コロナ禍、紛争、物価高……いろいろと不安定なこの世の中で、価値が揺らがないものって何だろう。……そう、金(ゴールド)である。
給料は一向に上がらんし、円安も終わる気配がない。もう信じられるものはGOLDしかねぇ!! そう思った私(まろ)は、巨大金山がある静岡県・伊豆半島へと車を走らせた。金採ったるぞー!!
・伊豆市指定史跡 土肥金山
やってきたのは、静岡県・伊豆半島の西側に位置する「土肥金山」。江戸時代から明治時代にかけて、全国2位の金生産量を誇った伊豆最大の金山である。
伊豆市指定史跡……となっていることから薄々気づいた人もいるかもだが、土肥金山はすでに閉山していて金の採掘はおこなわれていない。
しかし! 金山全体が観光坑道として生まれ変わり、その中の施設で「砂金採り体験」を楽しむことができるのだ!
最近、山梨で似たような「宝石探し」を体験したばかりだからな、砂金採りに関しても自信しかない。お楽しみは最後にとっておくとして、まずは坑道と黄金館を見学してみよう。
・伊豆随一のパワースポット 観光坑道
金の採掘というのはとても大変な作業だ。にもかかわらず、土肥金山の閉山時には総延長約100キロ、深さは海面下180メートルにも掘削坑道が及んだというから驚きである。
現在はその長〜い坑道のほんの一部(350m)が、観光坑道として舗装され公開されている。江戸時代の作業風景を電動人形たちが再現しているぞ。
坑内で注目なのが、「山神社」と「黄金の泉・銭洗い場」という2つのパワースポット。
山神社で黄金の鳥居に触れ、黄金の泉でお金を洗えば金運がアップするかも!? とのこと。しっかりタッチして小銭も洗ってきたので、1年後くらいにどうにか億万長者にしてくれないかな……。
・世界一の巨大金塊は必見
坑道を出た先にあるのは資料館である黄金館。この中には土肥に来たならば絶対に見ておきたい凄いブツが鎮座している。それが……
250キロの超巨大金塊!
なんとその大きさは堂々の世界一! ギネスブックにも認定されているんだとか。
しかも、気軽に触ることができちゃうから驚きだ。こんなセキュリティ甘そうなところに置いといてよいのかと心配になったが、このレベルになると逆に盗みようがないよね。なにせ重すぎる……!
ちなみに、このドデカい金塊を金箔に伸ばすと、畳約7万枚、東京ドーム約2.6個分に相当するらしい。もはや規模がデカすぎてよくわからん。
他にも、金塊の重さを実感できるコーナーや、産出品の展示もあったな。金って貴重なもののはずなのに、施設内が金まみれでなんだか感性が麻痺してきたぞ……!
・砂金館で砂金を採りまくろう
さあ、ようやくお待ちかねの「砂金採り体験」の時間がやってきた。資料館であれだけ大量の金を見せつけられたからな……。ここまで来てこのまま手ぶらで帰るわけにはいかない……!
体験料は750円で、制限時間は30分。パンニング皿という専用の器を使い、砂利の中から砂金を探していくぞ!
まずは皿を立てて奥底からたくさん砂をさらう。
皿を軽く水に浸したら、車のハンドルのように軸を固定して左右に回す。砂金は砂より重いので、ゆすることで金が下の方に沈殿していくのだそう。
何回か回したら、今度は砂を流し落とす作業だ。パンニング皿には溝があるので、ここに砂金が引っかかってくれていることを信じ、余分な砂を流し落としていく。さてさて、一回目の結果は……
何もありませんでした。悔しい……!!
下手すぎて途中で砂金が全て流れ出てしまったのかもしれないし、すくった砂の中に最初から砂金が無かった可能性もある。
まあでも考えている時間がもったいないからな、時間の許す限り砂金を探していこう。
丁寧な作業は大事なのだろうが、試行回数を稼がないと話にならない。1回目よりもスピードを意識して2回、3回と皿を回していく。
そうこうしているうちに、一瞬なにかがキラリと光ったぞ……! もしかしてこれって……
金だ!!!! 3回目にしてやっと見つけた!
勢いよく砂を流していたのだが、金はしっかりとパンニング皿の溝に残ってくれていた。写真だとイマイチ分かりにくいが実際は光り輝いているので、思っていたよりも判別しやすい。なにせ砂金は純金(24k)ですからね……!
その後もハイスピードで皿をゆすりまくり、30分で7粒の砂金を手に入れることに成功。平均は2〜3個らしいからなかなか良い成果なのでは!?
……と思ったら、名人級の人々は30粒くらい軽々採っていくらしい。多少運も絡むとはいえ、30分で30粒も見つけるその手捌き、是非1度拝見したいものである。
採れた砂金は小瓶に入れて持って帰ることができ、追加料金を払えば砂金を使ったグッズを作ることも可能だ。たくさん採れた高揚感からか、勢いでキーホルダー作っちゃったよ。
・西伊豆に来たら金山に寄り道推奨!
砂金採り楽しすぎたな……! 本当にあっという間の30分だった。施設全体の見学を含めても1〜2時間あれば回れてしまうくらいの規模なんだけど、得られる充実感がハンパない!
坑道を巡って、世界一の金塊に触って、砂金まで採れちゃったからな。展示も土産物屋も金まみれで、これでもかというくらい「金」を体感することができた。
土肥ってファミレスが1つも無いような場所なんだけど、それでもまた行きたいと思わせてくれる魅力が、土肥金山にはたくさんあった。次行く時は砂金30粒以上見つけて、「砂金採り名人」として土肥金山の歴史に名を刻んでやるぞ〜!!
・今回ご紹介した施設の詳細データ
施設名 土肥金山
住所 静岡県伊豆市土肥2726
時間 9:00~17:00(入場受付~16:30 砂金受付~16:20)
休日 年中無休
参考リンク:土肥金山
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.
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▼調子が良い時は一気に3粒採れることも!
▼採れた7粒はこちら。言い忘れていましたが、砂金採りは姿勢的に腰が死にます。腰痛持ちはお気をつけて……。水はぬるめの温泉なので冬の体験でも辛くないです
▼作ったキーホルダーにはレンズが付いていて砂金がよく見えます。小・中学生が好きそうなデザインだな
▼お土産も金だらけ! もちろん本物の金箔を使用した商品もたくさんありました