驚安の殿堂こと、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」。店内を散策していたら『くさいけどうまい豚骨らーめん(税込み258円)』という、見慣れない商品が視界に飛び込んできた。

カップ麺を買うつもりは一切なかったのだが、黒字でデカデカと書かれた「くさい」の3文字があまりにも強烈すぎて、ついつい購入してしまった……。

・ちゃんと臭い、ちゃんと美味い

調べてみたところ、ドン・キホーテと九州の老舗メーカー『サンポー食品』が共同開発を行い、昨年末からドンキ限定で販売をしているカップ麺とのことだ。


パッケージには「九州人もうなる」の文字。

個人的に、たかがカップ麺だし「ちょっと言い過ぎじゃないの?」という疑惑がぬぐえないのだが、果たして。


中身はとてもシンプルで「ネギ&きくらげのかやく」「粉末スープ」「調味油」の3袋のみ。

かやく袋と熱湯を注いで待つこと3分。ここまでは何の変哲もない美味しそうなカップ麵だったのだが、粉末スープを入れた瞬間、空気が変わった。


なんだ? この、におい。

普通のカップ麺では感じることができないような「獣臭」をほんのりと感じる。


あっ。このカップ麵ヤバいかもしれないぞ……。

そんな疑惑も、調味油を加えた瞬間 確信に変わった……。


はい。超くさい!


怖いもの見たさで直でも嗅いでみると、体験したことない獣臭が鼻を支配する。間違いなく人生で一番「くさい!」と感じたカップ麵だ。パッケージに噓偽りなしである。


くさい! でも、不思議なことに食べ進めていくほど獣臭が『豚の濃厚な風味』に変わる。食べれば食べるほどクセになる味わいだ。


一度この味と においに慣れてしまうと、他の豚骨系カップ麵では満足することができないかもしれない。それくらい強烈な旨味とインパクトを体験することができて驚いた。 


・九州人は本当にうなるのか……?

個人的に、かなり本格的な豚骨テイストを堪能できて感動した商品であったのだが、どうしても気になるのがパッケージに記載されている「九州人もうなる」の文言。本場の豚骨に慣れ親しんだ人間が食べた場合、どのような感想を抱くのだろうか?


せっかくなので、九州人の知り合いにも食べてもらって実際に『うなるのか?』を検証してみた。なお、先入観をなくすためアイマスク着用&何を食べるのか一切知らない状態で検証を行い、正直な感想をいただくことにする。


完成したラーメンを運んできた瞬間

「なるほど~。そういうことね(笑)」と口をそろえる2人。においのみで、何を食べさせられるのか勘づいた様子。やはり、この臭さは伊達じゃない!


さぁさぁ。気になる味の感想をいただくとしよう。

果たして九州人はうなるのか……緊張の瞬間である。


ズルズル……

ズルズル……

……

……

……


「うん……。美味い(笑)」

おぉ! 本場の人間から『美味い』と、最高の褒め言葉を引き出した!


詳細を聞くと、めちゃくちゃ本場の豚骨ラーメンに近いとのこと。特に豚骨ラーメン発祥の地と言われる久留米市のテイストに限りなく近いとのことだ。「正直、カップラーメンでここまで本場の味に似た商品に出会ったことがないから嬉しい」とも発言していた。


ただ、「スープが少し薄いのが惜しい」との意見も。あくまで本場のお店と比べた場合、少し薄く感じてしまったとのことでカップラーメン単体としてみたら、かなり美味い部類とも語っていた。


最後に「うなった?」と聞いてみたところ『うなった。カップ麵でこの再現度は普通に凄いと思う』との評価をいただくことができた! パッケージに記載されている文言は本当であった。

とにかく手軽に本場の味と雰囲気を堪能できる「くさいけどうまい豚骨らーめん」。気になった方は、お近くのドン・キホーテまで足を運んでみてほしい。

執筆:イナバタクヤ
Photo:RocketNews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]