先日、3年くらいぶりに仙台へ行って感じたのは、意外にも「食べ物の自販機が異様に多い」ということだった。もちろん総数でいえば東京や大阪のほうが多いだろうが、駅周辺に限定すると、一平方メートルあたりの割合は仙台が圧倒している気がする。これマジな話。
ラーメン、スイーツ、焼き鳥に餃子などなど仙台と全く関係ない自販機グルメが並ぶなか、やはりというべきか……仙台名物『牛タン』も販売されていた。仙台の牛タンは自販機でもレベルが違うのだろうか?
・なぜ自販機が多いのか?
それにしても “仙台に食べ物の自販機が多い” という現象のウラにはどんな事情があるのだろう? 仙台出身の知人に尋ねたところ「仙台に食べ物の自販機が多いという話は聞いたことがないし、その認識もない」との答えで、取り付く島もない。謎は深まるばかりなのだった。
手軽に買えてストックできるという観点から、寒さが厳しい東北において自販機や冷凍食品の需要が多い……という可能性はある。ただ、あくまでも推理の域を出ないうえ、あまり勝手なことを書いて怒られるのも嫌なのでこれ以上考えるのはよそう。
そんなことより、問題は牛タンの自販機である。「東北うまいもの食堂」と銘打たれたその自販機には、宮城県の名物がズラッと取り揃えられていた。
気になる『牛たん 切り落としねぎ塩味』はなんと約240グラム入りで500円! 都内のスーパーで牛タンを買うと、だいたい100グラムあたり6〜800円が相場である。 “切り落とし” の程度は不明ながら、これは破格と言っていいだろう。
運が良ければ4000円相当のサーロインが当たるという『仙台牛ガチャ』もそそられる。当たりとハズレの2種類のみという、あまりやる気のない感じが逆にアツい。
滅多に流通しない石巻産の深海魚「ノロンボ」をフライにした『みやぎ深海魚カツ』(3個入り300円)も気になる。お前は一体何者でどんな味なんだノロンボ?
・食べてゆく
とはいえ趣旨から外れすぎてしまうため、ノロンボは次回に持ち越すことに。
こちらが東京へ持ち帰った牛タンと仙台牛切り落とし。約4時間の移動を経てもカチンコチンに冷えていた。あ、言い忘れたけどガチャは普通にハズレました!
解凍した牛タン。やはりこの量で500円は破格である。「切り落とし」というだけあって、色々なサイズ・厚さの牛タンが混在しているようだ。
焼いた牛タン。
ハハ〜ン……なるほどなるほど。これはアレか。スーパーとかでよく見る『味付け肉』ってヤツだ。タン先にしては柔らかくて食べやすい。でも、言われなければタンだとは気づかないかもしれないほど、調味料がよ〜く浸みている。
とはいえサクッとした歯ごたえは確かに牛タンのそれなので、やっぱ牛タンは牛タンなのだろう、たぶん。ちなみにレモンをかけるとかなり牛タンみが増す。まぁ……そんな感じである。何度も言うけどコスパはスゴイ。
・結論として……
つづけざまに仙台牛切り落とし。
100グラム1000円の肉だけあって、おいしそうな色をしている。
こちらは味がついていないので、塩コショウをふってみる。
ウッワ〜!!! ペッパーランチにそっくりィィィイイ!!!
「ペッパーランチにそっくり」が褒め言葉に聞こえない読者もおられるかもしれないので一応お断りしておくと、この肉は柔らかくてとてもうまい。牛肉の切り落としを塩コショウで味付けすると、どんなにいい肉でもペッパーランチっぽくなる……それだけの話だ。ちなみにこちらもレモンをかけると美味しさが増した。
結論:牛肉の切り落としにはレモンをかければ大体おいしくなる
みんなも仙台へ行ったら牛タン自販機を探してみてくれよな!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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▼『ずんだシェイク』の自販機は仙台駅にあります