今日は寿司が食いたい。どこかで面白い寿司でも出ていないものか。とりあえずググったら、くら寿司で「大とろと愛媛県フェア」が始まっていた。
しかも、対象メニューにナマズがいる。は? ナマズの握りってマジかよ。面白れぇ寿司屋。さっそくスキップしながらくら寿司にやってきたところ……は? 何だこれは? 何が起きているんだ?
・パンガシウス
私が見た くら寿司のフェア情報はこちら。ちょうど今日から始まった「大とろと愛媛県フェア」だ。目玉はおそらく、トップにいる「ふり塩熟成大とろ」と「みかんぶり」なのだろう。
それ等も興味深いのだが、私の気を引いたのは、下の方にいるこいつ。「柚子塩パンガシウス」。
“あっさり食べやすい! おいしい白身魚!” と煽っているが、特に魚に興味のない一般人がこの商品を見た際に知りたいのは、そういうことじゃないと思う。
美味いとか不味いとか以前に、何なのかという所から入るべきだと思うのだ。こいつの正体は、わかりやすく言えばナマズである。
しかし我々日本人がナマズと聞いてイメージする、その辺の川にいるあいつらとは、種としてはもちろん、単純なビジュアル的にも明らかに違う。
日本人にとっての良き隣人たるナマズは、恐らくナマズ目ナマズ科ナマズ属のナマズか、有名な日本固有種のビワコオオナマズだと思われる。
対して話題のパンガシウスはナマズ目パンガシウス科に属する魚で、ベトナムやインドなど、あちらの方でコモンなタイプ。
現地ではフライにされるなどしている。実は日本のスーパーで切り身が売られること自体は珍しくないのだが、多くは加熱調理用だと思われる。
そんな魚を寿司屋が出すとなると、普通はピックアップしないだろうし、したところでこれを目当てに食べにくる人は多くないはずだ。
・167分
つまり常識的に考えて、大手チェーンによるパンガシウス寿司は貴重……! ということで、記事冒頭に至るのだ。
しかし、ウッキウキで くら寿司に到着した私を待っていたのはこちらの画面。
待ち時間167分ってディズニーかよ。もう少しで『ロード・オブ・ザ・リング』を1本見られるじゃねぇか。
よく見れば、店内の順番待ちスペースは超満員。やたらと女子高生や、20代前半くらいの若いレディ、そして子連れママが多い。マジでディズニーじゃん。
そんな中で待つこと、結構な時間。ようやく寿司にありつける時がやってきた。まさかパンガシウスがこんなに女性とキッズに人気とはなぁ。
パンガシウス科には巨大な三角形の背びれを持つ格好いい種もおり、ペットとしての人気も高い。知らぬ間に、サカバンバスピスみたいな感じで空前のブームが来ていたのだろう。
それにしても「大とろと愛媛県フェア」にパンガシウスが入ってるの、マジで意味わからんな。
おや……?
_人人人人人人_
> ちいかわ <
 ̄Y^Y^Y^Y^ ̄
「大とろと愛媛県フェア」と同時に、3月8日から ちいかわコラボが始まっていたもよう。この大混雑の原因はお前か……!
常識的に考えて、パンガシウスを食いに若いレディや子連れママが殺到するはずがないのである。
ちなみに目的のパンガシウスは、驚くほど柔らかく、魚とは思えないクセの無さで、非常に食べやすかった。柚子塩と合わせたのは大正解だと思う。
まさに “あっさり食べやすい! おいしい白身魚!” の通り。皆さんも ちいかわ目的で くら寿司に行った際は、パンガシウスも食べてみてください。
参考リンク:くら寿司
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼他のフェアメニューももちろん食べてみた。全てウマかったが、特に良かったものをピックアップする。
「みかんぶり(280円)」 全くブリっぽくない。ミカンの味がする。
「みかんサーモン(230円)」 驚くほどサーモンを辞めたサーモン。ミカンの味がする。
「みかん真鯛(165円)」 もとよりクセが強くない真鯛。もはや魚類界のミカン。
「宇和島風鯛めし(180円)」 お勧め。酒のつまみ感がある。鯛のジャンクな食べ方として1番うまい方法の1つかもしれない。
「ヤイトハタ塩麹漬け(180円)」 全くフェアとは無関係だが、メニューに見つけて注文不可避だった。ハタの仲間なので、クエなどと同様に巨大で美味い。その寿司はもちろん美味い。塩麹によるアクセントは巧み。