節分で購入した豆が、そこそこ残っている。そのまま食べてもいいのだが、ガッと消費できる方法があると嬉しい。何か良い案はないものか。
そう言えば正月の餅もまだある。大豆と餅と来れば、これは「きな粉」を作れということかもしれない。多分、大豆をすり潰せばきな粉になるだろう。いや、なるのか……?
考えていても仕方がない。百聞は一見に如かず、試してみようではないか。
・すり鉢を使って
節分の豆は数え年の分だけ食べるといい、と言われている。いつ頃からそう言われるようになったのか調べたことがないのでわからないが、この歳にもなると結構な量だ。
17粒くらいまでは美味しいなあと、ボリボリ食べられるが、途中で「もういいかな……」となってしまう。
それでも間を開けつつ食べれば完食できるが、如何せん我が家には諸事情により何袋もの豆があるのだ。早いこと食べてしまうには、なにかしらの手を加える必要があるだろう。
そんな事情からの、大豆をきな粉にしよう作戦だ。市販のきな粉の原材料を見ると、大豆と明記されているので、パウダー状にすれば良いだけだと踏んでいる。
ミキサーでひと思いにやってしまえば早く結果が出そうな気がするが、生憎(あいにく)先日壊れたばかり。すり鉢を使って、地道にゴリゴリするとしよう。
・ワイルドなきな粉で美味しい
使用するのは、菓子メーカー「でん六」の “でんちゃん福ます” に入っていた大豆2袋だ。ひと袋が約28gらしいので、56gくらいの大豆を潰すことになる。
まずは袋を開け、すり鉢に移すと……この段階で香りが既にきな粉! きな粉って大豆から出来ているんだなと、改めてしみじみしてしまった。
そして、ひたすら単純作業だ。すりこぎ棒(我が家にはなかったので めん棒で代用)で、大豆が細かくなるまで潰していく。
簡単ではあるのだが、結構大変。思ったよりも大豆を細かくするのには、時間がかかる。ゴリゴリ、ひたすらゴリゴリやっても粗い部分は残るし、ポロポロと取れる皮も邪魔だ。
ミキサーを買った方が早かったかなと思いつつ、引き続きゴリゴリ。ようやく細かくなってきたかなというところで、網でこして、粗い部分とそうでない部分とに分ける。
粗さが残るものは再びすり鉢に入れてゴリゴリ。これを何度か繰り返すうちに、ようやく、それらしいものが出来あがった。時間としては30分くらいだったと思う。
市販のきな粉と比べると粒の大きさが目立つが、触った感じはサラッとしていて、十分きな粉っぽい。少し取り分け、同量の砂糖と少量の塩を入れて、温めた餅をドボンする。
しっかり粉をまぶして食べたところ……味はちゃんときな粉!! やはり大豆を潰すだけで、きな粉になることが証明された。ものすごく当たり前ではあるが、はじめての経験だったので少し感動してしまった。
またひきたてだからか、買ったものよりも香ばしさがあって良い。風味は最高だ。ただし、見た目通り舌触りのザラっとさは、やや気になる。
歯ごたえも市販のものよりはしっかりあるが、これはこれで美味しい。ワイルドさのあるきな粉で、個人的には好きだ。
今回は56gで、丼茶碗の半量くらい出来た。きな粉を買うとついつい少しだけ余らせてしまったりするが、自分ですり潰す場合は、食べたい分だけ作れるところも良い。
記者のように大豆がたくさん手元にある人は、一度試してみると良いだろう。ミキサーを使えば、よりサラサラの自家製きな粉が作れることと思う。
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.