだと権利者コードや生年月日も。


で、任意で音楽活動歴や代表作を書く項目がある。正直、代表作と胸を張れるようなヒット曲は存在しないが、まあ、任意だし気に入ってる曲を書いておいた。申込理由は「組織に入りたいから」っと



入力内容の確認ページがあった後、「送信する」ボタンを押したところ……


受付終了



・さらに深く潜入できるか

粗大ゴミを売るより簡単であった。その後、会務部から申し込み受付をした旨のメールがあった。手続が完了したら関連書類が送られてくるらしいが、これは5月中旬になるようである。

なお、正会員になると会費は1万2000円になるらしいが、私はなりたくてなってるのでここには特に文句はない。さて、はたしてこんな記事を上げても私は正会員になれるのだろうか? 今後を見守りたい。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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