今年の天才・オブ・ザ・イヤーはもう決まったようなものだろう。正確には去年発売だが、マツモトキヨシのPB商品『指にまきやすい絆創膏(ばんそうこう)』が今、ネットでバズりにバズっている。

なんとこの絆創膏、小学生の女の子の発明を商品化したものなのだ。実際に使ってみた結果、詳細は後述するが、まさに天才の発想としか言いようがなかった。逆になぜ今までなかったのか?

・小学生のアイデアを商品化

手の指に自分で絆創膏を貼るのは大人でもちょっと難儀だ。片手で巻かなくてはならないため、どうしてもテープ同士がくっついたり、よじれたりしてしまう。小さい子供なら なおさらだろう。

そんな悩みを解決するため、茨城県の小学4年生(当時)宇賀持琴音(うがもち ことね)さんが考えたのが、端にパッドを寄せた絆創膏だった。

絆創膏を貼る際、パッドを傷口に当てて巻くと、左右のテープがくっついてしまうことに着目した宇賀持さんは、お母さんと一緒に家にあった絆創膏のパッドの位置をずらしてみたという。

宇賀持さんはこのアイデアで、2022年「世界青少年発明工夫展」の銅賞を受賞。ついにはマツモトキヨシでの商品化にまで至ったのである。いくらなんでも天才すぎないか……?



・使ってみた感想

『指にまきやすい絆創膏』は20枚入りで税込327円。同じマツキヨブランドの『救急用絆創膏』が50枚入りで税込217円であることを考えると、若干高価な印象だが……


実際に使ってみたところ、これがマジで天才の絆創膏だった。通常の商品と比較してみると、パッドが中央ではなく端に寄っていることが分かる。


セパレーター(白い紙)の長さが違うのも特徴だ。


それではさっそく指に巻いてみよう。最初に短いセパレーターをはがし……


患部にパッド部分を当てたら……


残りのセパレーターを持って……


くるくる巻く。


これで良し。



・天才か

画像で伝わるか分からないが、便利すぎて感動するぞ。そうなんだよ宇賀持さん。傷口にパッドを当てる時が一番厄介なんだよ。これは通常の絆創膏を貼ってみるとよく分かる。


膝などに両手で貼るなら問題ないが、自分の指に片手で巻こうとする場合、細心の注意を払わないと大人でも端と端がくっついたり、変に曲がってしまったりするんだよな。あれはテンションが下がる。

そういったミスを防ぐため、あらかじめ片側を切って使っているという人もいるのではないか。ただ、自分だったら絶対にやらないと思う。なぜなら面倒だから。面倒は嫌だ。働きたくないでござる。

そういう意味でも、この『指にまきやすい絆創膏』は革命であり、宇賀持さんは偉大な発明家である。30歳近く年下だが、今日からこう呼ばせてください。宇賀持先生と──。



・一家に一箱

ちなみに素材自体も伸縮性があって柔らかく、しっかり肌にフィットしてくれるので指を曲げやすかった。多少割高ではあるものの、手の指専用の絆創膏として常備しておく価値は大いにあるだろう。

たしかにアイデアとしては単純かもしれない。しかし、そのアイデアの実現のために自ら考え行動し、具現化することがどれだけ難しいか。今後はこの絆創膏を指に巻くたび、若き天才発明家に心の中で敬礼することになりそうだ。

参考リンク:マツモトキヨシ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.